コラム

2026/06/22
  • 支援制度とお金のこと

    障害者雇用の納付金はいくら?【2026年】計算方法・申告・免除条件をわかりやすく解説

    法定雇用率を達成できていない企業が支払う「障害者雇用納付金」。「いくらかかるのか」「どうやって計算するのか」「何人雇えば免除されるのか」という疑問を持つ企業の担当者も多いでしょう。この記事では2026年時点の最新情報をもとに、障害者雇用納付金を徹底解説します。

    障害者雇用納付金とは何か

    障害者雇用納付金制度は、障害者雇用促進法に基づき、法定雇用率を達成していない企業(常用労働者100人超)が納付する制度です。雇用が進んでいる企業には「調整金」「報奨金」として返還される仕組みとなっており、障害者雇用を推進するための財源となっています。

    納付金の金額:1人あたり月額5万円

    法定雇用率に対して不足している障害者1人につき、月額5万円(年間60万円)の納付金が課されます。たとえば、雇用義務が5人なのに2人しか雇用していない場合、不足数は3人となり月額15万円、年間180万円の納付金が発生します。

    納付金の計算方法【具体例】

    ステップ1:雇用義務数を計算する

    雇用義務数 =(常用労働者数 + 短時間労働者数 × 0.5)× 法定雇用率(2026年7月以降:2.7%)
    端数は切り捨て。

    ステップ2:実際の雇用障害者数を計算する

    重度障害者(週30時間以上)は2人カウント、通常の障害者(週30時間以上)は1人カウント、短時間障害者(週20〜30時間)は0.5人カウント。2026年7月からは週10〜20時間の特定短時間障害者も0.5人カウント可能。

    ステップ3:不足数と納付金を計算する

    不足数 = 雇用義務数 − 実際の雇用障害者数(小数点以下切り上げ)
    月額納付金 = 不足数 × 5万円
    年間納付金 = 月額 × 12か月(または該当月数)

    計算例

    常用労働者200人・短時間労働者20人の企業(法定雇用率2.7%)の場合、雇用義務数 =(200 + 20 × 0.5)× 0.027 = 210 × 0.027 = 5.67 → 5人。実際に3人雇用している場合、不足数は2人。月額納付金 = 2 × 5万円 = 10万円/月(年間120万円)

    調整金・報奨金:超過雇用している企業への返還

    法定雇用率を超えて障害者を雇用している企業には、超過1人あたり月額2万9,000円の調整金が支給されます(常用労働者100人超の企業)。100人以下の企業には月額2万1,000円の報奨金が支給されます。納付金と調整金・報奨金は相殺されず、それぞれ別々に申告・受給します。

    申告・申請の手続き

    障害者雇用納付金の申告は毎年4月1日〜5月15日の間に、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)へ申告書を提出します。オンライン申告(障害者雇用納付金申告システム)も利用可能です。前年度(4月〜翌年3月)の雇用状況をもとに計算します。

    納付金を減らすためにできること

    納付金の負担を軽減するには、計画的な採用が最善策です。ハローワークへの求人票提出、障害者専門の転職エージェントへの依頼、特例子会社の設立、就労移行支援事業所との連携などの方法があります。また、週10時間以上の「特定短時間労働者」の雇用が2026年7月から新たにカウント対象となるため、短時間での採用も有効な選択肢です。

    よくある質問(FAQ)

    常用労働者100人以下の企業は納付金を払わなくていいですか?

    はい、常用労働者数が100人以下の企業は納付金の支払い義務はありません。ただし、障害者の雇用努力義務(法定雇用率の達成努力)はすべての企業に課されています。また、100人以下でも法定雇用率を超えた雇用をしている企業には報奨金が支給されます。

    納付金を払えばいいので雇用しなくてよいですか?

    納付金はあくまで「未達成の罰則的な負担」であり、「払えば雇用しなくていい」という制度ではありません。法律上は雇用率の達成が義務であり、ハローワークからの雇用指導・公表制度などの行政指導を受ける場合もあります。

    申告を忘れた場合どうなりますか?

    申告期限(5月15日)を過ぎると、機構が状況を確認し申告を促されます。正当な理由なく申告しない場合は過料が課せられる場合があります。申告が遅れた場合でもできるだけ早く申告・納付してください。

    投稿者プロフィール

    八木 洋美
    自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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