- お役立ち情報
- 障害者雇用
【2025年最新版】障害者雇用は本当に狭き門?就職を成功させるコツと突破のポイントを徹底解説

この記事の内容
「障害者雇用は競争が激しいって聞くけど、本当に就職できるのだろうか?」
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
確かに、障害者雇用枠は一般枠に比べて求人数が限られていたり、応募条件に制限があったりと、簡単ではない側面も存在します。
しかし、正しい知識を身につけ、効果的な対策を講じることで、自分に合った働き方を実現することは十分に可能です。
本記事では、障害者雇用の最新動向と基本知識を整理しつつ、実際に就職を勝ち取るために知っておきたいポイントを徹底的に解説していきます。
「狭き門」と言われる障害者雇用の世界を突破し、理想の仕事を手に入れるための第一歩を、ここから踏み出しましょう!
本記事は、2025年4月現在の最新データをもとに解説しています。
障害者雇用の現状と基礎知識
まずは、障害者雇用の基本的な仕組みと、現在の就職状況について理解しておきましょう。
基礎知識を押さえることが、戦略的な就職活動を進める土台となります。
障害者雇用の条件と就職率
障害者雇用枠で働くためには、一般的に以下の条件を満たす必要があります。
【主な条件】
- 身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳のいずれかを取得していること
- 障害者雇用促進法に基づく障害者雇用対象者であること
- 企業の募集要項に定められた障害種別や配慮事項に適合していること
なお、障害者手帳がなくても、一定の条件下で障害者枠応募が可能なケース(診断書による対応など)も一部存在しますが、基本的には手帳の取得が前提となります。
【障害者の就職率】
厚生労働省の発表によると、障害者の就職率は年々向上しています。
- 身体障害者の就職率:約50〜60%
- 知的障害者の就職率:約50〜55%
- 精神障害者の就職率:約30〜40%
特に精神障害者の就職率は課題とされてきましたが、近年は就労支援制度の充実や企業側の理解促進により、少しずつ改善傾向にあります。
ただし、就職率が上昇している一方で、「短期間で離職してしまうケース」「希望職種に就けないケース」も多く報告されており、ミスマッチを防ぐことが非常に重要となっています。
オープン就労とクローズ就労
障害者雇用には大きく分けて、「オープン就労」と「クローズ就労」という2つの選択肢があります。
【オープン就労とは】
- 企業に対して障害の内容・特性を開示して働くスタイル
- 障害者雇用枠としての採用
- 配慮事項(勤務時間、業務内容など)を事前に相談できる
- 支援機関との連携が可能(定着支援など)
オープン就労のメリットは、無理のない働き方ができることと企業側も障害への理解があることです。
一方で、希望する業務に制限がかかる場合もあるため、職種選びには注意が必要です。
【クローズ就労とは】
- 障害があることを企業に伝えず、一般枠で就職するスタイル
- 障害者雇用促進法の対象外
- 業務配慮が受けられない場合がある
クローズ就労は、より自由な職種選択が可能になる一方、障害に関するサポートを受けにくいリスクも伴います。
特に体調変動がある場合や、配慮が必要な障害特性を持つ方には慎重な判断が求められます。
【選び方のポイント】
- 障害特性や配慮事項が明確で、支援を受けながら働きたい → オープン就労向き
- 障害特性の影響が軽微で、一般枠でも問題なく働ける → クローズ就労も選択肢
自分に合った働き方を選ぶことが、長く安定して働き続けるためのカギとなります。
障害者の法定雇用率
企業は一定割合以上の障害者を雇用する義務を負っています。これが、いわゆる**「法定雇用率」**です。
【法定雇用率(2024年4月現在)】
- 民間企業(従業員43.5人以上):2.5%
- 国・地方公共団体・教育委員会:2.7%
つまり、従業員が100人いる企業であれば、2.5人以上(実際には3人以上)の障害者を雇用する必要があります。
【法定雇用率未達成企業の対応】
- 障害者雇用納付金制度により、未達成企業は納付金を支払う義務が生じる
- 行政指導・指導強化が行われることもある
この制度により、企業側も積極的に障害者雇用を進める動きが広がっています。
【狙い目の企業は?】
- 大手企業・特例子会社
障害者雇用実績が豊富で、職場環境の整備や支援制度が充実している場合が多いです。 - 中小企業
アットホームな環境で、個別の配慮が行き届きやすい場合もあります。
いずれにせよ、**「障害者雇用に積極的な企業かどうか」**を見極めることが、安心して働ける職場選びには欠かせません。
障害者雇用が狭き門と言われる理由

「障害者雇用枠は狭き門」と耳にする機会は多いかもしれません。
実際、障害者雇用市場には特有の課題が存在し、それが採用の難易度を押し上げている要因になっています。
ここでは、障害者雇用が「狭き門」と言われる理由について、具体的なデータや背景を交えながら詳しく解説していきます。
自分自身の立ち位置や市場環境を正しく理解することで、就職・転職活動の戦略を練るヒントになるはずです。
障害者雇用の競争倍率
まず押さえておきたいのが、障害者雇用市場の競争倍率です。
【障害者雇用の有効求人倍率(厚生労働省発表データより)】
- 身体障害者:約0.9倍〜1.2倍
- 知的障害者:約0.6倍〜0.8倍
- 精神障害者:約0.4倍〜0.6倍
これらの数字を見ると、「1人あたり1件以上の求人がある」身体障害者と比較して、知的障害者・精神障害者の有効求人倍率はかなり低いことがわかります。
つまり、精神障害者や知的障害者の場合、1つの求人に複数人が応募して競い合う構造になりやすいのです。
【なぜ競争倍率が高くなるのか】
- 企業側の障害特性への配慮体制がまだ十分とはいえない
- 募集対象を特定障害種別に限定している求人が多い
- 勤務時間や業務内容に制約があるため、適合する求人が限られる
- 雇用率達成目的の採用であっても、即戦力・安定就労を重視する企業が増えている
このような背景から、障害者雇用枠は「狭き門」と言われがちなのです。
求人数の少なさ
もう一つの大きな要因が、求人数自体がそもそも限られているという点です。
障害者雇用は、法定雇用率に基づいて企業に義務づけられているものの、
- すでに法定雇用率を達成している企業は積極採用していない
- 欠員補充や拠点限定の求人が多い
といった事情により、一般枠と比べて圧倒的に求人の母数が少ない状況です。
