2025/02/13
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    【2025年最新版】障害者に向いている仕事一覧と障害者雇用枠の種類・探し方を徹底解説

    「応募してみたいけど、自分の障害に合った仕事なのかな…」
    「障害者雇用枠って一般枠と何が違うんだろう…」

    そんな悩みを抱えながら求人情報を見ていませんか?この記事では、障害者雇用の基本から仕事の種類、探し方まで、誰にでもわかりやすく解説します。自分に合った仕事を見つけるための第一歩を、踏み出しましょう。

    障害者雇用の現状と法的枠組み

    障害者雇用促進法の概要

    法律の目的と主要な規定

    障害者雇用促進法は、障害のある方が能力を発揮して働ける社会を作るための法律です。この法律では、企業に対して一定割合の障害者を雇うよう義務付けています。

    この法律の主な内容は次の通りです。

    • 企業に障害者雇用を義務付ける「障害者雇用率制度」
    • 障害者が働きやすい環境を整えるための「合理的配慮の提供義務」
    • 障害者の職業能力開発や就労支援に関する規定

    最新の法改正ポイント

    2024年4月から適用されている最新の改正では、精神障害者の雇用に関する配慮がさらに強化されました。具体的には以下の点が変更されています。

    • 精神障害者の雇用に対する助成金の拡充
    • 短時間勤務制度の柔軟化
    • テレワークなど多様な働き方への支援強化
    • 就労定着支援の強化

    障害者雇用率制度と対象者

    法定雇用率の推移

    障害者の法定雇用率は徐々に引き上げられてきました。

    • 2018年4月:2.2%(民間企業)
    • 2021年3月:2.3%(民間企業)
    • 2025年現在:2.5%(民間企業)

    ※本記事は2025年4月時点の法改正状況をもとに執筆しています。以降の改正内容がある場合は、厚生労働省の公式発表をご確認ください。

    国や地方公共団体などは、民間企業よりも高い雇用率が設定されています。

    雇用率の算定方法

    雇用率の計算は以下のように行われます。

    障害者雇用率 = 企業が雇用する障害者数 ÷ 企業の常用労働者数 × 100

    なお、重度の障害者(身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、療育手帳Aなど)はダブルカウント(1人を2人として計算)されます。また、短時間労働者(週20時間以上30時間未満)は0.5人としてカウントされます。

    障害者手帳の種類と等級

    障害者雇用の対象となる主な手帳は次の3種類です。

    1. 身体障害者手帳:1級〜6級
      • 視覚、聴覚、肢体、内部障害など
    2. 精神障害者保健福祉手帳:1級〜3級
      • うつ病、統合失調症、発達障害など
    3. 療育手帳(知的障害者手帳):A(重度)・B(軽度)
      • 都道府県によって呼び方や区分が異なる場合があります

    障害者に適した仕事の種類

    オフィスワーク

    かつては「障害者には難しい」と思われていたオフィスワークですが、現在では支援技術の発達や職場環境の整備により、多くの障害者の方が活躍しています。

    一般事務

    一般事務はデスクワークが中心で、身体的な負担が少ない仕事です。

    主な業務内容

    • 書類作成や整理
    • 電話応対
    • メール対応
    • 来客対応
    • スケジュール管理

    障害の種類によっては、特定の業務だけを担当する「分業制」を採用している職場も増えています。

    データ入力

    データ入力は集中力と正確性が求められる仕事で、コミュニケーションが少なくても取り組みやすい職種です。

    主な業務内容

    • 帳票類のデータ入力
    • 顧客情報の登録
    • アンケート結果の集計
    • 各種データのチェック

    特に自閉症スペクトラムの方など、同じ作業を正確に繰り返すことが得意な方に向いています。

    コールセンター業務

    コールセンター業務はマニュアルに沿った対応が多いため、研修をしっかり受ければ取り組みやすい職種です。

    主な業務内容

    • 問い合わせ対応
    • 注文受付
    • サポート業務
    • アウトバウンドコール(営業)

