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障がい者雇用における契約社員の実態とは?正社員との違いや注意点を完全解説!
この記事の内容
障がい者雇用において、契約社員として採用されるケースは非常に多く見られます。
「まずは契約社員からスタートし、ゆくゆくは正社員を目指す」という流れを想定している企業もあれば、そもそも契約社員以上の雇用を想定していない企業も存在します。
しかし、障がい者雇用における契約社員には、正社員とは異なる特徴や注意点が数多くあります。
本記事では、契約社員として働く場合の実態と、正社員との違いについて詳しく解説していきます。
契約社員の定義
まず、契約社員とはどのような雇用形態なのか、その定義を正しく理解しておくことが重要です。
有期雇用契約の概要
契約社員とは、一定の期間を定めて雇用される働き方を指します。
一般的に「1年契約」「6か月契約」など、あらかじめ契約期間が設定されており、その期間満了と同時に雇用関係も終了するのが基本です。
【契約社員の特徴】
- 期間限定の雇用契約である
- 契約更新は企業の判断次第
- 正社員に比べて福利厚生や昇進の機会が限定的な場合が多い
- 正社員登用制度が設けられている企業もあるが、必ず登用されるわけではない
障がい者雇用においても、「まずは契約社員で勤務実績を積み、企業との相性を見て正社員登用を検討する」という流れが一般的になっています。
有期雇用契約をめぐる法改正
有期雇用契約には、労働者の不利益を防ぐためにいくつかの法的整備がなされています。
障がい者雇用の現場でも、これらのルールは適用されるため、必ず押さえておきましょう。
無期雇用契約への切り替え
【改正労働契約法】により、同一企業で有期雇用契約が通算5年を超えた場合、
労働者から申し出ることで無期雇用契約(期間の定めなし)に転換できる制度が導入されています。
【ポイント】
- 契約が更新されて通算5年を超えたとき、本人が申し出れば無期転換が可能
- 無期転換後は、雇用契約に期間の制限がなくなる
- ただし、労働条件(給与や業務内容)が正社員と同じになるわけではない
この制度により、長期的な雇用安定を目指す道も開かれていますが、
企業によっては5年満了前に雇止めを行うケースもあるため、注意が必要です。
雇止め法理の法制化
有期雇用契約であっても、繰り返し更新され、実態として安定的な雇用関係が築かれている場合には、
企業側が簡単に契約終了(雇止め)をすることができないルールが定められています。
【雇止めが無効になるケース】
- 契約更新を繰り返して長期雇用が前提になっている
- 会社から「次回も更新されるだろう」と期待させるような言動があった
- 雇止めに合理的な理由や社会通念上の相当性がない
つまり、たとえ契約期間が満了しても、正当な理由なく一方的に契約を打ち切られることはありません。
契約社員でも、一定の法的保護が受けられることを理解しておきましょう。
不当な労働条件の禁止
また、有期雇用労働者の労働条件の差別的取り扱いは禁止されています。
障がい者雇用でも例外ではなく、合理的な理由なく正社員と大きな待遇差を設けることは、違法とされるケースがあります。
【具体例】
- 同じ業務内容なのに、契約社員だけ著しく低い賃金
- 同じ成果を出しているのに、契約社員だけ評価されない
- 通勤手当や福利厚生が一方的に除外される
このような場合は、労働局の総合労働相談コーナーなどに相談し、適切な対応を求めることが可能です。
転職活動を始めるなら……?