特に、都市部では求人が比較的多いものの、地方では求人自体が極端に少ないケースもあり、地域格差も障害者雇用の難しさを増しています。
応募が殺到するため書類選考で不採用になる
求人数が少ないうえに、限られた求人に多くの求職者が集まるため、書類選考の段階で不採用になるケースが非常に多いのが現実です。
- 障害種別や配慮事項が求人内容と合致しない
- 求められるスキルや経験を満たしていない
- 生活リズムや通勤可能距離が合わない
など、ちょっとした条件のミスマッチでも、選考対象外になってしまうことがあります。
また、企業側も限られたリソースで選考を行うため、
- 職歴やスキルがしっかりアピールできていない
- エントリーシートの完成度が低い
といった理由でも不採用になりやすくなります。
このため、単に「応募すれば通る」と考えるのではなく、
- 応募書類を丁寧に作成する
- 求人ごとに自己PRや志望動機をカスタマイズする
- 障害特性と希望する配慮事項を明確に伝える
といった、戦略的な応募が求められるのです。
空求人が存在する
さらに障害者雇用市場の特殊事情として、**「空求人(からきゅうじん)」**の存在も指摘されています。
【空求人とは?】
- 実際には採用予定がないにもかかわらず、建前上募集を続けている求人
- 法定雇用率を満たすための「求人活動実績」として形式的に出している場合もある
- 内部での調整が進んでおり、すでに内定者が決まっているケースも存在
空求人に応募してしまうと、どれだけ努力しても最初から採用の見込みがないため、無駄な時間と労力を費やしてしまうことになります。
【空求人を見抜くためのポイント】
- 同じ求人が長期間掲載され続けている
- 募集要項が極端に曖昧で具体性に欠ける
- 応募後、企業からのレスポンスが異常に遅い or まったくない
こうした兆候が見られる場合は、慎重に見極める必要があります。
【対策としてできること】
- ハローワークで求人票の詳細情報を確認する
- 就労移行支援事業所や転職エージェントを通して紹介してもらう
- 企業説明会や面談の場で、積極的に疑問点を質問する
信頼できる情報源を活用し、空求人に振り回されないようにしましょう。
採用に影響する要因
障害者雇用枠での就職活動において、単に「障害者枠なら通りやすい」という考え方は危険です。
実際の選考ではさまざまな要素が評価対象となり、場合によっては学歴や経験以上に、「採用に不利となる要因」が影響を及ぼすケースも少なくありません。
ここでは、障害者雇用における採用可否を左右する代表的な要素について、具体的に解説していきます。
自分に当てはまる項目がないかをチェックし、対策を立てることで、就職活動の成功率を高めることができます。
ブランク期間が長いと不採用になる
まず、大きな影響を及ぼすのが就業ブランク(空白期間)の長さです。
【なぜブランクが採用に影響するのか?】
- 勤務継続の不安
長期間働いていない場合、「すぐに体調を崩すのではないか」「勤務リズムに慣れないのではないか」といった不安を企業側が抱きやすくなります。 - スキル・社会性の低下懸念
最新のビジネスマナーや業界知識に疎くなっているのでは、と疑念を持たれることもあります。 - 生活リズムへの懸念
特に精神障害や発達障害の場合、安定した生活リズムが職場定着のカギとなるため、ブランクの長さは敏感に見られるポイントです。
【対策:ブランク期間をポジティブに伝える】
ブランクがある場合でも、次のような工夫をすることで印象を大きく改善できます。
- ブランク中に取り組んだこと(資格取得、リハビリ、ボランティア活動など)をアピールする
- 働く意欲が高まった理由、再就職に向けた準備を具体的に説明する
- 生活リズムが安定していることを面接でしっかり伝える
ブランクを「マイナス材料」として隠すのではなく、「成長のための期間」として前向きにアピールすることが重要です。
障害名で不採用になる
障害者雇用枠であっても、障害種別によって選考に影響が出るケースは少なからず存在します。
【具体的に見られる傾向】
- 身体障害者枠の求人が中心の企業
バリアフリー環境が整っているため、身体障害者を優先的に採用する傾向。 - 精神障害者への配慮体制が不十分な企業
精神障害者の雇用経験が少ないため、採用に慎重になるケース。 - 知的障害者向けに特化した業務設計の企業
簡易作業が中心のため、他障害種別の方がマッチしにくい。
【なぜ障害名で不採用になるのか?】
- 社内で受け入れ態勢が整っていない(例:配慮方法がわからない)
- 安全配慮義務を果たせないリスクを恐れている
- 業務内容と障害特性のミスマッチ(体力が必要、ストレス耐性が必須など)
企業に悪意があるわけではなく、**「受け入れ可能な環境が整っていないため」**の不採用がほとんどです。
【対策:障害特性と希望配慮を整理して伝える】
- 自分の障害について簡潔かつポジティブに説明する
- できる業務、できない業務を明確に伝える
- 必要な配慮内容を具体的に示し、「この配慮があれば安定して働けます」と説明する
これにより、企業側も受け入れ可否を判断しやすくなり、ミスマッチによる不採用を減らすことができます。
年齢が上がるほど採用が難しくなる
障害者雇用枠でも、年齢が上がるにつれて採用が難しくなる現実があります。
【なぜ年齢が影響するのか?】
- 定着期間への期待値が下がる
若手であれば「長く働いて会社に貢献してくれる」期待が持てるが、中高年になると「あと何年働けるのか」という視点で見られる。 - 体力・柔軟性への懸念
特に体を使う仕事では、年齢による体力低下を懸念されることがあります。 - 新しい業務への適応力不安
新しい業務やシステムに柔軟に対応できるか、企業側が慎重に見る傾向があります。
【対策:年齢以上の魅力をアピールする】
- 豊富な社会人経験から得たスキル・知識を強調する
- 年齢に応じた落ち着き、責任感、対人スキルの高さをアピールする
- 最新技術やビジネスマナーにも積極的にキャッチアップしている姿勢を見せる
また、中高年向けの障害者雇用支援サービスや求人サイトを活用することも有効です。
障害者の正社員雇用の現状

障害者雇用枠で働きたいと考える方の多くが、安定した雇用形態である正社員を希望しています。
正社員として働ければ、雇用の安定、福利厚生の充実、昇給・昇格のチャンスが広がり、将来設計も立てやすくなるためです。
しかし現実には、障害者雇用枠で正社員として採用されるケースはまだまだ少なく、多くの方が非正規雇用(契約社員、パートタイムなど)からキャリアをスタートしているのが現状です。
ここでは障害者の正社員雇用の現状について、背景や課題を整理して解説していきます。
障害者雇用の「正社員」はなぜ少ない?
