障がい者雇用の給料・年収はどれくらい？収入の実態とアップするためのポイントを解説

障がい者雇用枠で働くにあたり、最も気になることのひとつが「給料」や「年収」の問題ではないでしょうか。
どんなにやりがいのある仕事でも、生活を支えるだけの収入が得られなければ、長期的に働き続けることは難しくなってしまいます。
また、将来を見据えたときにも、安定した収入が得られるかどうかは非常に重要なポイントです。

しかし、障がい者雇用枠における給料の実態は、まだまだ十分に知られていない部分が多く、情報が断片的だったり、一般的な就労と比較してわかりにくかったりするのが現状です。
そこで本記事では、障がい者雇用の給料や年収の現状を整理し、さらに収入アップを目指すための具体的なポイントについても解説していきます。

まずは、現在の障がい者雇用における給料の実態から見ていきましょう。

障がい者雇用の給料の現状

障がい者雇用の給料水準は、一般雇用と比較して低めに設定されていることが多いのが現実です。
これは、業務内容が限定的であることや、勤務時間が短縮されているケースが多いこと、また障害に応じた配慮によって通常業務とのバランスが調整されていることなど、さまざまな要素が影響しています。

たとえば、厚生労働省が発表しているデータによると、民間企業における障がい者雇用者の平均月収は、一般労働者に比べて2〜3割低い水準に留まっています。
正社員であっても、スタート時の年収は200万〜300万円程度に設定されることが多く、非正規雇用（契約社員・パートタイマーなど）の場合はさらに低くなる傾向があります。

とはいえ、近年では職種の多様化が進み、スキルや経験を活かして高収入を得る障がい者の方も増えてきています。
特に、IT系・事務系・専門職などの分野では、障害に配慮しつつも高い専門性を求める求人が増加しており、これらの職種に就けば、一般雇用とほぼ同水準、あるいはそれ以上の年収を得ることも不可能ではありません。

また、障がい者雇用でも企業規模によって給料水準に差が出る傾向があります。
大企業の場合、福利厚生が充実しているだけでなく、給与水準も比較的高めに設定されているケースが多く、障害に応じた合理的配慮と高待遇の両方が期待できます。

一方で、中小企業や特例子会社などでは、業務が単純作業中心となりやすく、それに応じて給与水準も低めに設定されている場合があります。
特例子会社では、雇用の安定性やサポート体制は充実しているものの、月給ベースで15万〜18万円程度にとどまるケースが一般的です。

このように、障がい者雇用の給料事情は一様ではなく、雇用形態、企業規模、職種、スキルレベル、障害特性など、さまざまな要因によって大きく変動することを理解しておく必要があります。

さらに、障がい者雇用においては、昇給やキャリアアップの機会が限られている場合もあります。
一般枠と比べて、昇進・昇格のスピードが緩やかであったり、管理職への道が閉ざされていたりするケースもあり、これが長期的な収入格差につながる可能性も指摘されています。

そのため、障がい者雇用枠での就職・転職を考える際には、「初任給」だけでなく「将来のキャリアパス」や「昇給制度の有無」「仕事内容の幅の広がり方」なども含めて総合的に検討することが重要です。

また、自治体によっては障がい者就労支援策として、収入補助制度や職業訓練奨励金などを提供している場合もあるため、こうした制度を上手に活用することで、生活基盤の安定を図ることも可能です。

障がい者雇用における給料・年収の現状を正しく理解したうえで、自分に合った職場選びを進めていくことが、納得できるキャリア形成への第一歩となるでしょう。

障害種別ごとの平均賃金

障がい者雇用枠で働く場合、収入面の不安は大きな関心事のひとつです。
特に、障害の種類によって就労先の選択肢や働き方に違いがあり、それが平均賃金にも影響を及ぼしています。

ここでは、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者、それぞれの平均賃金の傾向について詳しく解説します。
自分に近い事例を知ることで、将来設計を立てる際の参考にしていただければと思います。

身体障がい者の平均賃金

身体障がい者の平均賃金は、障がい者全体の中では比較的高い水準にあります。
これは、身体に障害があっても知的能力やコミュニケーション能力に制限がないケースが多く、一般企業での事務職、技術職、専門職など、幅広い職種に就労できることが背景にあります。

厚生労働省の調査によると、身体障がい者の月額平均賃金は約20万円前後となっており、年収に換算すると240万円前後がひとつの目安です。
特に、大手企業や官公庁での障がい者雇用枠では、一般社員と同様の待遇で働いている例も多く、スキルやキャリア次第ではさらに高い収入を得ているケースもあります。