契約社員として働く中で、「このままでいいのだろうか」と将来に不安を感じたときは、
転職活動を並行して進めるのも一つの有効な選択肢です。
【転職活動を考えるタイミング】
- 契約更新時期が近づいたとき
- 業務内容や労働条件に不満があるとき
- 正社員登用の見込みが薄いと感じたとき
- 自分の成長やキャリアアップを目指したいとき
【おすすめの転職活動の進め方】
- 障がい者雇用に特化した転職サイトを活用する
- キャリアアドバイザーに相談し、自分に合った企業を探す
- スキルアップや資格取得を並行して進める
- 在職中に次の職場を決めてから転職する(ブランクを作らない)
障害者向けに特化した求人サイトでは、契約社員ではなく最初から正社員雇用を前提とした求人も数多く掲載されています。
今の環境にこだわりすぎず、自分にとってより良い働き方を目指して行動を起こすことが、未来を切り開く第一歩となります。
契約社員と正社員の相違点
障がい者雇用において「契約社員」として働く場合と、「正社員」として働く場合とでは、
待遇や雇用条件にさまざまな違いがあります。
ここでは、具体的なポイントごとに、両者の違いを分かりやすく解説していきます。
雇用期間の定めの有無
まず最も大きな違いは、雇用期間の有無です。
【契約社員】
- 基本的に「有期雇用契約」であり、雇用期間が明確に設定されています。
- 一般的には3か月、6か月、1年単位などで契約が結ばれ、満了後に更新するか否かを判断します。
- 契約更新が前提であっても、更新されない可能性が常に存在します。
- 会社の経営状況や本人の評価によって、契約を打ち切られるリスクもあるため、安定性に欠ける側面があります。
【正社員】
- 雇用期間の定めがない「無期雇用契約」です。
- 基本的には、企業側からの一方的な解雇には厳しい制約があり、非常に高い雇用保障が受けられます。
- よほどの重大な問題がない限り、安定した長期雇用が前提となっています。
このように、「安定性」という点では正社員が圧倒的に有利です。
将来設計を立てやすいのも、無期雇用である正社員ならではのメリットといえるでしょう。
給与・賞与(ボーナス)
次に、給与や賞与(ボーナス)に関する違いです。
【契約社員】
- 月給制・時給制などさまざまですが、正社員に比べると給与水準は低めに設定されていることが多いです。
- 賞与は支給されない、あるいは寸志程度に留まるケースが一般的です。
- 昇給も限定的で、更新時に微増するか、もしくは全く昇給しないことも珍しくありません。
【正社員】
- 契約社員に比べ、初任給から高めに設定されている傾向があります。
- 定期昇給や査定による昇給制度が整備されており、長期的な収入アップが見込めます。
- 賞与(夏・冬のボーナス)が支給される企業が多く、年収ベースで大きな差が生まれやすいです。
特に障がい者雇用では、契約社員だと年収200万円前後に留まるケースが多い一方で、
正社員になると年収300万~400万円以上を目指せる道も広がってきます。
退職金制度
退職金制度の有無も、両者の重要な違いの一つです。
【契約社員】
- 原則として退職金は支給されないケースがほとんどです。
- たとえ長期間勤務していても、退職金制度の対象外であることが一般的です。
【正社員】
- 勤続年数に応じた退職金制度が設けられている企業が多いです。
- 退職金は老後資金の大きな一助となるため、将来の資産形成に大きな差が生まれます。
- 中には企業年金や確定拠出年金(DC制度)を導入している企業もあり、福利厚生が充実しています。
特に長期的なキャリアを考える際には、退職金制度の有無は大きな検討材料になります。
契約社員のままだと、老後資金の準備をすべて自力で行わなければならなくなるため注意が必要です。
福利厚生の内容
最後に、福利厚生の内容についても差があります。
【契約社員】
- 健康保険・厚生年金・雇用保険への加入は、週の労働時間や勤務年数に応じて適用されますが、
その他の福利厚生(住宅手当、家族手当、慶弔休暇など)は対象外の場合が多いです。 - 社員食堂や社内施設の利用、社内イベントへの参加なども制限される場合があります。
【正社員】
- 社会保険完備はもちろん、各種手当(住宅手当・家族手当など)が支給されることが多いです。
- 資格取得支援制度、自己啓発支援制度、社宅制度、育児・介護支援制度など、幅広い福利厚生が利用可能になります。
- ワークライフバランスを支える制度(フレックス勤務、リモートワーク推進など)も充実している場合が多いです。
正社員は、単なる「給与」だけでなく、付随する福利厚生の充実度が生活の質に大きな影響を与えることを覚えておきましょう。
障がい者雇用で契約社員が多い背景
障がい者雇用の現場では、正社員よりも契約社員としての雇用が圧倒的に多いのが現実です。
働き方の多様化が進む一方で、なぜ障がい者雇用では契約社員という形態が中心になっているのでしょうか。
その背景を理解することで、今後のキャリア形成をより現実的に考える手助けとなるでしょう。