障害者雇用における正社員比率は、一般雇用に比べて明らかに低い水準にとどまっています。
厚生労働省の調査によると、障害者のうち正社員として雇用されている人の割合は30〜40%程度にとどまり、多くの方が契約社員やパートタイム社員として働いています。
なぜ障害者雇用において正社員が少ないのでしょうか。
主な理由として、次のような事情が挙げられます。
企業側のリスク回避意識
企業にとって正社員採用は長期的な雇用関係を結ぶことを意味します。
しかし障害者雇用の場合、体調不良による長期欠勤や早期離職のリスクがゼロではありません。
このため、まずは契約社員やパートタイムで採用し、勤務実績を確認したうえで正社員登用を検討する企業が多くなっています。
担当業務の特性
障害者雇用枠では、定型的・補助的な業務を担うポジションが多い傾向にあります。
こうした業務は企業にとって必須ではあるものの、正社員ポストとして設定されにくいという側面があります。
専門性が求められるポジションや、責任範囲が広い仕事に比べ、正社員化のハードルが高くなりがちです。
働く側の事情
障害の特性によっては、フルタイム勤務が難しい、通院や体調管理のために柔軟な勤務形態が必要といった事情を抱えるケースもあります。
このため、本人希望であえて契約社員やパートタイムを選ぶ場合も少なくありません。
制度上のハードル
企業によっては「正社員登用には全国転勤が必須」「異動・昇格試験が必要」といった制度上の条件があり、障害特性上それが難しいため正社員化を断念するケースも見受けられます。
これら複合的な要因が、障害者雇用における正社員率の低さにつながっています。
障害者雇用で正社員になるには?
それでは、障害者雇用枠で正社員を目指すには、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。
ここでは具体的なアプローチ方法を紹介します。
正社員登用制度がある企業を選ぶ
求人情報には、「正社員登用制度あり」と明記されているものがあります。
このような企業では、一定期間の契約社員勤務を経て、勤務実績や評価に応じて正社員登用される仕組みが整備されています。
応募前に、実際の登用実績があるかを確認することも重要です。
ハローワークの担当者や障害者就労支援機関、転職エージェントを通じて情報収集するのがおすすめです。
面接で長期勤務意欲をアピールする
企業側は「この人は長く安定して働いてくれるか」を重視して選考を行います。
面接では、「将来を見据えて長期的に働きたい」という意欲を明確に伝えることが大切です。
ポイントは、「いきなり正社員でないと嫌だ」という主張ではなく、
- 「まずは契約社員でも構いませんが、経験を積みながら正社員登用を目指したい」
という柔軟かつ前向きな姿勢を見せることです。
業務スキルと勤務安定性を実績で示す
どれだけ意欲を伝えても、業務遂行能力や安定勤務が伴わなければ正社員登用は難しくなります。
まずは与えられた業務に全力で取り組み、次のような実績を積み重ねることが重要です。
- 毎日の出勤を安定させる(無断欠勤ゼロを目指す)
- 指示待ちではなく、積極的に仕事を覚える
- 報告・連絡・相談(報連相)を徹底する
- 小さなミスでも誠実に対応し、改善に努める
このような基本姿勢が評価されることで、正社員登用の道が開けます。
資格取得やスキルアップで付加価値を高める
企業にとって魅力的な人材となるためには、プラスアルファのスキルを身につけることも有効です。
オフィスワーク希望であれば、
- Word、Excel、PowerPointスキル(MOS資格取得など)
- 簿記検定3級以上
- ビジネスマナー講座受講歴
製造・軽作業希望であれば、
- フォークリフト運転技能講習修了
- 危険物取扱者資格取得
などがアピールポイントになります。
資格があることで、業務範囲が広がり、より責任ある仕事を任されやすくなるため、正社員化に近づくチャンスが増えます。
自己理解と障害特性の整理
正社員登用に進むためには、職場とのミスマッチを防ぐことが不可欠です。
そのためには、自分自身の障害特性を正確に理解し、
- できる業務
- 必要な配慮
- 苦手な作業
を整理して伝えられるようにしておきましょう。
企業側も配慮しやすくなり、安心して長期雇用を検討しやすくなります。
大企業の障害者雇用が受かりやすい理由

障害者雇用枠での就職を目指すにあたって、企業規模を意識することは非常に重要です。
特に「大企業の障害者雇用は受かりやすい」という話を耳にしたことがある方も多いでしょう。
実際、同じ障害者雇用枠でも、大企業と中小企業では採用チャンスに大きな差が生まれることがあります。
ここでは、大企業における障害者雇用が比較的受かりやすいとされる理由を、具体的に解説していきます。
障害者雇用率が決まっており採用枠が多い
まず第一に押さえておきたいのは、障害者雇用率制度の存在です。
日本では、一定規模以上の企業に対して、障害者を一定割合以上雇用することが法律で義務付けられています。
これが、いわゆる「法定雇用率制度」です。
この制度があるため、大企業ほど障害者の採用人数が多く設定される傾向にあります。
【大企業ならではの特徴】
- 毎年一定数の障害者採用枠が設けられている
- 雇用率未達成の場合、納付金を支払わなければならないため、採用意欲が高い
- 採用枠に余裕があり、幅広い障害種別・職種で受け入れ体制がある
一方、中小企業では「そもそも法定雇用義務がない」「1〜2人の採用で達成できてしまう」ため、求人自体が少なかったり、ポストが限定的だったりするケースが多いです。
そのため、大企業をターゲットにすると、採用枠の母数自体が大きいという明確なメリットがあります。
離職率が高いので、チャンスが巡ってきやすい
次に、大企業の障害者雇用においては、離職率の高さも採用チャンスを広げる要素となっています。
【障害者雇用における離職率の現実】
厚生労働省のデータによると、障害者の1年以内離職率はおよそ50%前後と言われています。
つまり、せっかく就職しても、2人に1人が1年以内に職場を離れてしまう現実があるのです。
【なぜ離職率が高いのか】
- 配慮体制が十分でない職場環境
- 業務内容や人間関係とのミスマッチ
- 体調変動による通院や休職の増加
- 本人のスキルや希望と実際の仕事のギャップ
特に大企業の場合、障害者枠で採用された後にミスマッチが発生し、短期間で離職してしまうケースが一定数あります。
また、勤務地や業務内容が大企業特有の「組織の都合」で変わることもあり、それが負担になってしまう場合も。
