- 障害者雇用
心臓弁膜症でも仕事は続けられる?働き方の工夫と両立のポイントを解説

この記事の内容
突然、「心臓弁膜症」と診断されたとき、多くの人が直面するのは、これまでの生活、特に「仕事を続けられるのか?」という大きな不安です。
しかし、正しい知識と工夫、そして周囲の理解があれば、心臓弁膜症を抱えながらも無理なく働き続けることは十分可能です。
ここでは、心臓弁膜症の基本から、実際にどのように働き方を工夫すればよいのか、実践的なヒントまで、徹底的に解説します。
心臓弁膜症の基礎知識
心臓弁膜症とは
心臓には、血液の流れを一方向にコントロールする「弁」が4つ存在します。
それぞれの弁が正常に開閉することで、心臓は効率よく全身に血液を送り出し、身体の隅々まで酸素と栄養を供給しています。
しかし、加齢、病気、先天的な異常などにより、弁の開閉がスムーズにできなくなると、血液の流れが乱れ、心臓に大きな負担がかかるようになります。
この状態を「心臓弁膜症」と呼びます。
弁膜症には主に次の2つのパターンがあります。
- 狭窄症(弁が狭くなり血液が流れにくくなる)
- 閉鎖不全症(弁がきちんと閉まらず血液が逆流する)
どちらの場合も、進行すれば心不全のリスクが高まり、日常生活や仕事に支障をきたすことになります。
心臓弁膜症の原因
心臓弁膜症の原因は多岐にわたります。
【主な原因】
- 加齢変性
年齢とともに弁の組織が硬化し、機能が低下する。最も一般的な原因。 - リウマチ性弁膜症
過去のリウマチ熱による後遺症。特に僧帽弁に障害が起こりやすい。 - 先天性異常
生まれつき弁の形や構造に問題があるケース。若年層にも発症。 - 感染性心内膜炎
細菌感染により弁に障害が起こる。重症化すると急速に進行する。 - 放射線治療後障害
がん治療で胸部に放射線を照射した後、弁の硬化が起こる場合がある。
こうした原因によって、弁が硬くなったり、破損したりして、正常な血流が妨げられるのです。
心臓弁膜症の種類と特徴

弁膜症は、障害される弁によって分類され、それぞれ異なる症状と影響をもたらします。
大動脈弁狭窄症(AS)
【特徴】
- 心臓から送り出される血液が弁の狭窄により流れにくくなる。
- 心臓の負担が増え、心不全を引き起こしやすい。
【主な症状】
- 労作時の息切れ
- 胸痛
- 失神発作
- 全身の倦怠感
【働き方への影響】
- 長時間の立ち仕事や肉体労働はリスクが高い。
- 休憩を取りながら、無理のない範囲で働く工夫が必要。
大動脈弁閉鎖不全症(AR)
【特徴】
- 大動脈弁が完全に閉じず、血液が心臓に逆流する。
- 左心室の拡大、心機能低下を招くことがある。
【主な症状】
- 動悸
- 呼吸困難
- 疲労感
【働き方への影響】
- 体力の急激な消耗に注意。
- 通勤負担を減らすため、在宅勤務や時短勤務の活用が有効。
僧帽弁狭窄症(MS)
【特徴】
- 肺から左心房への血液流入が妨げられ、肺うっ血が進行する。
【主な症状】
- 息切れ(特に夜間)
- 動悸
- 疲労感
- 頻繁な咳
【働き方への影響】
- 運動量の多い仕事には注意。
- こまめな休憩と、水分・塩分管理が重要。
僧帽弁閉鎖不全症(MR)
【特徴】
- 僧帽弁がしっかり閉まらず、血液が逆流する。
【主な症状】
- 労作時の息切れ
- 下肢のむくみ
- 動悸
【働き方への影響】
- ストレスの少ない職場環境を選ぶ。
- 仕事量をコントロールする仕組みづくりが大切。
三尖弁狭窄症・閉鎖不全症
【特徴】
- 右心房と右心室の間の弁が障害され、全身への血流が影響を受ける。
【主な症状】
- むくみ
- 腹水
- 肝腫大
- 首の静脈怒張
【働き方への影響】
- 長時間のデスクワークや座りっぱなしにも注意。
- 体調管理を最優先し、柔軟な働き方を選択する。
心臓弁膜症の合併症

心臓弁膜症は、単独で進行するだけではなく、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
特に、病状が進行すると心臓や全身への影響が広がり、命に関わるリスクも高まります。ここでは、心臓弁膜症によって引き起こされる主な合併症について詳しく見ていきましょう。
心不全
心臓弁の障害により血流が滞ると、心臓に過剰な負担がかかり、やがて心不全を引き起こします。
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、体に必要な血液を十分に送り出せなくなる状態です。