    最近では、チャットサポートなど電話を使わない顧客対応の仕事も増えています。

    技術職

    システムエンジニア

    ITスキルを活かせる仕事として、システムエンジニアは障害者雇用でも人気の職種です。

    主な業務内容

    • プログラミング
    • システム設計
    • テスト・デバッグ
    • 保守・運用

    特に論理的思考が得意な方集中して作業に取り組める方に向いています。また、リモートワークが可能な企業も多く、通勤の負担を減らせる点も魅力です。

    CADオペレーター

    CADオペレーターは、パソコンを使って図面を作成する仕事です。

    主な業務内容

    • 建築図面の作成・修正
    • 機械部品の設計図作成
    • 3Dモデリング

    正確性と集中力が求められますが、専門学校やオンライン講座などでスキルを習得できます。

    Webデザイナー

    Webデザイナーは、ウェブサイトのデザインやコーディングを行う仕事です。

    主な業務内容

    • サイトデザイン
    • HTML/CSSコーディング
    • 画像加工
    • バナー作成

    フリーランスとして働く選択肢もあり、在宅での仕事が可能な点が魅力です。

    現場作業

    製造・組立作業

    製造・組立作業は、製品の組み立てや検品を行う仕事です。

    主な業務内容

    • 部品の組み立て
    • 製品の検査
    • 梱包作業
    • ライン作業

    作業内容が明確で、手順が決まっている仕事が多いため、知的障害や発達障害のある方に向いている場合があります。

    清掃業務

    清掃業務は、オフィスや商業施設などの清掃を行う仕事です。

    主な業務内容

    • 床掃除
    • トイレ清掃
    • ゴミ収集
    • 備品補充

    体を動かす仕事ですが、作業範囲や内容を調整しやすいため、自分のペースで働きたい方に向いています。

    農作業

    農作業は、自然の中で体を動かす仕事です。

    主な業務内容

    • 野菜や果物の栽培
    • 収穫作業
    • 土づくり
    • 出荷準備

    屋外での作業が中心ですが、ストレスを感じにくい環境で働きたい方に向いています。特例子会社や福祉農園などで取り組む例が増えています。

    バックヤード業務

    商品管理

    商品管理は、店舗やセンターで商品の管理を行う仕事です。

    主な業務内容

    • 在庫確認
    • 商品整理
    • 値札付け
    • 発注業務

    接客が少なく、決まった手順で作業できるため、コミュニケーションに不安がある方に向いています。

    梱包作業

    梱包作業は、商品を箱に詰めたり包装したりする仕事です。

    主な業務内容

    • 商品の箱詰め
    • ラッピング
    • 宛名ラベル貼り
    • 発送準備

    同じ作業の繰り返しが多く、手先の器用さを活かせる仕事です。

    障害者が働きやすい環境と障害者雇用枠

    一般雇用と障害者雇用枠の違い

    一般雇用のメリット

    • 求人数が多い
    • 職種の選択肢が広い
    • 昇進・キャリアアップの機会が多い
    • 給与水準が比較的高い

    一般雇用のデメリット

    • 障害への配慮が少ない場合がある
    • 業務量や責任が重いことがある
    • 合理的配慮を自分から求める必要がある

    障害者雇用枠の特徴

    • 障害特性に合わせた業務調整
    • 職場環境の配慮
    • 就労支援者によるサポート
    • 勤務時間や休憩の柔軟な対応

    障害者雇用枠の利点

    • 障害に対する理解がある
    • 無理なく働ける環境が整っている
    • 雇用の安定性が高いことが多い
    • ジョブコーチなどの支援を受けやすい

    在宅勤務の可能性

    在宅勤務に適した職種

    • ITエンジニア(プログラミング、ウェブ開発)
    • デザイナー(グラフィック、ウェブデザイン)
    • ライター・編集者
    • 事務職(データ入力、経理補助)
    • カスタマーサポート(チャット対応)

    在宅勤務の環境整備

    • 適切な作業環境の確保(デスク、椅子、照明など)
    • 通信環境の整備(安定したインターネット接続)
    • 業務用機器の準備(パソコン、周辺機器)
    • セキュリティ対策(VPN接続など)
    • コミュニケーションツールの活用(チャット、ビデオ会議)