【離職が生む採用チャンス】
離職者が出ると、企業は再び法定雇用率を満たすために新たな採用活動を行う必要があります。
そのため、定期採用以外にも中途採用のチャンスが頻繁に発生するのが大企業の特徴です。
離職者が出るたびに欠員補充の求人が出るため、常に一定数の障害者向け求人が動いている状態となり、
「タイミングさえ合えば内定を勝ち取りやすい」状況が生まれています。
特に、履歴書・職務経歴書の完成度を高め、早めにエントリーできれば、良いタイミングでチャンスをつかむことが可能です。
ライバルが少ない、かつ弱い
さらに、大企業の障害者雇用はライバルが少なく、かつ競争が緩やかであるという点も見逃せません。
【なぜライバルが少ないのか】
- 大企業へのエントリー自体にハードルを感じて敬遠する人が多い
- 「大企業=高いスキルが求められる」というイメージから応募をためらう
- 履歴書や職務経歴書の作成に不慣れで、書類通過まで至らない人が多い
- 精神障害、発達障害など、安定した応募活動が難しい場合もある
結果として、そもそも応募者数自体が少ない求人が意外と多く存在しています。
また、応募してきた人の中にも
- エントリーシートが雑
- 自己PRが伝わらない
- 面接対策ができていない
- 障害特性・配慮事項を説明できない といった課題を抱えているケースが珍しくありません。
【しっかり準備すれば勝ちやすい】
つまり、
- きちんと書類を作成し
- 障害内容と配慮希望を整理して伝え
- 面接対策を行う
この基本をしっかり押さえるだけで、ライバルと大きな差をつけられるのです。
特別なスキルや高い学歴がなくても、
「誠実に取り組む姿勢」
「安定して働きたい意欲」
「働くうえで必要な配慮を説明できる能力」
これらがしっかり伝われば、大企業の障害者枠で十分に内定を勝ち取ることが可能です。
【大企業を狙う際のポイント】
- 求人数が多い今がチャンス(年度初め・下半期開始時は特に狙い目)
- 書類作成、面接対策をプロにサポートしてもらう(就労移行支援、エージェント活用)
- 「安定して働く意欲」を前面に出す
- 障害内容と配慮事項を的確に説明する
このような準備を整えていけば、ライバルが少ない中で大企業への就職を成功させる確率を大きく高めることができるでしょう。
大企業の障害者雇用を目指すメリット

障害者雇用枠での就職・転職を考える際に、どの企業規模を目指すかは重要な判断ポイントとなります。
中小企業にも魅力はありますが、大企業を目指すことには特に多くのメリットがあります。
ここでは、大企業の障害者雇用を選ぶメリットについて、具体的に解説していきます。
給料が良い
大企業を目指す最大のメリットのひとつが、給与水準の高さです。
【大企業の給与の特徴】
- 同じ職種・同じ業務内容でも、中小企業より基本給が高い傾向にある
- 賞与(ボーナス)が支給されるケースが多い
- 昇給制度が整備されているため、長期的に見ても収入アップが見込める
例えば、事務職で障害者雇用された場合、
- 中小企業では月給15万〜17万円スタート
- 大企業では月給18万〜22万円スタート
というケースも珍しくありません。
さらに、夏季・冬季のボーナス支給があるため、年収ベースで大きな差が出ることもあります。
障害者雇用枠でも正社員登用が進めば、福利厚生や退職金制度なども含めた生涯賃金の差はかなり大きくなります。
安定した生活基盤を築きたい方にとって、大企業の給与水準は非常に大きな魅力となるでしょう。
障害者雇用に慣れている
大企業は、長年にわたり障害者雇用に取り組んできた実績を持つ企業が多く、受け入れ体制や理解度が高いことも大きなメリットです。
【大企業ならではの特徴】
- 採用担当者が障害者雇用に精通しており、配慮事項のヒアリングが丁寧
- 職場の上司や同僚にも障害者受け入れに関する教育が行き届いている
- 障害者向けのオリエンテーションや研修が用意されている
- 配慮事項を反映した業務設計・勤務時間管理が徹底されている
これにより、職場で孤立するリスクが低く、安心して働き始めることができます。
また、必要な配慮(通院配慮、勤務時間短縮、業務内容の調整など)が相談しやすい環境が整っているため、長期的な定着・活躍が実現しやすいのも特徴です。
中小企業では、どうしても「障害者雇用が初めて」というケースもあり、受け入れ側の戸惑いが生じることもあるため、
初めての障害者雇用活動には特に、大企業が向いているといえるでしょう。
サポートや教育などの体制が整っている
大企業では、障害者専用のサポート体制や教育プログラムが用意されている場合が多いです。
【具体的なサポート例】
- 専任の障害者雇用担当者(ジョブコーチなど)が在籍
- メンタルヘルスケア制度(カウンセラー常駐、EAPサービスなど)の利用
- 定期的な面談によるフォローアップ体制
- 障害者向け社内研修やスキルアップ講座の実施
- 配属前後の職場見学・業務体験の実施
これにより、入社後も孤立することなく、安心してスキルを伸ばし、キャリアを形成していくことが可能になります。
また、大企業ならではの人事異動制度を活用すれば、職場環境や業務内容に無理が生じた場合でも、
希望に応じた部署異動で負担を調整できるケースもあります。
サポートと教育体制が整っていることは、障害の有無に関係なく、働く人すべてにとって大きな安心材料となるでしょう。
キャリアアップの制度が豊富
大企業では、単に「補助作業を担当する人材」としてではなく、将来的なキャリアアップを前提とした制度設計がなされていることが多いです。
【キャリアアップ制度例】
- 資格取得支援制度(受験料補助、講座受講補助など)
- 社内公募制度(別部門への異動・チャレンジが可能)
- 昇格試験・評価制度に障害者枠専用ルートが用意されている
- 障害者向けのリーダー職研修プログラム
これらの仕組みを活用すれば、
- 事務補助→一般事務→リーダー補佐
- 軽作業スタッフ→ラインリーダー
といった形で、職責を広げ、待遇を向上させることも可能です。
障害者雇用=単純作業だけではない、自分のキャリアを自分で切り開く道が用意されているのが、大企業ならではの強みです。
「将来的にはリーダーを目指したい」「専門職としてスキルを高めたい」といった希望を持っている方にとって、大企業は理想的な環境と言えるでしょう。
倒産しにくいという安心感がある
企業選びにおいて、倒産リスクの低さも見逃せないポイントです。
一般的に、大企業は
- 資本力がある
- 多角的な事業展開をしている