【主な症状】
- 息切れ、呼吸困難
- 足や腹部のむくみ
- 疲れやすさ、全身倦怠感
- 夜間の頻尿や起座呼吸
心不全が進行すると、安静にしていても息苦しさを感じるようになり、日常生活にも大きな制限が生じます。
不整脈
心臓弁膜症では、特に心房細動(AF)という不整脈が起こりやすくなります。
心房細動は、心房の規則的な収縮が失われ、血液の流れが乱れる状態です。
【心房細動によるリスク】
- 心拍数の異常な増加により心機能がさらに悪化
- 心房内に血栓が形成され、脳梗塞のリスクが上昇
心房細動がある場合は、脳卒中予防のために抗凝固療法が必要になることもあります。
血栓・塞栓症
血流が滞ったり、心房細動による血液の乱流が起きることで、血栓(血の塊)が形成されるリスクが高まります。
この血栓が血管に詰まると、脳梗塞や肺塞栓症など、重篤な合併症を引き起こすことがあります。
【血栓症のリスク対策】
- 抗凝固薬(ワルファリンや新規抗凝固薬)の適切な使用
- 定期的な血液検査による管理
肺高血圧症
特に僧帽弁狭窄症では、肺から心臓への血流が障害されるため、肺の血管に高い圧力がかかり、肺高血圧症を発症することがあります。
【肺高血圧症の症状】
- 労作時の強い息切れ
- 胸の圧迫感
- めまい、失神
進行すると右心不全(右心系の機能不全)を引き起こすため、早期発見と治療が重要です。
心臓弁膜症の検査と治療

心臓弁膜症の診断と治療方針を決定するためには、正確な検査が不可欠です。
また、症状の程度や弁の障害レベルに応じて、保存的治療から外科的治療まで、さまざまな選択肢が用意されています。
心臓弁膜症の検査
【主な検査方法】
- 心エコー検査(超音波検査)
最も基本的な検査で、弁の動き、血流、逆流の有無をリアルタイムで観察できます。 - 心電図検査
不整脈や心肥大の有無を調べます。 - 胸部レントゲン検査
心臓の大きさや肺のうっ血の状態を確認します。 - 心臓カテーテル検査
より詳細な情報が必要な場合に実施。血圧や血液成分を測定し、正確な診断を行います。 - CT・MRI検査
心臓や血管の構造を立体的に把握し、手術前の詳細な評価に役立ちます。
これらの検査結果を総合的に判断して、治療方針が決定されます。
心臓弁膜症の治療
治療方針は、症状の有無、弁の障害度、心機能の状態、患者さんの年齢や全身状態を総合的に考慮して決定されます。
保存治療とカテーテル治療
【保存治療】
軽症の場合、すぐに手術を行わず、薬物療法と生活指導によって症状をコントロールします。
- 利尿薬で体内の余分な水分を排出し、心臓の負担を軽減
- 血管拡張薬で血流を改善
- 抗凝固薬で血栓形成を予防
- 生活指導(塩分制限、適度な運動、体重管理)
定期的な心エコー検査を受けながら、進行具合を慎重にモニタリングします。
【カテーテル治療】
近年、開胸手術に代わる低侵襲治療として、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)が急速に普及しています。
- TAVIは高齢者やハイリスク患者に適応されることが多い
- 胸を開かず、カテーテルで人工弁を留置するため、身体への負担が少ない
- 手術後の回復が早く、早期の社会復帰も可能
カテーテル治療の適応は限られますが、対象となる場合は大きなメリットがあります。
外科治療
重症例やカテーテル治療の適応外の場合には、外科手術が選択されます。
【主な外科治療法】
- 弁形成術
自分の弁をできるだけ温存し、修復する方法。僧帽弁閉鎖不全症などに適応されることが多い。 - 弁置換術
障害された弁を人工弁(機械弁または生体弁)に置き換える手術。大動脈弁狭窄症や閉鎖不全症に広く行われます。
【手術後の注意点】
- 抗凝固療法(特に機械弁の場合)は生涯必要
- 感染性心内膜炎予防のため、口腔ケアや感染症予防が重要
- 定期的な心臓検診が必須
外科手術はリスクを伴いますが、成功すれば症状の改善や長期予後の向上が期待できます。
心臓弁膜症の方が利用できる社会制度

心臓弁膜症と診断されると、治療費の負担や、働けなくなることへの不安が一気に押し寄せてくるかもしれません。
そんなとき、心強い味方となるのが各種社会制度です。
ここでは、心臓弁膜症の方が利用できる代表的な支援制度について詳しく解説します。経済的・生活的な不安を和らげ、治療に専念できるよう、ぜひ活用を検討しましょう。