    在宅勤務の導入支援として、テレワーク導入支援助成金などの制度も利用できます。

    特例子会社での就労

    特例子会社の仕組み

    特例子会社とは、障害者の雇用に特化した子会社のことです。親会社が特例子会社を設立すると、その子会社で雇用する障害者は親会社の雇用率にカウントされます。

    特例子会社のメリット

    • 障害者に合わせた職場環境
    • 専門スタッフによるサポート
    • 安定した雇用
    • 障害特性に合わせた業務設計

    主な業務内容と特徴

    特例子会社での主な業務

    • 事務代行(データ入力、書類整理)
    • 印刷・製本
    • 清掃・メンテナンス
    • 農園芸(花卉栽培、野菜栽培)
    • 軽作業(部品組立、梱包)

    特例子会社の特徴

    • バリアフリー設計
    • 障害に合わせた機器・設備
    • 指導員の配置
    • 通院などに配慮した勤務体系

    就労継続支援サービスの活用

    A型事業所

    就労継続支援A型は、雇用契約を結んで働く福祉サービスです。

    A型事業所の特徴

    • 最低賃金以上の給与
    • 雇用契約あり
    • 福祉的な支援と就労の両立
    • 一般就労への移行支援

    主な業務内容:

    • 軽作業(箱折り、シール貼りなど)
    • 清掃作業
    • 飲食店運営
    • 農作業
    • 事務作業

    B型事業所

    就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに働く福祉サービスです。

    B型事業所の特徴

    • 工賃形式(最低賃金の適用なし)
    • 雇用契約なし
    • 能力や体調に合わせた働き方
    • より手厚い支援体制

    主な業務内容

    • 手工芸品製作
    • 軽作業
    • 清掃作業
    • パン・菓子製造
    • リサイクル作業

    障害者の就職・転職支援

    ハローワークの活用法

    専門窓口の利用方法

    ハローワークには障害者専門の窓口があります。利用の流れは次の通りです。

    1. 最寄りのハローワークに障害者手帳を持参する
    2. 障害者専門窓口で求職登録をする
    3. 障害特性や希望条件をカウンセラーに伝える
    4. 適した求人情報の紹介を受ける
    5. 応募書類の作成や面接対策のサポートを受ける

    職業紹介サービスの流れ

    ハローワークでの職業紹介の流れ

    1. 求職登録:希望職種や条件、障害状況などを登録
    2. 職業相談:専門のカウンセラーとの相談
    3. 求人紹介:条件に合った求人の紹介
    4. 応募準備:履歴書・職務経歴書の作成支援
    5. 面接対策:模擬面接や助言
    6. 紹介状発行:応募企業への紹介状作成
    7. 採用後フォロー:就労定着支援

    障害者向け求人媒体の特徴

    求人サイトの活用

    障害者に特化した主な求人サイト

    • 障害者job.com
    • dodaチャレンジ
    • atGPジョブ
    • ゆめワーク
    • 障害者ナビ

    これらのサイトでは、障害種別や程度に合わせた求人検索が可能です。また、在宅勤務可能な求人や短時間勤務の求人なども探しやすくなっています。

    障害者専門の求人情報誌

    障害者向けの求人情報誌も発行されています。

    • 働く広場(高齢・障害・求職者雇用支援機構発行)
    • はたらっく(地域によって発行)

    これらの情報誌は、ハローワークや障害者就労支援センターなどで入手できます。

    専門エージェントによるサポート

    障害者雇用に特化したエージェント

    障害者雇用に特化した就職エージェントの特徴

    • 個別カウンセリングによる適職探し
    • 企業の雇用環境についての詳細情報
    • 面接同行などの手厚いサポート
    • 就労後のフォローも充実

    主な障害者雇用エージェント

    • 障害者ナビ
    • リクルートエージェント(障害者雇用サービス)
    • マイナビ障がい者採用支援
    • Wingle

    キャリアカウンセリングの重要性

    キャリアカウンセリングでは以下のポイントが重要です。

    • 自己理解(強み・弱み・特性の把握)
    • 職業理解(仕事内容や必要なスキルの理解)
    • 障害特性と仕事のマッチング
    • 職場環境に必要な配慮の明確化
    • 長期的なキャリアプランの設計