- 景気変動の影響を受けにくい仕組みが整っている
ため、倒産リスクが中小企業より格段に低いといわれています。
障害者雇用枠で就職した後に、会社都合で失業してしまうと、次の職場探しは容易ではありません。
特に、ブランク期間が長くなるほど再就職が難しくなるリスクもあるため、安定企業に勤め続けられることは非常に大きなメリットです。
安心して長期的なキャリアプランを描くためにも、大企業の「安定性」は障害者雇用希望者にとって大きな魅力となっています。
障害者雇用で採用されやすくなる秘訣

障害者雇用枠で就職活動を進める際、「どうすれば採用されやすくなるのか」という悩みを持つ方は多いでしょう。
実際、障害者雇用市場においても、企業側は慎重に選考を行っており、ただ障害者枠で応募したからといって誰でも採用されるわけではありません。
ここでは、障害者雇用で採用されやすくなるために、特に重視すべきポイントを具体的に解説します。
心身が安定した状態で仕事探しをする
まず大前提として、心身の安定が最も重要です。
【なぜ心身の安定が重視されるのか】
- 企業側は「安定して勤務できるか」を非常に重視している
- 短期間での休職・離職を防ぎたいと考えている
- 配慮は行うが、特別な治療行為や頻繁な通院を前提とした勤務は難しい場合が多い
心身が不安定な状態では、通勤や勤務に大きな支障が出るリスクがあり、企業側も慎重にならざるを得ません。
逆に、**「生活リズムが安定している」「服薬管理ができている」「無理なくフルタイム、あるいは短時間勤務ができる」**とアピールできれば、安心して採用を検討してもらえるでしょう。
【対策】
- 日常生活のリズム(起床・就寝時間、食事時間など)を安定させる
- 体調記録をつけ、自分の体調管理ができていることを説明できるようにする
- 定期通院中であっても、勤務に支障がないことを医師と確認しておく
心身が安定していることは、面接時の態度や話し方にも自然と表れるため、非常に大きなアドバンテージになります。
医師からの労働時間の許可を明確にする
障害者雇用に応募する際には、医師からの就労許可が重要な意味を持ちます。
【企業が気にするポイント】
- どのくらいの労働時間・労働負荷が可能なのか
- フルタイム勤務ができるのか、短時間勤務が必要なのか
- 配慮事項(通院、休憩回数、業務内容など)があるか
これらを明確にできないと、企業側はリスクを感じ、採用を見送る可能性が高まります。
【対策】
- 主治医と相談し、「就労可能」の診断書を用意する
- 勤務可能な時間帯、1日・週あたりの勤務時間、配慮事項について具体的に記載してもらう
- 面接時に「医師から〇時間の勤務許可を得ています」と自信を持って伝える
特に精神障害や発達障害の場合、過労による体調悪化リスクが懸念されるため、労働時間の管理は非常に重要な要素となります。
労働時間について明確に説明できることで、企業側の安心感が格段に高まります。
障害に対して自己理解ができている
障害者雇用枠では、自己理解ができているかどうかが非常に重要な判断材料となります。
【自己理解とは】
- 自分の障害特性を正確に把握している
- 業務遂行に影響するポイントと対策を理解している
- 必要な配慮事項を具体的に説明できる
- 苦手なこと・できないこともきちんと認識している
自己理解ができていないと、働き始めてからトラブルが起きやすくなり、結果的に早期離職につながってしまうリスクがあります。
【対策】
- 自己分析シートや障害特性シートを作成する
- 就労移行支援事業所で模擬面接や自己理解支援を受ける
- 「私の障害特性」「必要な配慮事項」「得意なこと・苦手なこと」を整理して話せるようにする
自己理解が深まっていれば、面接時に「この人なら安定して働けそうだ」と企業側に安心感を与えることができ、採用に直結します。
協調性を大切にし職場環境に馴染むことができる
障害者雇用であっても、職場での協調性は非常に重視されます。
【企業が重視する協調性のポイント】
- 指示に従って行動できるか
- チームの一員としてコミュニケーションを取れるか
- 必要に応じて助けを求めたり、サポートに応じたりできるか
- トラブル発生時に冷静に対応できるか
障害の有無にかかわらず、社会人としての基本である「協調性」があるかは、採用の大きな判断材料です。
【対策】
- 面接では「周囲と協力して仕事を進める意識がある」ことを具体例とともにアピールする
- 過去の職場経験から「チームで成果を上げたエピソード」などを紹介する
- 日常的に、相手の立場に立った発言・行動を意識する
協調性を大切にし、職場環境に柔軟に馴染めることを示せれば、障害特性に多少の課題があったとしても、企業側から高く評価されることが多いです。
職歴のブランクが少ない、長く働いた実績がある
最後に、職歴のブランクの有無と、勤務継続実績も採用に大きな影響を与えます。
【なぜ職歴が重視されるのか】
- 勤続実績=安定して働ける証拠として評価される
- 長期間のブランクがあると「体調不安」「勤務リズムの乱れ」が懸念される
- 職歴の一貫性や成長過程を企業が重視する場合もある
【対策】
- 過去に長く勤めた職場があれば、強調してアピールする
- ブランクがある場合は、ブランク期間に取り組んだ自己研鑽(資格取得、リハビリ、ボランティアなど)を必ず伝える
- 再就職後は、まず安定勤務を最優先目標に据える
長く勤めた実績がある人は、「安定して働ける人材」として企業からの信頼を得やすく、障害者雇用枠での採用チャンスも格段に広がります。
就労移行支援事業所に通所し支援を受ける
障害者雇用枠での就職活動において、就労移行支援事業所の活用は非常に有効な手段となります。
特に、初めての就職活動やブランクが長い方、自己管理や対人スキルに不安を抱えている方には、大きな助けとなるでしょう。
【就労移行支援とは】
就労移行支援事業所は、障害のある方が一般就労を目指すために利用できる福祉サービスです。
主な支援内容には次のようなものがあります。
- ビジネスマナー研修
- PCスキル(Word、Excelなど)の習得支援
- 生活リズムの安定支援
- 履歴書・職務経歴書作成支援
- 模擬面接・面接同行サポート
- 職場体験・実習の斡旋
- 就職後の定着支援
【通所のメリット】
- 企業に「支援機関を活用して就職準備をしている」という信頼感を与えられる
- 生活リズムを整え、安定した勤務習慣を身につけられる
- 自信を持って面接に臨めるスキルと実績が積める