たとえば、オフィス事務職、ITエンジニア、法務・財務部門などの専門職では、障害を持ちながらも年収400万円以上を実現している方も少なくありません。
また、身体障がいに対する合理的配慮（バリアフリーオフィス、在宅勤務制度など）が進んでいる企業も多く、安心して働きやすい環境が整いつつあります。

一方で、職場環境が整っていない中小企業や、単純作業中心の業務では、賃金水準がやや低めになる傾向も見られるため、企業選びが重要なポイントになります。

知的障がい者の平均賃金

知的障がい者の平均賃金は、身体障がい者と比べると低めに推移しています。
主に就労先が、製造業や物流業、清掃業務、軽作業など、単純作業中心となる傾向が強く、それに伴って賃金水準も抑えられているケースが多いからです。

具体的には、知的障がい者の月額平均賃金は約13万〜15万円程度とされ、年収換算で約160万〜180万円前後が目安となります。
多くの場合、最低賃金ベースでの時給計算による給与設定となっており、パートタイム勤務での雇用も少なくありません。

ただし、就労支援や企業内研修を活用してビジネススキルを磨き、事務補助やPC作業、データ入力業務など、より専門的な職種に就くことができれば、月給18万円以上を目指すことも可能です。

また、特例子会社などでは、障害特性に配慮した働きやすい環境が整っている反面、賃金水準が抑えられる傾向にあるため、キャリアアップを見据えて企業選びを行うことが重要です。

精神障がい者の平均賃金

精神障がい者の平均賃金は、障がい者雇用全体の中でも最も低い傾向にあります。
これは、精神障害特性（うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害など）により、長時間勤務や高負荷な業務が難しい場合があること、短時間勤務を希望するケースが多いことが影響しています。

月額平均賃金はおおむね12万〜14万円前後で、年収換算すると150万〜170万円程度が目安です。
パートタイム勤務や短時間正社員制度を利用しているケースが多く、勤務時間に応じて収入も変動します。

ただし、精神障がい者の中でも、適切な治療や自己管理により安定就労できる方は、専門スキル（プログラミング、デザイン、ライティング、マーケティングなど）を活かして年収300万円以上を実現している例もあります。

また、近年は精神障がい者向けに配慮された職場環境（リモートワーク可、メンタルヘルスサポートあり）を整備する企業が増えており、従来に比べて働き方の選択肢も広がっています。

精神障がい者の場合は、体調の波に合わせた柔軟な働き方を許容してくれる企業を選び、無理なく就労を継続できる環境を整えることが、収入安定とキャリア形成の鍵となるでしょう。

障がい者雇用と一般雇用の給料の違い

障がい者雇用枠と一般雇用枠では、給料や待遇にさまざまな違いが存在します。
これは単に「障がい者だから給料が低い」という単純な問題ではなく、雇用形態や業務内容、勤務時間など、複数の要素が複雑に絡み合った結果です。
ここでは、障がい者雇用と一般雇用の給料の違いについて、3つの視点から詳しく解説していきます。

雇用形態による違い

まず大きな影響を及ぼすのが「雇用形態」の違いです。

一般雇用枠では、多くのケースで正社員採用が基本となり、基本給に加えて各種手当（通勤手当、住宅手当、役職手当など）が支給されるほか、賞与（ボーナス）や昇給制度も整備されています。
これにより、安定した収入を得られるだけでなく、長期的なキャリア形成や年収アップも期待できます。

一方、障がい者雇用枠では、契約社員やパートタイマーとしての雇用が主流となっている場合も多く、正社員採用であっても「嘱託社員」などの限定的な雇用形態となることがあります。
また、雇用期間が1年ごとに更新される「有期契約」となっているケースもあり、長期的な収入の見通しが立てにくいこともあります。

このように、雇用形態が違えば、基本給の水準、賞与の有無、昇給の機会に大きな差が生まれるため、結果的に給料面での格差につながりやすくなっています。

ただし、最近では、障がい者枠であっても正社員採用を前提とする求人が増えてきており、企業側もキャリアアップを見据えた人材育成に力を入れる動きが広がっています。
自分に合った職場を選ぶためには、雇用形態だけでなく、契約内容や待遇面を細かく確認することが大切です。

業務内容による違い

給料の違いに直結するもうひとつの大きな要素が「業務内容」です。

一般雇用枠では、幅広い業務に従事することが前提となります。
たとえば、営業、企画、開発、管理部門など、専門性や責任が求められる業務に携わることが多く、それに応じた高い給与水準が設定されています。

