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構音障害とは?特徴と働きやすい職場環境・向いている仕事を徹底解説

この記事の内容
日常会話で言葉を発する際、無意識に舌や唇を動かして音を作り出しています。
この「音を作る」働きに支障が出る障害を「構音障害」と呼びます。
構音障害があると、発音が不明瞭になったり、特定の音が出しづらかったりして、
相手に自分の言葉が伝わりにくくなることがあります。
とはいえ、構音障害があっても、工夫や支援を取り入れることで、仕事に就き、活躍している方はたくさんいます。
本記事では、構音障害の基礎知識と、働きやすい環境や向いている仕事についてわかりやすく解説します。
構音障害とは
構音障害とは、声帯や口、舌、顎(あご)など、
音声を作り出す器官の異常や機能低下によって、正しい発音ができなくなる状態を指します。
発音そのものは可能でも、言葉が聞き取りにくくなるため、
「何度も聞き返される」「話すことに自信が持てない」といったコミュニケーション上の悩みにつながりやすいのが特徴です。
構音障害の程度はさまざまで、軽度の場合は特定の音のみ言いづらく、
重度の場合は会話全体が非常に不明瞭になるケースもあります。
原因や症状に応じたリハビリテーションや支援によって、
発音の改善や、伝えたい内容を補助する手段を取り入れることが可能です。
構音障害の種類・原因
構音障害は、原因に応じていくつかのタイプに分類されます。
それぞれ特徴や必要な対応も異なるため、正確に理解することが大切です。
器質性構音障害
【特徴】
器質性構音障害は、舌、唇、顎、口蓋(こうがい)など、発音に関わる器官に先天的または後天的な異常があることによって発生します。
【主な原因】
- 口唇裂・口蓋裂(先天異常)
- 顎や舌の手術後の後遺症
- 外傷による口腔内の損傷
【影響】
特定の音が出しにくい、鼻に抜けるような話し方になる(鼻咽腔閉鎖不全)などの症状が見られます。
【対応】
手術や補助器具の使用、発音矯正訓練が行われることが多いです。
運動障害性構音障害
【特徴】
運動障害性構音障害は、発音に関わる筋肉の動きがうまくコントロールできないために生じます。
【主な原因】
- 脳卒中後の麻痺
- パーキンソン病
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
【影響】
発音が遅くなる、単語をはっきり発音できない、声量が小さくなるなど、
運動機能に関連する様々な症状が現れます。
【対応】
発音訓練とあわせて、呼吸や発声を補助するトレーニングが行われます。
聴覚性構音障害
【特徴】
聴覚性構音障害は、聴覚に障害があるため、正しい音の聞き取りや模倣ができず、
結果的に発音にもずれが生じるタイプです。
【主な原因】
- 先天性聴覚障害
- 加齢や病気による難聴
【影響】
正しい発音パターンを習得しにくく、「さ行」「た行」など聞き取りにくい音で誤りが出やすい傾向があります。
【対応】
聴覚補助機器の使用や、視覚情報(口の動きなど)を利用した発音訓練が効果的です。
機能性構音障害
【特徴】
機能性構音障害は、発音に関わる器官の形態や神経機能に明らかな異常がないにもかかわらず、
発音に問題が生じるケースです。
【主な原因】
- 発音習慣の誤り
- 精神的要因(緊張、不安)
【影響】
間違った発音方法が習慣化してしまった結果、
特定の音をうまく出せない状態になります。
【対応】
正しい発音方法を繰り返し練習することが中心となり、比較的改善しやすいとされています。
構音障害の治療

構音障害は、発声や発音に関わる器官の異常や機能の問題によって生じるため、
原因や症状に応じて適切な治療を行うことで、発音の改善を目指すことが可能です。
ここでは、構音障害の主な治療方法として、発音補助装置、外科的治療、構音訓練(言語療法・言語聴覚療法)の3つを詳しくご紹介します。
発音補助装置
発音補助装置(Speech Aid)は、口腔や咽頭の構造的な異常がある場合に使用される医療機器です。
特に、口唇裂・口蓋裂や、手術後の後遺症によって生じる器質性構音障害に対して有効とされています。
【主な発音補助装置】
- スピーチエイドプレート
口腔内に装着する補助器具で、口蓋の欠損部を補い、空気の漏れを防ぎます。これにより、明瞭な発音が可能になります。 - 補助的な義歯型装置
発音時に舌や口蓋の位置を補正し、適切な発音動作を促進します。
【メリット】