企業側も、就労移行支援事業所を利用している求職者に対しては、「きちんと就職準備をしている」という安心感を持ち、選考を前向きに進める傾向にあります。
また、事業所によっては企業とのパイプが強く、独自の求人を紹介してもらえるケースもあります。
障害者雇用を目指すなら、まずは近隣の就労移行支援事業所を調べ、見学・体験してみることをおすすめします。
資格取得など努力の跡が見える
採用選考で強くアピールできるポイントの一つが、資格取得やスキル習得といった努力の証です。
【なぜ努力の跡が重要なのか】
- 仕事に対する意欲・前向きな姿勢をアピールできる
- 具体的なスキルが業務遂行能力の裏付けになる
- ブランク期間があっても、その間の努力を示す材料になる
特に障害者雇用枠では、企業側も「本人のやる気」や「成長意欲」を重視する傾向が強いため、
資格取得などの実績は非常に大きなアドバンテージになります。
【おすすめ資格例】
- 【事務職志望】MOS(Microsoft Office Specialist)、簿記3級
- 【IT職志望】ITパスポート、基本情報技術者試験
- 【軽作業・製造系志望】フォークリフト運転技能講習、危険物取扱者
- 【対人支援職志望】サービス接遇検定、秘書検定
【取り組み例もアピール】
必ずしも国家資格でなくても、
- オンライン講座の受講
- スキルアップセミナーへの参加
- 自主的な勉強や実習
といった努力のエピソードも、選考では十分に評価されます。
努力の跡を具体的にアピールすることで、「この人は入社後も成長していけそうだ」というポジティブな評価を引き出すことができます。
応募企業への自己PRや志望動機が明確
障害者雇用の選考でも、自己PRや志望動機の説得力は非常に重要です。
【なぜ自己PR・志望動機が重要なのか】
- 「なぜこの会社なのか」が明確でないと、早期離職リスクがあると見なされる
- 自己理解・業務理解ができているかを企業側がチェックしている
- 会社側も、「この人はうちにマッチしているか」を判断する材料にしている
つまり、単に「障害者枠ならどこでもいい」というスタンスではなく、
「この会社、この仕事に魅力を感じ、働きたい」という強い意志を示すことが、採用を引き寄せるカギになります。
【自己PR・志望動機を明確にするコツ】
- 自分の強み(得意な作業、周囲との連携力など)を具体的に言語化する
- 応募先企業の事業内容や理念を事前に調べ、それに共感していることを伝える
- できる業務内容、希望する配慮内容を明確に説明する
- 「なぜこの会社でなければならないのか」を一文で言えるように準備する
【面接時の例】
「私は事務作業の正確さに自信があり、Excelを使ったデータ整理が得意です。貴社が取り組んでいる業務効率化のプロジェクトに、自分のスキルを活かして貢献したいと考えています。」
このように具体的なエピソードを交えて自己PR・志望動機を語れると、企業側の印象が格段に良くなります。
実際に採用窓口と会える場所で応募する
障害者雇用では、求人票だけで応募するのではなく、実際に企業の採用担当者と会える機会を活用することが非常に重要です。
【なぜ採用窓口と会うことが有利なのか】
- 書類だけでは伝わりづらい人柄や意欲を直接アピールできる
- 企業側も顔を合わせたことで安心感を持ち、選考を前向きに進めやすくなる
- 面接前に企業文化や雰囲気を知ることができ、ミスマッチを防げる
【活用すべき機会】
- ハローワークの障害者就職面接会
- 障害者雇用専門の合同説明会・企業説明会
- 就労移行支援事業所主催の企業見学会・職場体験
- 転職エージェント経由のカジュアル面談
特にハローワークや支援事業所が主催する面接会は、1日で複数社と直接話せる貴重な機会です。
「顔を覚えてもらう」「第一印象で好感を持ってもらう」ことができれば、書類選考より有利に進めることができるでしょう。
【事前準備が成功のカギ】
- 企業研究をしておく
- 自己紹介・志望動機を短くまとめて話せるように練習する
- 清潔感のある服装・表情・態度を心がける
直接会える場では、履歴書1枚以上の印象を与えることができます。
これを上手に活かせば、書類だけでは難しかった採用チャンスを大きく広げることができます。
障害者雇用の応募から面接までの流れ
障害者雇用枠での就職活動は、一般雇用とは異なる注意点やコツがあります。
特に、応募書類の作成から面接に至るまでのプロセスをしっかり押さえることが、内定獲得への近道です。
ここでは、障害者雇用枠で応募する際の基本的な流れと、それぞれのステップで意識すべきポイントについて詳しく解説していきます。
必要な応募書類と障害者雇用専用の履歴書
障害者雇用枠に応募する際は、一般的な履歴書・職務経歴書に加えて、障害特性に関する自己申告書や配慮希望事項をまとめた書類の提出を求められることがあります。
【基本的な応募書類】
- 履歴書(写真付き)
- 職務経歴書(ある場合)
- 障害者手帳のコピー(番号・等級を確認)
- 障害特性に関する自己申告書(企業によってフォーマットあり)
- 必要に応じて、医師の就労許可証明書
特に履歴書は、障害者雇用に対応した専用フォーマットを使うと良いでしょう。
市販の一般的な履歴書でも問題ありませんが、
- 「障害の種類・等級」
- 「希望する配慮内容」
を記載する欄が設けられているものを選ぶと、企業側が情報を把握しやすくなります。
【障害特性に関する記載ポイント】
- 診断名(例:うつ病、発達障害、聴覚障害など)
- 障害の具体的な影響(例:疲労しやすい、指示を視覚的に理解しやすい、など)
- 必要な配慮内容(例:短時間勤務、定期的な休憩、口頭指示の補助、など)
- 業務上問題なくできること(例:PC作業、電話応対など)
できる限り具体的に、かつポジティブな表現を心がけることが重要です。
専門の支援機関に確認・修正を依頼
書類を自分だけで作成するのではなく、専門の支援機関に添削・アドバイスを依頼することをおすすめします。
【活用できる支援機関】
- 就労移行支援事業所
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- ハローワーク障害者専門窓口
- 民間の障害者向け就職エージェント
【なぜ支援機関の確認が重要なのか】
- 書類の「企業目線」でのチェックができる
- 障害特性や配慮事項の表現が適切か第三者の視点で見直せる
- 書きすぎ、伝え忘れなどを防ぐことができる
- 最新の企業ニーズに合った表現アドバイスを受けられる