障がい者雇用の9割近くが契約社員
厚生労働省のデータによると、障がい者雇用における正社員比率はわずか10%程度にとどまっており、
約9割が契約社員やパートタイムなど、有期雇用や短時間労働での雇用形態となっています。
【主な実態】
- 契約社員・嘱託社員・アルバイト・パートが大多数を占める
- 正社員登用制度を設けている企業は増えてきているものの、登用実績はまだ限定的
- 特例子会社や大企業でも、最初は契約社員スタートが一般的
この現実は、障がい者雇用を取り巻く「慎重な採用姿勢」と「定着リスク回避」という企業側の意識が色濃く反映されています。
【なぜ契約社員が多いのか?】
- まず短期契約で様子を見たいという企業側の意向
- 業務の範囲や難易度を限定しやすい(軽作業・事務補助など)
- 法定雇用率達成を目的とした形式的な採用
- 本人の健康状態や適応状況を見ながら雇用継続を判断するため
つまり、「まずは無理のない範囲で働き始めてみよう」という企業と本人双方の安全策として、
契約社員という形が選ばれやすいのです。
正社員雇用が少ない主な原因は離職率の高さ
障がい者雇用で正社員が少ない最大の理由は、就職後の離職率の高さにあります。
【現状】
- 障がい者の就職後1年以内離職率は約40~50%と非常に高い
- 特に精神障がい者の定着率は、他の障害種別に比べて低い傾向がある
- 企業にとって、長期雇用を前提にした採用リスクが高い
企業側としては、正社員として採用した場合、雇用保障義務が強くなり、
簡単に解雇できないため、「採用してもすぐ辞めてしまったらリスクが大きい」と慎重になるのです。
【正社員雇用に慎重な理由】
- 採用コスト・教育コストが無駄になる可能性
- 労働条件を維持する義務が生じる(賃金保障、休職制度など)
- 配置転換や業務調整が難しい場合、組織運営に支障が出る懸念
このため、まずは契約社員として一定期間勤務してもらい、
職場への適応力や業務遂行能力を見極めたうえで、正社員登用を検討する――という流れが定着しているのです。
【障害種別】就職後の定着率
障がい者の定着率は、障害種別によっても大きく異なります。
【定着率の目安(就職後1年)】
- 身体障がい者:75%前後
- 知的障がい者:65%前後
- 精神障がい者:50%前後
【傾向】
- 身体障がい者は比較的安定して長期就労できるケースが多い
- 知的障がい者は、環境や支援体制が整えば高い定着率が見込める
- 精神障がい者は、体調の波やストレス耐性の問題から離職リスクが高い
特に精神障がい者の場合は、就労継続のためにきめ細やかな配慮やサポートが不可欠であり、
企業側も採用段階で「慎重にならざるを得ない」という事情があります。
【企業側の対応傾向】
- 精神障がい者については、まず短時間勤務・契約社員からスタート
- 勤務状況や体調管理能力を見ながら、フルタイム勤務・正社員登用を検討
- 支援機関との連携や、定着支援サービスを積極的に利用する動きも広がっている
つまり、障がい者雇用においては「スタート時点で契約社員」というのは、
単なる差別や冷遇ではなく、本人と企業双方にとって合理的なリスクマネジメントである側面もあるのです。
契約社員と正社員の長所・短所の比較
障がい者雇用において、働き方の選択肢として「契約社員」と「正社員」がありますが、
それぞれにメリット・デメリットが存在します。
どちらが自分に合った働き方なのかを考えるために、ここでは契約社員の長所に焦点をあてながら、
正社員との違いについても整理していきます。
契約社員の長所
契約社員という働き方には、正社員にはない柔軟性やメリットも多く存在します。
特に障がい者雇用においては、ライフスタイルや体調に合わせた働き方ができる点が魅力となる場合も少なくありません。
ワークライフバランスの取りやすさ
契約社員は、正社員に比べて残業や休日出勤が少ない傾向があります。
あらかじめ契約で定められた労働時間内での勤務が基本となるため、
プライベートとのバランスを取りやすい環境が整っています。
【具体例】
- 通院やリハビリの時間を確保しながら働ける
- 週4勤務、時短勤務など柔軟な勤務形態が選べる場合がある
- 仕事後の時間を副業やスキルアップ、趣味の時間に充てやすい
障がい特性により体力や集中力に制限がある場合、
正社員のように長時間労働を求められない働き方は、
心身の健康維持に非常に大きなメリットとなります。
決められた業務に専念できる
契約社員は、あらかじめ限定された業務に専念できるケースが多いです。
【特徴】
- 業務範囲が明確に決められているため、過度な責任を負わされるリスクが少ない
- マルチタスクや管理業務を求められにくい
- 「この作業だけを確実にこなす」という働き方が可能
特に、精神障がい者や発達障がい者の場合、マルチタスクや曖昧な業務指示がストレス源となることがあります。
契約社員として業務範囲が限定されていることで、安心して業務に取り組めるというのは、見逃せないメリットです。