一方、障がい者雇用枠では、障害特性に配慮するため、比較的負担の少ない業務や限定的な作業に従事することが多くなりがちです。
具体的には、データ入力、書類整理、郵便仕分け、軽作業、補助的業務などが中心となり、業務範囲が限定される分、給与水準も抑えられる傾向があります。

もちろん、すべての障がい者雇用が単純作業に限られているわけではありません。
最近では、ITエンジニア、Webデザイナー、マーケティング担当、総務・人事など、専門性を求める職種への登用も進んでおり、スキルや経験次第では一般雇用と遜色ない給料を得ることも可能になっています。

重要なのは、自分の得意分野やスキルを活かせる業務にチャレンジできる職場を選び、キャリア形成を図っていくことです。

勤務時間による違い

勤務時間の違いも、給料に大きな影響を及ぼします。

一般雇用枠では、原則としてフルタイム（週40時間前後）の勤務が基本となります。
これにより、月給ベースでの安定収入が得られ、年収ベースでも比較的高い水準を維持しやすくなっています。

一方、障がい者雇用枠では、体調管理や障害特性に配慮して、短時間勤務（週20時間〜30時間）を選択するケースが多く見られます。
たとえば、精神障害を抱える方や、体力に不安がある方などは、1日4時間勤務や週3〜4日勤務といった柔軟な働き方を選ぶこともあります。

当然、勤務時間が短くなれば、それに比例して月給・年収も低くなります。
仮に時給ベースで一般労働者と同じ単価だったとしても、総労働時間が少ないため、結果的に収入額に大きな差が出てしまうのです。

このため、障がい者雇用枠で「収入をしっかり確保したい」と考える場合は、フルタイム勤務が可能な求人を選んだり、段階的に勤務時間を増やすことを目標にするなど、働き方を工夫することがポイントになります。

障がい者雇用の給料が低くなる理由

障がい者雇用に関心を持っている方にとって、給料水準は非常に重要なポイントです。
しかし、現実には「障がい者雇用枠では給料が低い」と感じる方が少なくありません。
なぜ障がい者雇用では一般雇用に比べて給料が低くなるケースが多いのでしょうか？

ここでは、法律制度の仕組みやキャリア形成の問題など、給料低下の背景にある要因をわかりやすく解説します。
正しく理解することで、今後の働き方やキャリア形成に役立てていただければと思います。

最低賃金法と減額特例許可制度

障がい者雇用において給料が低くなる背景には、最低賃金に関する法律上の仕組みも関係しています。
その代表例が、「最低賃金法」と「減額特例許可制度」です。

最低賃金法の概要

最低賃金法とは、労働者に対して一定の最低限の賃金を保障することを目的とした法律です。
この法律により、企業は地域ごとに定められた最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければならない義務を負っています。

たとえば、東京都の場合、2024年度時点での最低賃金は時給1,113円です。
これは、障害の有無にかかわらず、原則すべての労働者に適用されます。

したがって、障がい者雇用であっても、基本的には最低賃金以上の給料が支払われるべきであり、不当に低い賃金で働かされることはあってはなりません。
最低賃金法は、障がい者にとっても「収入の最低ラインを守る」ための重要な制度となっています。

減額特例許可制度の概要と注意点

しかし一方で、最低賃金法には「減額特例許可制度」という例外規定も存在します。

これは、障害特性によって著しく作業能率が低く、最低賃金額に見合う労働成果を上げることが困難な場合に限り、事業主が労働局に申請し、許可を受けることで、最低賃金よりも低い賃金で雇用することを認める制度です。

たとえば、重度の知的障害や精神障害などにより、業務遂行に大幅な制約がある場合、減額特例が適用されることがあります。
これにより、時給が最低賃金よりも低い金額（例：時給800円など）に設定されることも実際に起きています。

この制度自体は、「無理に高い基準に合わせることで就労機会を失わせないため」という趣旨で設けられているものですが、適用にあたっては慎重な判断が求められます。

特に注意したいのは、

• 減額特例は労働者本人の同意が必要
  
• 事業主は厚生労働省（労働局）の許可を得なければならない
  
• 形だけの申請で、実質的な搾取になってはいけない
  

という点です。

残念ながら、障害者を安価な労働力として扱うために不適切な運用が行われる事例も存在しています。
そのため、減額特例が適用されているかどうか、またその理由と条件についてしっかり確認することが、労働者自身を守るうえで非常に重要になります。