特に初めて障害者雇用に応募する方や、過去に書類選考で落ちた経験がある方は、必ずプロに見てもらうべきです。
わずかな表現の違いが、書類通過率に大きく影響することも珍しくありません。
支援機関によっては、模擬面接や求人紹介、面接同行などのサポートも受けられるため、積極的に活用しましょう。
面接での的確な回答と配慮事項の正しい伝え方
書類選考を通過したら、いよいよ面接です。
障害者雇用枠の面接では、一般的な質疑応答に加えて、障害特性や配慮希望についての説明が必須となります。
【面接でよく聞かれる質問例】
- 障害の種類・等級について
- 日常生活や仕事への影響
- 必要な配慮内容
- 過去の就業経験、業務遂行能力
- 長期的な就業意欲、キャリアプラン
【的確な回答のポイント】
- 事実を簡潔に、ポジティブに伝える
- 配慮事項は「できるだけ少なく、具体的に」提示する
- できる業務・強みをしっかりアピールする
- 過去の職場での成功体験や工夫を具体例として盛り込む
例えば、
「通院が月に1回ありますが、勤務時間外に対応可能です」
「疲労がたまりやすいため、1時間半ごとに短い休憩をいただければ安定して業務を遂行できます」
など、企業側が負担をイメージしやすい伝え方が重要です。
また、配慮事項を伝える際は、
- 「この配慮があれば業務に支障はない」
- 「周囲に迷惑をかけず、自立して業務を遂行できる」
という前向きなメッセージを添えることが大切です。
【逆質問のチャンスも活かす】
面接終盤の「何か質問はありますか?」のタイミングでは、
- 「配慮事項について、貴社での受け入れ体制はいかがでしょうか」
- 「実際に働いている障害者社員の方々は、どのような活躍をされていますか」
といった質問を用意しておくと、意欲や事前準備の姿勢が伝わり、好印象を残せます。
自分を採用するメリットのアピール
最後に、障害者雇用枠であっても、「自分を採用するメリット」をしっかりアピールすることが極めて重要です。
【なぜメリットのアピールが必要なのか】
- 企業は「配慮が必要な人材」ではなく、「戦力になる人材」を求めている
- 障害内容や配慮事項だけではなく、業務遂行能力・職場貢献意欲を知りたい
- ポジティブな採用決定につなげるには、プラスの印象が不可欠
【アピールすべきメリット例】
- 特定のスキル(PCスキル、英語力、データ分析力など)
- 業務の正確さ・丁寧さ
- 長期的に安定して働く意欲
- 周囲と良好なコミュニケーションを築ける能力
- 障害特性を活かした強み(細かい作業が得意、ルーティン業務に集中できる、など)
【伝え方の工夫】
単に「頑張ります」「一生懸命働きます」では弱い印象になりがちです。
具体的なエピソードや数値を交えて、
- 「前職では3年間、無遅刻無欠勤で勤務しました」
- 「ExcelのVLOOKUP関数を使って、毎月のデータ集計業務を効率化しました」
といった形で、実績ベースでアピールすると説得力が増します。
採用担当者に「この人なら安心して任せられそうだ」と感じてもらえるよう、メリットを具体的に伝えきることが内定への最大の近道です。
障害者雇用で長く働くためのポイント
障害者雇用枠での就職が決まったとしても、それがゴールではありません。
本当に大切なのは、その職場で無理なく、長期的に安定して働き続けられるかどうかです。
短期間での離職を防ぐためには、就職活動の段階から慎重に準備し、自分に合った職場を選び抜くことが非常に重要です。
ここでは、障害者雇用で長く働き続けるために押さえておきたいポイントを解説していきます。
職種選びは慎重に
障害者雇用で長く安定して働くためには、自分に合った職種選びが最も重要です。
【なぜ職種選びが重要なのか】
- 向いていない業務だと心身への負担が大きくなり、早期離職に繋がるリスクが高まる
- 自分の得意分野を活かせる職種なら、仕事の満足感やモチベーションが上がりやすい
- 長期的なスキルアップ・キャリア形成にもつながる
【職種選びのポイント】
- 自分の障害特性を正しく理解し、無理のない業務内容を選ぶ
- これまでの職務経験・スキルを活かせる職種を優先する
- 仕事の負荷(精神的・身体的)が大きすぎないかを事前に確認する
- 可能であれば、興味や得意な分野に関連する仕事を選ぶ
【具体例】
- 精神障害・発達障害の方 → 定型業務中心の事務職、IT補助、軽作業など
- 身体障害(下肢障害)の方 → 座って行える事務職、オペレーター業務など
- 聴覚障害の方 → PC入力業務、製造業の軽作業、データ分析業務など
自分の体調や特性とマッチしない職種に無理に就こうとすると、負担が蓄積し、結果的に早期離職を招くことになりかねません。
職種選びは焦らず、じっくり時間をかけて検討しましょう。
職場環境を事前に確認
採用面接や内定通知の段階で、職場環境をできる限り事前に確認することも、長く働くうえで非常に重要です。
【なぜ職場環境の確認が必要なのか】
- 職場の雰囲気や設備が自分に合っているかを判断できる
- 必要な配慮が現実的に受けられるかを確認できる
- 通勤や生活リズムへの影響を事前に把握できる
【確認すべきポイント】
- 障害者雇用実績の有無(過去に何人くらい採用されているか)
- 障害に対する理解やサポート体制(ジョブコーチ在籍の有無など)
- 通勤経路・所要時間(負担が大きすぎないか)
- オフィスのバリアフリー状況(エレベーター、トイレ、休憩室など)
- チーム体制・上司のマネジメントスタイル
【確認方法】
- 面接時に遠慮なく質問する
- 職場見学を依頼する
- 就労移行支援事業所やエージェント経由で情報をもらう
職場の「雰囲気」や「実際の働き方」は、求人票やHPだけでは分からないことが多いため、可能な限り現地で確認することをおすすめします。
小さな違和感を無視せず、納得できる職場を選ぶことが、長期就労への第一歩です。
「障害者トライアル雇用制度」や「職場実習」の活用
障害者雇用でのミスマッチを防ぐためには、「障害者トライアル雇用制度」や「職場実習」を積極的に活用するのも有効な方法です。
【障害者トライアル雇用制度とは】
企業が障害者を一定期間(原則3か月)、試行雇用する制度です。
期間中は実際に働きながら、本人と企業双方が「この職場・業務で続けられるか」を見極めることができます。
- 本採用前に業務内容や職場環境を体験できる
- 企業側も支援金を受けながら雇用リスクを抑えられる
- 双方が納得したうえで正式採用につなげることができる
【職場実習とは】
- ハローワークや支援機関を通じて、短期間(数日〜数週間)企業で実際に業務を体験する制度