- 外科的手術を回避できる場合がある
- 短期間で発音改善効果が得られることもある
- 着脱式のため、使用者の負担が比較的少ない
【注意点】
- 適合調整が必要
- 装着に慣れるまで違和感を伴うことがある
発音補助装置は、医師と歯科医師、言語聴覚士が連携して設計・適合を行うため、
専門的なチーム医療が不可欠です。
外科的治療
外科的治療は、口腔・咽頭の器質的異常が重度であり、補助装置や訓練のみでは十分な改善が難しい場合に選択されます。
【代表的な外科的治療】
- 口蓋裂修復手術
先天的な口蓋裂に対して行われ、鼻咽腔閉鎖機能の回復を目指します。 - 軟口蓋形成術
鼻咽腔閉鎖不全を改善するため、軟口蓋の長さを調整する手術です。 - 顎矯正手術
顎骨の変形に伴う発音障害に対して、咬合や口腔形態を改善します。
【外科的治療の特徴】
- 根本的な構造的問題を修正できる
- 術後に構音訓練を併用することで、より高い発音改善効果が期待できる
ただし、外科手術にはリスクも伴うため、
事前に十分なカウンセリングとリスク説明を受けたうえで、慎重な判断が求められます。
構音訓練
構音訓練は、発音に必要な運動機能や正しい発音方法を再習得するためのリハビリテーションです。
主に言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist: ST)が個別にプログラムを組み、実施します。
言語療法・言語聴覚療法
構音訓練は、言語療法・言語聴覚療法の一環として行われ、
失われたまたは習得されていない発音機能を回復・向上させることを目的としています。
【構音訓練の主な内容】
- 音素レベルの練習
発音が困難な特定の音(例:「サ行」「ラ行」など)を重点的に訓練します。 - 音節・単語・文章レベルへの拡大練習
単語単位からフレーズ、文章へと段階的に発音練習を広げていきます。 - 口腔運動機能訓練
舌、唇、顎の動きを鍛え、正確な音の形成を促します。 - 聴覚フィードバック訓練
自分の発音を録音・再生し、正しい音と比較することで自己修正能力を高めます。
【訓練の進め方】
- 無理なく段階的に進める
- 成功体験を積み重ねて自信を育む
- 家庭での自主トレーニングも推奨される
構音訓練は短期間で劇的な変化が現れるものではありませんが、
継続することで着実に発音の明瞭性が向上し、
本人の自己肯定感や社会参加意欲にも良い影響を与えます。
構音障害のある方の困りごと

構音障害は単なる「話すことの困難さ」だけに留まらず、
広範なコミュニケーションや日常生活、さらには仕事にも大きな影響を及ぼします。
本人の努力だけでは乗り越えられない壁に直面することも少なくありません。
ここでは、構音障害を抱える方が直面しやすい「話す」「聴く」「読む」「書く」それぞれの困難について詳しく解説します。
そして、それらを理解することで、適切な支援や環境整備に繋げるヒントを探ります。
話す能力に異常がある場合
構音障害の中心的な困難は、「話す」能力に関するものです。
【具体的な困りごと】
- 特定の音が正しく出せず、言葉が伝わりにくい
- 発音が不明瞭なため、相手に何度も聞き返される
- 会話のテンポについていけず、途中で言葉に詰まってしまう
- 電話応対が難しく、業務に支障をきたすことがある
- 自分の意図と違う言葉を発してしまい、誤解を生む
【心理的影響】
- 「うまく話せない」ことに対する強いストレス
- 人と話すこと自体への恐怖心
- 自己肯定感の低下
【対策のヒント】
- 筆談やチャットツールを活用する
- ゆっくり話す環境を整えてもらう
- 相手に「聞き直しても大丈夫」と伝えて安心感を持つ
聴く能力に異常がある場合
一部の構音障害は、聴覚機能の異常と関連して発生します。
聴く力が弱まることで、コミュニケーション全体に影響が及びます。
【具体的な困りごと】
- 相手の言葉を正確に聞き取れず、会話の意図を誤解してしまう
- 微妙な発音の違い(例:「か」と「た」)を聞き分けにくい
- 集団での会議や雑音の多い環境では、さらに理解が難しくなる
- 質問に対して的外れな返答をしてしまうことがある
【心理的影響】
- 会話への参加意欲の低下
- 「分からない」と言い出せずに孤立する
【対策のヒント】
- 質問や指示を文書でもらう(口頭と併用)
- 静かな環境で会話する機会を増やす
- 聴覚補助器具やアプリを活用する
読む能力に異常がある場合
発音だけでなく、読む力にも困難を抱えるケースがあります。
特に、脳卒中などが原因で構音障害を伴う場合、読み取り能力にも影響が出ることがあります。