高額医療制度と傷病手当金
高額療養費制度
心臓弁膜症では、検査・入院・手術などで高額な医療費が発生することが少なくありません。
そんなときに役立つのが「高額療養費制度」です。
【制度の概要】
- 1か月間に支払った医療費が、自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が払い戻されます。
- 自己負担限度額は、年齢や所得区分によって異なります。
- 医療機関ごと、月ごとに適用されます。
たとえば、標準的な所得の方であれば、1か月の自己負担は8万円台程度に抑えられるケースが多いです。
「限度額適用認定証」を事前に取得しておけば、窓口支払い時から負担軽減が可能になります。
【ポイント】
- 入院・手術を控えている方は、早めに「限度額適用認定証」を申請しておきましょう。
- 手術後にまとめて払い戻しを申請することも可能ですが、時間がかかる場合もあります。
傷病手当金
心臓弁膜症により長期間仕事を休む場合、経済的な支えとなるのが「傷病手当金」です。
これは、健康保険に加入している会社員や公務員が対象となる制度です。
【支給要件】
- 業務外の病気やケガにより、仕事ができない状態であること。
- 連続して3日間の待期期間を経過し、4日目以降も仕事に就けないこと。
- 健康保険に加入していること(任意継続中も対象)。
【支給額】
- 原則、休業前の標準報酬日額の約2/3が支給されます。
- 支給期間は最長で1年6か月。
【注意点】
- 会社から給与が支払われている場合は、調整されることがあります。
- 自営業者や国民健康保険加入者は対象外のため、別途収入補償の検討が必要です。
急な入院や長期療養で収入が途絶える不安を軽減できる重要な制度ですので、条件に当てはまる場合は早めに申請を進めましょう。
障害年金と難病医療費助成制度
障害年金
心臓弁膜症が原因で、日常生活や労働に著しい制限が生じた場合、障害年金を受給できる可能性があります。
これは、働いている・いないにかかわらず、障害状態に該当すれば申請できる公的年金制度です。
【対象となる可能性があるケース】
- 重度の心不全状態
- 日常生活に常時介助が必要
- 労働が著しく制限されている
【主な支給要件】
- 初診日に公的年金制度に加入していること
- 一定以上の保険料納付要件を満たしていること
- 障害認定基準に該当すること(心臓弁膜症は心疾患による障害として評価)
【支給額】
- 障害基礎年金(国民年金加入者):約80万円/年(1級の場合は約100万円)
- 障害厚生年金(厚生年金加入者):収入に応じて異なる
【注意点】
- 申請時には、詳細な診断書が必要です。
- 自己申請制のため、専門家(社会保険労務士など)への相談もおすすめです。
難病医療費助成制度
心臓弁膜症自体は指定難病ではありませんが、原因疾患によっては「難病医療費助成制度」の対象になる場合もあります。
たとえば、リウマチ熱後の重度弁膜症、感染性心内膜炎に伴う重症例などが該当する可能性があります。
【制度の特徴】
- 指定難病と認定された場合、医療費の自己負担割合が原則2割に軽減されます。
- 所得に応じてさらに負担上限額が設定されます。
【申請手続き】
- 医師の診断書(臨床個人調査票)を基に、都道府県・指定都市の保健所などに申請。
- 毎年更新手続きが必要。
【ポイント】
- 申請までに時間がかかるため、早めに医師と相談を始めることが重要です。
- 軽症では対象にならない場合もあるため、医師と基準をよく確認しましょう。
心臓弁膜症と仕事の両立のポイント

心臓弁膜症と診断されたとき、多くの人が「これからも仕事を続けられるだろうか」「今まで通り働けるのか」と不安に感じるでしょう。
心臓弁膜症は進行度や症状の程度に個人差が大きく、病気と向き合いながら働き続けるためには、状況に応じた適切な対応が必要です。
ここでは、心臓弁膜症と仕事を両立するための具体的なポイントを解説します。
どのくらい活動可能か現状把握する
心臓弁膜症と仕事の両立を目指すには、まず「自分がどの程度まで活動できるか」を正確に把握することが最初のステップです。
【活動可能範囲を把握する方法】
- 主治医による診断・助言を受ける
心機能の状態(心エコー検査の結果、NYHA分類)に基づき、運動制限の有無や労働可能な範囲を確認します。 - 自己観察を習慣にする