- 雇用契約は結ばず、あくまで実習形式での参加
- 実際の職場環境や業務内容を把握できる貴重な機会
【制度活用のメリット】
- 入社後の「思っていたのと違った」というミスマッチを防げる
- 自分の適性を客観的に見つめ直すきっかけになる
- 実績が認められれば、そのまま本採用に結びつく可能性もある
【活用のポイント】
- 支援機関(就労移行支援事業所、ハローワーク)に相談し、制度活用のサポートを受ける
- トライアル期間・実習期間中も、勤務態度・意欲を積極的にアピールする
- 不安や気になる点は期間中に必ず担当者に相談する
トライアル雇用や職場実習を活用することで、実際に働いてみないと分からない細かな不安を払拭し、自分に本当に合った職場に巡り合う確率を高めることができます。
長く働き続けるためにも、こうした制度をうまく利用する視点を持つことが大切です。
就職活動時に利用できる支援サービス
障害者雇用枠での就職活動は、一人で進めるよりも、各種支援サービスをうまく活用することで成功率が大きく高まります。
現在は障害者向けの就労支援体制が整いつつあり、求職者本人の負担を減らしながら、自分に合った職場を見つけるためのサポートを受けることが可能です。
ここでは、障害者が就職活動時に利用できる代表的な支援サービスについて詳しく紹介します。
ハローワーク
就職活動を始めるなら、まず利用を検討したいのがハローワークです。
全国各地にある公共職業安定所であり、障害者専用の窓口を設置しているところも多く存在します。
【ハローワークの特徴】
- 障害者専門の相談員(ジョブコーチなど)が在籍
- 障害者専用の求人情報が豊富
- 面接会や合同企業説明会などのイベントを開催
- 職業適性検査やキャリアカウンセリングが受けられる
- 障害者トライアル雇用などの制度紹介・利用支援
ハローワークでは、一般求人とは別に障害者専用求人が登録されており、採用枠や配慮内容が明確に記載されています。
応募書類の添削や模擬面接支援を行ってくれるところもあるため、まずは最寄りのハローワークに相談することをおすすめします。
また、ハローワーク主催の障害者就職面接会に参加することで、複数の企業と直接会って話す機会を得られるのも大きなメリットです。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障害のある方が働くために必要なサポートを専門に行う施設です。
ハローワークと連携しながら、より専門的・個別的な支援を提供しています。
【地域障害者職業センターの主な支援内容】
- 職業評価(適性検査、職業準備性の診断)
- 就職活動支援(履歴書作成、面接練習など)
- 職場実習・職場適応支援
- 職場への障害理解促進
- ジョブコーチ支援(就職後の定着支援)
特に、就労に向けた準備がまだ整っていない段階でも、適性を見極めながら就労準備プランを作成してくれる点が特徴です。
自分に合った働き方や必要な配慮を整理したい方には、非常に心強い支援機関です。
利用にあたっては、まずハローワークや福祉機関を通じて紹介を受けるケースが多いため、早めに相談してみましょう。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、障害のある方が一般就労を目指すための訓練やサポートを提供する福祉サービスです。
原則2年間という利用期限の中で、就職に向けたスキルを磨き、実際の就職活動まで伴走支援を行います。
【就労移行支援事業所で受けられる支援】
- ビジネスマナー研修
- PCスキル(Word、Excel、PowerPointなど)習得支援
- コミュニケーションスキルトレーニング
- 障害特性に応じた就労支援プログラム
- 履歴書作成・面接対策
- 企業実習・職場体験のアレンジ
- 就職後の職場定着支援
【利用対象】
- 18歳以上65歳未満
- 一般企業への就職を目指す障害者手帳保持者(または医師の診断・意見書がある方)
就労移行支援事業所は事業所ごとに特徴が異なるため、複数の事業所を見学し、自分に合った支援内容・雰囲気のところを選ぶことが大切です。
最近では、在宅訓練やリモート支援に対応している事業所も増えています。
障害者就業・生活支援センター
**障害者就業・生活支援センター(通称ナカポツセンター)**は、
「働くこと」と「暮らすこと」の両方を支援することを目的とした総合的な支援機関です。
【主な支援内容】
- 就労相談・職業紹介
- 日常生活支援(福祉サービス利用支援、金銭管理支援など)
- 通院や服薬管理に関する支援
- 就職後の職場定着支援
- 企業への障害理解促進活動
就労と生活は密接に関連しているため、どちらかが不安定になると働き続けることが難しくなります。
ナカポツセンターでは、生活基盤を安定させながら、就職活動をサポートしてもらえるため、特に生活面に不安を感じる方には非常に有効な支援先となります。
利用には、各地域のセンターに直接相談するか、福祉機関・医療機関を通じて紹介を受ける形が一般的です。
障害者雇用に強い求人サイト
インターネットを活用して就職活動を進めたい方には、障害者雇用に特化した求人サイトの利用もおすすめです。
【主な特徴】
- 障害者雇用専用求人が豊富に掲載
- 勤務地、業種、配慮事項など細かく検索できる
- 非公開求人情報やスカウト機能を活用できる
- サイトによっては就職相談や面接対策も受けられる
たとえば、
- 「障害者ナビ」
- 「atGP」
- 「dodaチャレンジ」
- 「バリアフリー転職」
などが代表的なサービスです。
障害内容や希望条件を登録しておくと、企業側からスカウトが届くこともあり、より効率的に自分に合った求人に出会うことができます。
また、エージェントサービスと連携して、個別サポートを受けられるサイトも増えています。
▶︎国内最大級の障害者向け求人を誇る「障害者ナビ」で、あなたに合った職場探しを始めてみませんか?
まとめ
障害者雇用枠での就職活動は、決して一人で抱え込む必要はありません。
ハローワーク、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所、障害者就業・生活支援センター、そして障害者雇用専門の求人サイトなど、
豊富な支援サービスを活用することで、成功への道筋は大きく開かれます。
自分に合った支援機関を選び、必要なサポートを受けながら、着実に就職活動を進めていきましょう。
あなたにぴったりの職場に出会える日を、心から応援しています!