【具体的な困りごと】
- 文字を見てもすぐに読めない、読み間違える
- 読みながら内容を理解するのに時間がかかる
- 大量の資料や指示書を前にすると、負担感が強くなる
- メールやチャットの返信が遅れてしまう
【心理的影響】
- 「仕事ができない」と思い込むプレッシャー
- 速読や処理スピードを求められる場面での強い不安
【対策のヒント】
- 重要な文書は事前に送ってもらい、余裕を持って読む
- 音声読み上げソフトを活用する
- 短い文や箇条書きで情報を整理してもらう
書く能力に異常がある場合
構音障害の一部では、書字能力(筆記)にも困難が生じることがあります。
特に、失語症を併発している場合は、文字を書く際に思った通りの表現ができないことが問題になります。
【具体的な困りごと】
- 思いついた言葉をうまく文章にまとめられない
- 漢字や単語が思い出せず、筆が止まってしまう
- 書くスピードが極端に遅くなり、業務に支障が出る
- フォーマルな書類(報告書やメール文書)作成が負担
【心理的影響】
- 書くことに対する抵抗感
- 書類作成を避けようとする傾向
【対策のヒント】
- フォーマットやテンプレートを事前に用意する
- 音声入力やワープロソフトの活用
- 必要に応じて添削やチェックのサポートを受ける
構音障害の方におすすめの仕事や職場環境は?

構音障害を抱えている方にとって、仕事探しは「できないこと」に目を向けがちかもしれません。
しかし、視点を変えれば、自分の強みを活かせる職場や働き方は必ず存在します。
大切なのは、発音や会話に制約があったとしても、
「自分ができること」「自分が得意なこと」にしっかり目を向け、
無理なく、長く続けられる環境を選ぶことです。
ここでは、構音障害のある方におすすめの仕事と、働きやすい職場環境の特徴を具体的にご紹介します。
構音障害の方に向いている仕事
データ入力・事務
構音障害の方にとって、「話す」より「入力・処理する」ことが中心となる仕事は非常に相性が良いです。
【主な仕事内容】
- 書類作成、ファイリング
- データベースへの情報入力
- メールやチャットでの社内連絡
- 簡単な経理補助や庶務業務
【おすすめポイント】
- 会話よりも文字ベースでのやりとりが中心
- 自分のペースで集中して取り組める
- 勤務時間や場所(在宅勤務可)に柔軟性があるケースが多い
静かなオフィス環境や、指示が文書で明確に伝えられる職場を選ぶことで、
ストレスを大きく減らしながら働くことができます。
ITエンジニア
プログラミングやシステム開発を行うITエンジニア職も、構音障害の方に非常に人気が高い仕事の一つです。
【主な仕事内容】
- Webサイトやアプリの開発
- システム保守・運用
- ITインフラの設計・構築
- データベース管理
【おすすめポイント】
- 業務の大半がパソコン作業
- テキストチャットやタスク管理ツールを使用するため、音声会話の負担が少ない
- スキルを磨けばフリーランスや在宅ワークにも展開可能
ITスキルは需要が高く、キャリアアップの道も多様です。
職業訓練校や就労移行支援事業所でも、IT系スキル講座を受けられる場合があるので、興味があればぜひ挑戦してみましょう。
ご経験のある業務
これまでのご自身のキャリアを活かすのも大切な選択肢です。
たとえ話すことに制約が生じたとしても、知識や経験、専門性は消えることはありません。
【具体例】
- 事務職経験者→資料作成、総務アシスタント
- 営業経験者→内勤営業(メール中心)、営業アシスタント
- サービス業経験者→バックオフィス業務
【ポイント】
- 直接の会話が多いポジションから、間接支援ポジションへの転換
- 筆談やチャットでの対応を取り入れる工夫
- 職場に相談し、適切な業務調整を行う
「今できないこと」にとらわれず、「これまで積み上げてきた力」をベースに働き方を再構築していくことが、長期的なキャリア形成に繋がります。
構音障害の方が働きやすい職場環境

障害に対する理解や合理的配慮がある
職場選びにおいて最も重要なのは、障害に対して理解があり、合理的配慮を行う意識があるかです。
【理想的な配慮例】
- 電話応対業務を免除する
- 会議や打ち合わせで筆談やチャットの併用を認める
- 発言を急かさず、待つ姿勢を持つ
【チェックポイント】
- 面接時に障害の説明をしたときの企業側の反応
- 会社ホームページで障害者雇用に関する取り組みを紹介しているか
- 実際に障害者雇用の実績があるか