労作時の息切れ、動悸、疲労感の出現状況を日々記録し、自分の体調パターンを把握します。 - 体調管理ノートをつける
血圧、脈拍、体重、疲労度、症状の有無などを毎日記録することで、微細な変化に気づくことができます。
無理な目標を立てるのではなく、現状を冷静に受け止め、自分にできる範囲の中で働き方を調整することが重要です。
復帰までに適切な準備をする
心臓弁膜症の治療や手術後、いきなり通常業務に戻るのは危険です。
復職を目指す場合には、段階的なリハビリと慎重な準備が欠かせません。
【復帰までの準備ポイント】
- リハビリテーションの継続
心臓リハビリ専門プログラムに参加し、徐々に運動耐容能を高めます。 - 主治医・産業医との相談
復職可能か、どのような勤務条件が望ましいかを医師と確認し、産業医にも共有します。 - 試験的復職(トライアル復職)の活用
一部の企業では、短時間勤務や限定業務から段階的に慣らす「リワークプログラム」が整備されています。 - 通勤手段・時間の見直し
通勤負担を軽減するため、時差出勤やテレワークの活用を検討しましょう。
復職のタイミングは、何より「体調の安定」が最優先です。
無理な早期復帰は、再発や病状悪化のリスクを高めるため注意が必要です。
職場に理解者を作る
心臓弁膜症を抱えながら働くには、職場の理解と協力が不可欠です。
ただし、病状をすべてオープンにする必要はありません。必要な範囲で適切に伝えることが大切です。
【職場への伝え方のポイント】
- 直属の上司には状況を説明する
「無理のない業務配分を希望する」「体調に応じて休憩を取りたい」など、具体的な配慮事項を伝えます。 - 産業医や人事担当者とも連携する
職場復帰プランの作成や、就業上の配慮を正式に文書化することで、トラブルを防ぎます。 - 同僚には適度に伝える
無理を強いられないよう、必要に応じて同僚にも事情を共有し、支援を得られる体制を作ります。
病気を抱えているからといって過剰に遠慮する必要はありません。
「働き続けるために必要な配慮」を具体的に伝えることで、周囲の理解と協力を得やすくなります。
心臓弁膜症に適した仕事と職場
心臓弁膜症と付き合いながら無理なく働くためには、仕事内容や職場環境の選び方も重要なポイントとなります。
体調に合わせた勤務形態や職種の選択
体への負担を軽減しながら働き続けるには、自分の体調に合った働き方を選ぶことが鍵です。
【おすすめの勤務形態】
- 短時間勤務
1日4〜6時間勤務など、体力消耗を抑えられます。 - フレックスタイム制
体調の良い時間帯に合わせて出勤・退勤できる制度。 - テレワーク(在宅勤務)
通勤負担をなくし、体調に合わせて働くペースを調整可能。
【おすすめの職種例】
- 事務職(総務・人事・経理など)
- カスタマーサポート(電話・チャット対応中心)
- Webライター・編集者
- データ入力・在宅オペレーター
これらの職種は、比較的身体負担が少なく、自分のペースで作業できる傾向があります。
【注意すべき職種】
- 立ち仕事が多い職種(販売、介護など)
- 重労働・重い荷物を扱う職種
- 強いストレス・ノルマがかかる営業職
障害者雇用枠の活用
心臓弁膜症の状態によっては、障害者手帳の取得が可能な場合もあります(内部障害扱い)。
障害者雇用枠を活用することで、より配慮された環境で働く道も開けます。
【障害者雇用のメリット】
- 勤務時間や業務内容の配慮が得られやすい
- 通院や体調管理のための柔軟な働き方が可能
- 産業医や支援スタッフのフォローを受けられる
【手続きの流れ】
- 主治医と相談し、身体障害者手帳の申請を検討
- 取得後、ハローワークや専門の転職エージェントを活用して就職活動
- 面接時に必要な配慮事項をしっかり伝える
障害者雇用枠の利用にためらいを感じる方もいますが、無理せず長く働き続けるための大切な選択肢のひとつです。
心臓弁膜症のある方が利用できる就労支援
心臓弁膜症と診断されると、治療や体調管理に加え、これからの仕事をどう続けていくかという不安も大きくなります。
体力や活動量に制限がある中で、無理なく働き続けるためには、社会の支援制度を上手に活用することが重要です。
ここでは、心臓弁膜症のある方が利用できる主な就労支援機関とサービスについて、詳しく解説していきます。
ハローワーク
まず最も身近な支援機関が、全国に展開する**ハローワーク(公共職業安定所)**です。
【ハローワークの支援内容】