    適切なカウンセリングを受けることで、自分に合った仕事を見つけやすくなります。

    職業訓練と就労移行支援

    公共職業訓練の種類と内容

    公共職業訓練には以下のような種類があります。

    • 一般校:健常者と一緒に受講する訓練
    • 障害者職業能力開発校:障害者専用の訓練施設
    • 委託訓練:民間事業所に委託して実施される訓練

    主な訓練コース

    • OA事務
    • Webデザイン
    • CAD
    • 販売サービス
    • 製造・物流

    訓練期間は3ヶ月〜1年程度で、無料または低額で受講可能です。

    就労移行支援事業所の役割

    就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指す障害者をサポートする福祉サービスです。

    主なサービス内容

    • 職業訓練(パソコンスキル、事務作業など)
    • 就労準備(履歴書作成、面接練習)
    • コミュニケーション訓練
    • 体調管理・生活リズムの構築
    • 企業実習の機会提供
    • 就職後の定着支援

    利用期間は最長2年間で、障害福祉サービス受給者証があれば利用できます。

    障害者が仕事を探す際のポイント

    自己分析と適性の把握

    自身の強みと弱みの理解

    自分の強みと弱みを理解することが、適職選びの第一歩です。

    強みを見つけるポイント

    • これまでの経験で上手くいったこと
    • 他の人から褒められること
    • 長時間集中して取り組めること
    • 好きなこと得意なこと

    弱みを把握するポイント

    • 障害によって難しいと感じる作業
    • 体調が悪化する要因
    • 苦手なコミュニケーション形態
    • 環境的な制約(音、光、温度など)

    興味・関心のある分野の特定

    • 趣味日常的に楽しめること
    • これまで勉強してきた分野
    • 将来学んでみたいこと
    • 社会的な問題で関心があること

    興味・関心と仕事をつなげるには、職業興味検査などのツールも役立ちます。

    職場環境への配慮の確認

    バリアフリー設備の有無

    • 施設のバリアフリー化(スロープ、エレベーター)
    • トイレの設備(多目的トイレ)
    • 休憩スペースの有無
    • 作業スペースの配置
    • 通勤経路のアクセシビリティ

    応募前に企業見学職場体験を希望して確認することも有効です。

    柔軟な勤務時間設定のポイント

    • フレックスタイム制の有無
    • 短時間勤務の可能性
    • 休憩時間の取り方
    • 通院のための休暇制度
    • 在宅勤務の可否

    面接時に必要な配慮についてきちんと伝えることが大切です。

    コミュニケーション方法の工夫

    障害特性に応じた伝達手段

    • 聴覚障害:筆談、手話通訳、メールやチャットの活用
    • 視覚障害:音声読み上げソフト、点字資料
    • 発達障害:視覚的な指示、明確な手順書
    • 精神障害:定期的な面談、体調確認シート

    自分に合ったコミュニケーション方法を事前に考えておくことが重要です。

    職場での理解促進の取り組み

    • 自分の障害について必要な範囲で説明する
    • 必要な配慮を具体的に伝える
    • 障害者ナビなどの外部支援者を活用する
    • 定期的な面談の機会を持つ

    自分の特性を「困りごと」と「強み」の両面から伝えることが効果的です。

    キャリアプランの設計

    短期・中期・長期目標の設定

    1. 短期目標(半年〜1年):まずは就職して職場に慣れる
    2. 中期目標(1年〜3年):必要なスキルを身につける
    3. 長期目標(3年〜5年):キャリアアップや専門性の向上

    具体的な目標を立てることで、モチベーションの維持にもつながります。

    スキルアップの機会確保

    • 社内研修への参加
    • eラーニングの活用
    • 資格取得の支援制度
    • 外部セミナーへの参加
    • メンターによる指導

    障害者雇用でもキャリアアップの可能性を探ることが重要です。

    まとめ

    障害があっても、自分の能力や特性を活かせる仕事は必ずあります。大切なのは、自分自身の特性をしっかりと理解し、それに合った仕事や職場環境を見つけることです。

    就職活動は一人で悩まず、ハローワークや就労支援機関、専門のエージェントなど、様々な支援サービスを積極的に活用しましょう。

    また、障害者雇用制度や合理的配慮などの知識を身につけておくことで、自分に必要な配慮を適切に伝えられるようになります。職場でのコミュニケーションがスムーズになれば、より働きやすい環境が整います。

    何より大切なのは、自分のペースで焦らず取り組むことです。一歩一歩着実に進めば、必ず自分らしく活躍できる仕事に出会えるでしょう。