「話す」ことだけを重視するのではなく、「働く力」そのものを評価してくれる企業を選ぶことが大切です。
障害の状態に応じたサポートツールが利用できる
構音障害の方が快適に働くためには、支援ツールやテクノロジーの活用も重要な要素です。
【利用できるサポートツール例】
- 音声認識ソフト(発話しづらい部分を補う)
- テキストチャットツール(Slack、Teamsなど)
- メールやタスク管理システムの積極活用
- 手書きボードやホワイトボードでの筆談支援
また、企業によっては、障害者向けに特別な研修やメンタリング制度を設けている場合もあります。
こうした制度を活用することで、入社後も安心してスキルアップやキャリア形成に取り組めます。
構音障害の方が就職・転職で利用できる支援サービス
構音障害を抱える方にとって、就職活動や転職活動はさまざまなハードルを感じることがあるかもしれません。
「うまく話せるだろうか」「伝えたいことを正確に伝えられるだろうか」そんな不安を抱えるのは当然です。
しかし、今は障害者の就労を支援するサービスが多様に整備されており、
構音障害を持つ方でも自分に合った職場を見つけ、安定した就労を実現することが十分可能になっています。
ここでは、構音障害の方が活用できる代表的な支援サービスについて、わかりやすくご紹介します。
ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワークは、国が運営する公共の職業紹介機関で、全国に広く設置されています。
障害者専門の窓口を設置している拠点も多く、構音障害を含むさまざまな障害のある方に向けたサポート体制が整っています。
【主な支援内容】
- 障害者専用求人の紹介
- 職業相談、適職診断
- 履歴書・職務経歴書作成支援
- 面接対策アドバイス
- 面接同行(必要に応じて)
【ポイント】
- 障害に配慮した求人が多く、配慮事項を事前に確認できる
- 地域に密着した求人情報を得られる
- 就職後も「定着支援」としてアフターフォローが受けられる
ハローワークでは、障害内容を開示したうえで相談できるため、
構音障害によるコミュニケーションの困難さに配慮してくれる企業を探しやすくなっています。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する専門機関で、
障害者の職業リハビリテーション支援を行っています。
【主な支援内容】
- 職業評価(適性検査)
- ジョブコーチ支援(職場適応援助)
- 職場実習プログラムの提供
- 障害特性に応じた就労支援プランの作成
【ポイント】
- 専門的なアセスメントに基づき、向いている仕事を提案してもらえる
- 就職後もジョブコーチが職場訪問して支援してくれる場合がある
- 医師やリハビリ専門職と連携した支援が受けられる
特に、構音障害がある場合、職場内でのコミュニケーション支援や、
合理的配慮の提案を一緒に行ってくれるため、安心して就職先を探すことができます。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、障害や難病のある方を対象に、一般企業への就職をサポートする民間施設です。
障害福祉サービスの一つとして位置づけられており、利用には市区町村の支給決定が必要です。
【主な支援内容】
- ビジネスマナーやパソコンスキルの習得
- コミュニケーション能力向上訓練
- 履歴書作成や模擬面接
- 求人紹介・職場見学・実習支援
- 定着支援(就職後のフォローアップ)
【ポイント】
- 個別支援計画に基づき、構音障害に配慮した訓練が可能
- スモールステップで自信をつけながら社会復帰を目指せる
- 体調や体力に合わせて無理なく通所できる柔軟な体制が整っている
事業所によっては、ITスキル特化型やクリエイティブ職向けなど特色があるため、
自分に合ったプログラムを提供しているところを選ぶのがポイントです。
障害者雇用に特化した転職サイト
インターネット上には、障害者雇用専門の求人サイトも多数存在します。
自宅から手軽に求人検索ができるため、構音障害がある方にも非常に便利です。
【主なサービス内容】
- 障害内容に配慮した求人情報の掲載
- 専任キャリアアドバイザーによるサポート
- 非公開求人の紹介
- 面接同行・書類添削サービス
【ポイント】
- 登録時に構音障害の特性を伝えることで、ミスマッチを防ぎやすい
- 自己開示を前提にサポートが受けられるため安心感が高い