キャリア形成の機会の少なさ

障がい者雇用枠におけるもうひとつの大きな課題は、「キャリア形成の機会が限られている」ことです。
この問題も、長期的な収入格差につながっています。

業務範囲の限定

障がい者雇用枠では、障害特性に配慮して業務内容が限定される傾向があります。
たとえば、事務補助、軽作業、清掃業務など、比較的負担の少ない業務に従事するケースが多く、本来の能力を十分に発揮できないままキャリアが停滞してしまうこともあります。

こうした状況では、職務経験を積み重ねる機会が限られ、結果としてスキルアップや昇進、昇給につながりにくくなるのです。

昇進・昇格ルートの閉塞感

さらに、障がい者雇用枠では、正社員であっても管理職登用やキャリアパスが明確に用意されていない企業も少なくありません。
「一般職」として雇用され続け、一定以上のポジションに上がる道が閉ざされている場合、長期的な年収増加は期待しにくいのが現実です。

本来であれば、障害の有無にかかわらず、本人の能力や努力に応じて適切に評価されるべきですが、実態としては障害を理由に昇進が見送られるケースも報告されています。

自己成長の機会の不足

また、就業後に自己成長を促すための研修や教育プログラムが十分に提供されていないことも、キャリア停滞の一因となっています。
スキルアップの機会が少なければ、より高度な業務へのチャレンジも難しくなり、収入アップのチャンスも減少してしまいます。

障がい者雇用で収入アップを目指すポイント

障がい者雇用枠で働く中で、「もっと収入を増やしたい」「将来に向けて安定した生活基盤を築きたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
確かに、障がい者雇用は一般雇用に比べて給与水準が低い傾向があるのは事実です。
しかし、適切な努力と工夫を重ねることで、着実に収入アップを目指すことは可能です。

ここでは、障がい者雇用で収入を上げるために有効な3つのポイントについて詳しくご紹介します。

資格取得によるスキルアップ

まず、収入アップを目指すうえで最も基本となるのが「スキルアップ」です。
そして、スキルアップの一つの具体的な手段が「資格取得」になります。

なぜ資格が収入アップに繋がるのか？

企業側は、採用時や昇進時に「どれだけ業務に直結するスキルを持っているか」を重視します。
特に資格は、客観的にスキルを証明する手段として非常に有効です。
障がい者雇用枠であっても、実務に役立つ資格を持っていれば、高度な業務を任されたり、昇給・昇格のチャンスをつかめる可能性が高まります。

収入アップに役立つ代表的な資格例

• MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）
  　→ Word、Excel、PowerPointなど事務職で必須のスキルを証明できる。
  
• 日商簿記検定
  　→ 経理・財務・事務職で活かせる資格。2級以上で評価が高い。
  
• ITパスポート・基本情報技術者試験
  　→ IT企業や事務職でのデジタルスキル証明に有効。
  
• 宅地建物取引士（宅建）
  　→ 不動産業界で重宝され、高収入を狙える。
  
• ファイナンシャルプランナー（FP）
  　→ 金融・保険業界でのキャリアアップに有利。
  

これらの資格は、障がいの有無にかかわらず評価されるため、努力次第で収入面での大きな差別化が図れます。

正社員登用制度の活用

次に注目したいのが「正社員登用制度」の活用です。

なぜ正社員になることが重要なのか？

契約社員やパートタイマーに比べて、正社員は基本給が高く、昇給・賞与・各種手当（住宅手当、家族手当など）が支給されることが多いため、年収ベースで大きな差が出ます。
また、長期的な雇用保障も受けられるため、将来設計がしやすくなります。

障がい者雇用枠でも、最初は契約社員や嘱託社員からスタートし、一定期間の勤務実績や評価に応じて正社員登用される仕組みを持っている企業が増えています。
このチャンスを逃さないことが、収入アップの大きな鍵となります。

正社員登用を目指すためにやるべきこと

• 与えられた業務を確実に遂行する
  
• 積極的に業務範囲を広げる提案をする
  
• 体調管理をしっかり行い、安定的に出勤する
  
• 上司・同僚とのコミュニケーションを良好に保つ
  

これらを意識することで、社内評価が高まり、登用対象者に選ばれる可能性が高まります。
また、登用制度の有無や条件については、入社前または早い段階でしっかり確認しておきましょう。

経験を活かせる職種や業界への転職

最後にご紹介するのは、「経験を活かせる職種や業界への転職」です。

なぜ転職が収入アップにつながるのか？

今の職場でスキルアップや正社員登用が難しい場合、思い切って環境を変えることも有効な手段です。
特に、過去の経験やスキルを活かせる職場に転職できれば、スタート時から高い給与水準が設定される可能性もあります。