- 障害者専用窓口
心臓弁膜症を含む内部障害のある方も利用でき、専門の担当者による相談対応や求人紹介が受けられます。 - 障害者向け求人情報の提供
一般求人とは別に、障害者雇用枠の求人が用意されています。体調や働き方に配慮のある職場を探しやすくなります。 - 職業訓練の案内
新しい職種にチャレンジしたい場合、事務職やITスキルなど、負担の少ない分野でスキルアップを目指すための訓練が受けられます。 - トライアル雇用制度
一度に正規雇用に踏み切るのではなく、一定期間「試しに働く」ことで、自分に合った職場かどうかを見極めるチャンスが得られます。
【ポイント】
ハローワークでは、病状に合わせた就労支援計画を立ててもらうことができるため、最初に相談に訪れるべき場所の一つです。
地域障害者職業センター
心臓弁膜症による体力低下や活動制限があり、働き方に悩んでいる方には、地域障害者職業センターの利用が非常に効果的です。
【地域障害者職業センターの支援内容】
- 職業評価(アセスメント)
現在の体力、作業能力、適応力などを総合的に評価し、自分に向いている仕事を客観的に見つける手助けをしてくれます。 - ジョブコーチ支援
職場にジョブコーチが同行し、業務習得や人間関係の構築を支援。仕事に慣れるまでの間、きめ細やかなサポートが受けられます。 - 就職後のフォローアップ
定着支援として、就職後も定期的な相談やサポートがあり、長く働き続けるための体制が整っています。
【ポイント】
自分自身の「できること」と「配慮してもらいたいこと」を明確にした上で就職活動に臨めるため、ミスマッチを防ぎやすくなります。
障害者就業・生活支援センター
体調や生活全般に不安がある方には、障害者就業・生活支援センター(ナカポツセンター)の利用が非常に心強い味方になります。
【障害者就業・生活支援センターの支援内容】
- 就労支援
就職活動のサポートから、職場適応訓練、職場見学の同行、面接同行まで幅広く対応。 - 生活支援
医療、住まい、金銭管理、人間関係の相談など、仕事以外の生活面でも支援。 - 医療機関との連携
主治医や訪問看護師、福祉事業所と連携し、心臓弁膜症に応じた無理のない生活リズムの維持をサポート。
【ポイント】
生活と仕事の両方に不安がある場合には、就業・生活支援センターに相談することで包括的なサポートが受けられます。
就労移行支援事業所
体調を見ながら少しずつ社会復帰を目指したい方には、就労移行支援事業所の利用がおすすめです。
【就労移行支援事業所の支援内容】
- 職業訓練プログラム
パソコンスキル、ビジネスマナー、自己管理技術などを無理のないペースで学習できます。 - 模擬職場体験
事務作業、軽作業、接客対応など、実際の業務に近い環境で訓練し、体力・集中力を養います。 - 就職活動支援
求人探し、応募書類の作成指導、面接練習を徹底サポート。 - 定着支援
就職後も継続してフォローアップがあり、体調変動にも柔軟に対応できます。
【ポイント】
特にブランクが長い方や、フルタイム就労に不安がある方にとって、無理なくステップアップできる仕組みが整っています。
障害者雇用専門の求人サイト
インターネットを活用すれば、障害者雇用に特化した求人サイトも活用できます。
【障害者専門求人サイトの特徴】
- 内部障害に理解のある企業が多数登録
心臓弁膜症やその他の内部疾患に配慮した求人も多く、体調を考慮した働き方が選びやすいです。 - 在宅勤務・テレワーク可能な求人も充実
通勤負担を減らせる求人が増加中です。 - エージェントサービスがある場合も
履歴書作成、面接アドバイス、企業との交渉など、専門スタッフがサポートしてくれるサイトもあります。
▶ 障害者雇用専門求人サイト【障害者ナビ】はこちら
サイトを活用すれば、より自分に合った働き方をスムーズに見つけられるでしょう。
まとめ
心臓弁膜症を抱えながら働き続けるには、「無理せず、着実に」が鉄則です。
ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所、障害者求人サイト(障害者ナビ)。
これらの支援機関をうまく活用することで、体調に応じた働き方を選び、安心して社会復帰を目指すことができます。
体調の波に合わせて柔軟に働きながら、自分らしいキャリアを築いていきましょう。
不安なときは、一人で抱え込まず、支援のプロフェッショナルに相談することをおすすめします。