- オンライン面談にも対応しているため、負担が少ない
特に、電話対応のない職種やチャット中心の仕事など、
構音障害に配慮した求人を紹介してもらえることが多いのも特徴です。
構音障害のある方が受けられる支援制度

構音障害を抱えている方にとって、日常生活や就労活動を行ううえで不安や困難を感じることは少なくありません。
しかし、日本には障害を持つ方々を支援するための公的制度が用意されており、
これらを活用することで生活や働き方をより安定させることが可能です。
ここでは、構音障害のある方が対象となる代表的な支援制度について、わかりやすく解説します。
身体障害者手帳
身体障害者手帳は、身体機能に一定以上の障害があることを公的に証明する手帳です。
構音障害の場合、「音声機能・言語機能又はそしゃく機能の障害」として対象となる場合があります。
【認定基準の一例】
- 話すことに著しい支障があり、日常生活において常に他人の介助や補助が必要と認められる場合
- 明瞭な発声や発語が困難で、会話による意思疎通が著しく制限される場合
【身体障害者手帳の取得によるメリット】
- 所得税・住民税の障害者控除
- 公共交通機関の割引(バス・鉄道・航空機など)
- 医療費の自己負担軽減(自治体による助成)
- 障害者雇用促進法に基づく就労支援対象となる
- 公営住宅の優先入居申請など、生活面での支援が受けられる
【申請方法】
- 主治医の診断書を取得する
- 市区町村の福祉窓口に申請する
- 審査後、認定されれば手帳が交付される
等級(1級~6級)は障害の程度によって決まり、等級によって受けられる支援内容が異なります。
構音障害の場合、主に3級または4級に認定されるケースが多いとされています。
障害年金
障害年金は、病気や障害によって生活や仕事に支障がある場合に、
生活を支えるために支給される公的年金制度です。
構音障害も、一定の要件を満たすことで、障害年金の対象となる可能性があります。
【対象となる条件】
- 障害の原因となる病気やけがの初診日に、公的年金制度に加入していること
- 保険料の納付要件を満たしていること(例:直近1年間で未納がない等)
- 障害の程度が「障害等級1級または2級」に該当すること(障害基礎年金の場合)
【構音障害における支給の目安】
- 音声や言語機能の障害によって、意思伝達が著しく困難となった場合、障害等級2級に認定される可能性がある
【受給までの流れ】
- 初診日を証明する書類を用意
- 主治医に「障害年金用診断書」を作成してもらう
- 年金事務所または社会保険労務士に相談し、申請手続きを行う
障害年金は、生活基盤を支える大切な収入源となりうるため、
対象となる可能性がある方は早めに相談してみることをおすすめします。
自立支援医療(更生医療)
自立支援医療(更生医療)は、障害を持つ方が自立した生活を送るために、
必要な医療を受けやすくするための制度です。
構音障害の場合、特に手術やリハビリテーションが対象となることがあります。
【対象となる医療内容】
- 構音障害に関連する形成外科手術
- 言語聴覚療法(ST)による訓練
- 発音補助装置の作製・修理
【利用するメリット】
- 医療費の自己負担が原則1割に軽減
- 収入に応じた月額負担上限が設定されるため、経済的負担が大幅に軽減される
【申請方法】
- 指定医療機関から自立支援医療意見書を取得
- 市区町村の福祉担当窓口で申請
- 審査後、受給者証が交付される
【注意点】
- 受診する医療機関は、指定を受けた施設である必要がある
- 定期的な更新手続きが必要
特にリハビリを長期間継続する必要がある構音障害の方にとって、
この制度を活用することで、無理なく治療を続けることが可能になります。
まとめ
構音障害を抱えている方が、より安心して生活や就労を続けていくためには、
各種支援制度を上手に活用することが非常に重要です。
【今回のポイントまとめ】
- 身体障害者手帳を取得することで、税制優遇や生活支援が受けられる
- 障害年金は生活費の支えとなり、申請できる可能性がある
- 自立支援医療(更生医療)により、リハビリや手術費用の負担を軽減できる
「自分には関係ないかも」と思っていた制度も、
実際に調べてみると意外に利用できるケースも多くあります。
一人で悩まず、まずは市区町村の福祉窓口や、専門の相談機関に問い合わせてみましょう。
小さな一歩が、大きな安心と未来につながるかもしれません。
あなたらしい働き方と、充実した毎日のために。
支援制度を味方につけて、少しずつ、前に進んでいきましょう。