たとえば、

• 事務経験者なら「専門事務職」へ（人事、経理、営業事務など）
  
• ITスキルがあれば「エンジニア職」へ
  
• 営業経験があれば「内勤営業」や「カスタマーサポート職」へ
  

など、これまでのキャリアを活かす方向で転職活動を行うと、スムーズに年収アップが実現しやすくなります。

転職時に注意すべきポイント

• 障がい者雇用に理解のある企業を選ぶ
  
• 配慮事項や希望条件を事前に伝える
  
• 年収や昇給制度をしっかり確認する
  
• 転職エージェントを活用して情報収集する
  

特に障がい者専門の転職エージェントでは、収入面に関する交渉もサポートしてくれるため、ひとりで転職活動を進めるよりも成功確率が高まります。

働きやすい障がい者雇用先の見つけ方

障がい者雇用枠で働くことを目指す際、もっとも大切なのは「自分にとって働きやすい職場」を見つけることです。
単に求人があるからといって飛びつくのではなく、障がいへの理解や支援体制が整った職場を選ぶことで、無理なく長期的に働き続けることが可能になります。

しかし、働きやすい障がい者雇用先を見つけるためには、どのような方法を取るべきでしょうか？
ここでは、特に効果的な3つの探し方についてご紹介します。

ハローワークの活用

まず活用したいのが、全国に設置されているハローワーク（公共職業安定所）です。

ハローワークには、障がい者専用の相談窓口「専門援助窓口」が設置されており、障がいのある方の就職活動を専門にサポートしています。
ここでは、単なる求人紹介にとどまらず、以下のような支援を受けることができます。

• キャリアカウンセリング
  
• 求人情報の提供
  
• 応募書類（履歴書・職務経歴書）の作成アドバイス
  
• 模擬面接指導
  
• 面接時の配慮事項について企業への連絡調整
  

また、ハローワークでは「障害者トライアル雇用制度」や「特別支援枠求人」など、障がい者向けの特別な求人枠を扱っている場合もあり、一般求人には載っていない好条件の求人に出会えるチャンスもあります。

特に「職場実習」など、実際に職場を体験したうえで就職できるプログラムも紹介してもらえるため、ミスマッチを防ぐことができます。

就職フェアや合同説明会への参加

次におすすめしたいのが、就職フェアや合同企業説明会への参加です。

障がい者向けの就職イベントでは、障がい者雇用に積極的な企業が多数出展しており、企業担当者と直接会って話を聞くことができます。
求人票やウェブサイトだけでは分からない企業の雰囲気や、実際の配慮内容について生の情報を得られるのが大きなメリットです。

たとえば、

• どのような業務内容か
  
• どのような配慮が用意されているか
  
• 社内に障がい者社員が何人いるか
  
• 昇進・昇給の仕組みがあるか
  

などを直接質問できるため、働きやすさをリアルにイメージしやすくなります。

さらに、企業説明だけでなく、キャリア相談ブースや模擬面接、書類添削コーナーを設けているフェアもあり、就職活動全体をサポートしてもらえる点も魅力です。

最近では、オンライン開催される障がい者向け合同説明会も増えているため、地方在住の方や外出が難しい方でも気軽に参加できます。

障がい者雇用に特化した求人サイトを活用する

最後に、現代の就職活動で欠かせないのが、障がい者雇用に特化した求人サイトの活用です。

障がい者向け求人サイトでは、一般求人サイトでは見つけにくい「障がいへの配慮が明確に記載された求人」が多数掲載されています。
たとえば、

• リモートワーク可
  
• 時短勤務OK
  
• 通院配慮あり
  
• バリアフリー完備
  
• メンタルヘルス支援あり
  

など、自分のニーズに合った求人を検索条件で絞り込めるため、働きやすい職場を効率よく見つけることが可能です。

また、障がい者専門の転職エージェントが運営するサイトでは、個別キャリアカウンセリングや企業とのマッチングサポート、面接同行などの手厚い支援を受けられる場合もあります。

👉 働きやすい職場を探すなら障害者ナビ！

ぜひ、こうした専用サービスを賢く活用し、無理なく長く働ける理想の職場を見つけましょう。

まとめ

障がい者雇用で働きやすい職場を見つけるためには、単に求人件数を見るのではなく、「支援体制」や「働きやすさ」を重視した探し方をすることが大切です。

• ハローワークの障がい者専門窓口を活用する
  
• 就職フェア・合同説明会で企業のリアルな姿を知る
  
• 障害者ナビで自分に合った職場を探す
  

この3つを軸に動けば、きっと自分にとって最適な働き方に出会えるはずです。
焦らず、無理なく、あなたらしいキャリアを築くために、ぜひ一歩を踏み出してください。