2025/10/12
  • お役立ち情報
  • 健康と生活の両立
  • 支援制度とお金のこと
  • 障害者手帳 税金
  • 障害者手帳 補助制度
  • 障害者手帳 車購入

知らないと損する! 自動車税や補助制度、障害者手帳で受けられる支援まとめ

はじめに|車の購入に「障害者手帳」が関係あるって知っていましたか?

「障害者手帳を持っていると、車を買うときや維持するときに優遇がある」
――そんな話を耳にしたことはありませんか?

実は、自動車に関する税金や補助制度は、障害者手帳の種類や等級、住んでいる自治体によって大きく変わります。
一方で、「どこで申請するのか分からない」「もう廃止された制度もあるらしい」といった声も多く、情報が混乱しているのが実情です。

このコラムでは、2025年時点で利用できる障害者手帳による自動車関連の支援制度を、わかりやすく整理します。
全国一律の制度ではないからこそ、「知らないと損をする」ケースも多いテーマです。
これから車を購入しようとしている方、すでに車を持っている方、そして支援者・販売店の方にも役立つ内容としてお届けします。


車が「生活の一部」になっている今

障害のある方にとって、自動車は「贅沢品」ではなく、生活のための“足”です。
通院や通勤、買い物や家族との外出。公共交通機関が少ない地域では、車がなければ日常生活すら難しいケースもあります。

しかし、その一方で「車を買いたいけれど、費用が心配」「障害者手帳で何か優遇はあるの?」という声も多く聞かれます。
この記事では、障害者手帳を持っている人が自家用車を購入・保有する際に受けられる支援制度を、最新の情報をもとにわかりやすく整理します。


かつては「免税」もあった? 税制の変化を知ろう

数年前まで、障害者が車を購入すると「自動車取得税」や「消費税」が免除される制度が存在していました。
ただし、税制改正によって 自動車取得税は「環境性能割」に置き換えられ、消費税の免除制度も全国的には廃止。

つまり今は、「障害者だから車購入時に消費税が免除される」という制度は、原則ありません。
その代わりに、都道府県や市区町村ごとの“減免・補助”制度が整備され、細かい条件を満たすことで税負担を軽減できるケースがあります。


今も使える! 主な優遇・支援制度一覧

(1)自動車税・軽自動車税の減免

障害者本人、またはその家族が所有する自動車で、「主に障害者が使用する」車両の場合、自動車税や軽自動車税が減免される制度があります。

対象となる障害の等級や範囲は自治体により異なりますが、一般的には以下のような条件が多いです。

  • 身体障害者手帳:1〜6級(自治体により差あり)
  • 療育手帳:AまたはB(判定により異なる)
  • 精神障害者保健福祉手帳:1〜2級(要件付き)

また、対象となるのは原則「1人につき1台まで」。
家族名義であっても、障害者本人が主に使用していると認められれば対象になる場合があります。

例)東京都・大阪府・神奈川県・愛知県などで共通して運用中。
申請時期や必要書類(手帳・車検証・印鑑など)は自治体ごとに異なるので、登録前に確認するのが安全です。


(2)環境性能割(旧・取得税)の減免

車を新規購入する際に課される「環境性能割」も、条件によっては免除または減額になります。
都道府県税にあたるため、こちらも各自治体での申請が必要。

環境性能割は車の燃費性能や排ガス基準によって税率が変わりますが、障害者が使用する車の場合には優遇措置が設けられています。


(3)自動車改造費の補助

身体障害がある方が運転しやすいよう、ハンドルやブレーキを改造するなどの費用に対して補助金を出す自治体があります。

例えば、

  • 東京都:最大20万円まで
  • 大阪府:10〜15万円前後
  • 愛知県:最大10万円程度(市町村によって異なる)

といった具合に、改造内容や所得制限によって上限が決まっています。
「補助対象となる改造装置」が定義されているため、事前に自治体に見積書を提出し、許可を得てから改造するのが基本です。


(4)駐車場・有料道路・フェリーなどの割引

直接的な「購入補助」ではありませんが、維持費の面でも優遇があります。

  • 高速道路:ETCカード登録で「障害者割引」(最大50%)
  • フェリー:障害者手帳提示で運賃割引(全国的に共通)
  • 公共駐車場:障害者スペースの無料化・割引

これらは、手帳の提示または「障害者割引登録証」(ETC用)の提出で利用できます。


「自治体による違い」が最大のポイント

ここまで紹介した制度の多くは、全国一律ではありません。
つまり、「東京都では減免されるが、隣の県では対象外」ということも珍しくないのです。

特に注意したいのは以下の3点。

  1. 対象者の等級要件が違う
     例:身体障害者6級までOKの自治体もあれば、3級までの限定も。
  2. 申請期限が短い
     登録から30日以内など、期限を過ぎると減免が受けられないケースもあります。
  3. 「使用目的」が審査される
     単に所有しているだけでなく、「通勤・通院など障害者本人が主に使用する車」であることが求められます。

自治体の公式サイトでは、「障害者 自動車税 減免」で検索すると、申請書PDFや条件一覧が見つかります。
特に都道府県税事務所や市区町村役場の福祉課が窓口になっている場合が多いです。


よくある質問(Q&A)

Q1. 家族名義の車でも減免を受けられますか?
A. 受けられる場合があります。
ただし、「障害者本人の通勤・通院に主に使用している」と認められる必要があります。

Q2. 電気自動車や中古車でも対象ですか?
A. 多くの自治体で対象です。
特にEV(電気自動車)は環境性能が高いため、減免+環境性能割の優遇を受けられるケースもあります。

Q3. 他県に引っ越した場合はどうなりますか?
A. 再申請が必要です。減免は自治体単位で運用されるため、転居先の自治体で改めて申請し直す必要があります。

Q4. どこで手続きをすればいい?
A. 都道府県税事務所または市区町村役場の「税務課」「福祉課」が窓口です。
申請には、障害者手帳・車検証・印鑑・運転免許証・申請書が必要なことが多いです。


まとめ:制度を知らないことが一番の“損”

障害者向けの車の購入・維持支援制度は、経済的負担を軽減し、社会参加を促進するものです。

自動車税減免、駐車場・有料道路割引、消費税免除など多岐にわたりますが、申請が必要で、地域により内容が異なります。制度を最大限に活用するためには、地方自治体や福祉事務所での情報収集が重要です。

医師の診断書や障害者手帳など必要な書類を準備し、積極的に申請することで、経済的な自立と豊かな生活に繋がります。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
  • バナー