また、無理のない範囲で着実に成果を上げることで、本人の自信にも繋がりやすく、
「できることを増やしていく」という前向きなキャリア形成が可能になります。
自分に合った職場や仕事を探せる
契約社員という雇用形態は、比較的転職がしやすいというメリットも持っています。
【メリット】
- 契約期間終了後、次の職場を選びやすい
- 色々な業界・職種を経験して、自分に合った環境を見つけられる
- 「合わなかったら契約更新しない」という選択肢があるため、精神的な負担が軽い
障がい者雇用においては、職場環境や人間関係の相性が定着率に大きく影響します。
最初から「この職場でずっと働かなければ」というプレッシャーを抱えるより、
契約社員として複数の職場を経験する中で、自分に合った環境を見つけるという考え方も非常に有効です。
【実際の声】
- 「契約社員として複数社で経験を積んだことで、自分に合う働き方が分かった」
- 「失敗しても次があると思えたので、チャレンジしやすかった」
- 「契約社員を経て、最終的に正社員登用された」
このように、契約社員という選択肢は、自分の可能性を広げるキャリア戦略の一環としても十分に活用できるのです。
正社員の長所
正社員は、契約社員に比べて雇用の安定性と待遇の充実が大きな魅力です。
特に長期的なキャリア形成を考える上では、多くのメリットが存在します。
【主な長所】
- 雇用期間に定めがないため、安定した収入を得られる
正社員は無期雇用契約であり、景気の影響や業績悪化によるリストラがない限り、基本的には長期的に働き続けることができます。
収入が安定しやすく、ローン契約やライフプラン設計もしやすくなります。 - 昇給・昇進のチャンスがある
年功序列や成果主義に基づく昇給制度があり、働き続けることで収入アップが期待できます。
また、役職に就くチャンスもあり、自己成長の機会が多い点も魅力です。 - 賞与(ボーナス)や退職金制度がある
年2回のボーナス支給や、退職時の退職金制度が整備されている企業が多く、
契約社員に比べてトータルの年収・生涯賃金が高くなる傾向にあります。 - 福利厚生が充実している
住宅手当、家族手当、資格取得支援、育児・介護休業制度など、
生活をサポートする制度が豊富に用意されています。
心身ともに安心して働ける環境が整っています。
このように、正社員は**「安定」「将来性」「支援制度の充実」**といった観点から、多くの魅力を持つ雇用形態です。
契約社員の短所
契約社員にはメリットもありますが、一方でデメリット・短所も存在します。
特に長期的なキャリア形成や経済的安定性を重視する場合は、以下の点に注意が必要です。
【主な短所】
- 雇用期間に限りがある
契約満了とともに雇用が終了するため、常に更新可否の不安がつきまといます。
業績悪化や組織変更によって、更新されないリスクもあります。 - 給与・賞与が低く抑えられる傾向がある
正社員に比べて初任給が低く、賞与(ボーナス)も支給されないか、支給されても少額である場合が多いです。
長期間勤めても収入が伸びにくい傾向にあります。 - 昇給や昇進の機会が少ない
スキルアップしても昇進・昇格に直結しない場合が多く、
「頑張っても待遇が変わらない」というジレンマを抱えがちです。 - 退職金制度がないことが多い
勤続年数に関係なく、退職時にまとまった金銭的支援を受けられないため、
老後資金の準備を自力で行う必要があります。 - 福利厚生の対象外になることがある
正社員向けに用意されている手当・制度(住宅手当、育児休暇取得制度など)が、契約社員には適用されないケースもあります。
こうした点から、契約社員は**「短期的な働き方」には向いていても、「長期的な安定」には不向き**な側面があると言えるでしょう。
正社員の短所
正社員はメリットが多い反面、特有のデメリットも存在します。
働き方やライフスタイルによっては、必ずしも正社員が最適とは限らない場合もあります。
【主な短所】
- 責任範囲が広く、負担が大きい
正社員は単に業務をこなすだけでなく、部署の運営や後輩指導、業績目標達成など、
様々な責任を負う立場になることが多いです。
精神的負荷やストレスが高まる要因となり得ます。 - 労働時間が長くなりがち
プロジェクトの進捗や部署の成果に応じて、残業や休日出勤を求められることも珍しくありません。
特に管理職になると、裁量労働制やみなし残業制の適用で労働時間がブラックボックス化することもあります。 - 異動・転勤のリスクがある
正社員は会社都合での異動・転勤を命じられる可能性があります。
家庭事情やライフスタイルに合わない転勤命令がストレスになることもあります。 - 安定性に甘えてキャリア形成が停滞するリスク
一度正社員になった安心感から、自己成長への努力を怠りやすくなる場合もあります。
環境変化に弱くなり、いざ転職しようとしたときに市場価値が低下していることもあります。
つまり、正社員は「安定」と引き換えに、重い責任と自由度の低下を引き受けるという側面があるのです。
契約社員として働く際に確認しておきたい点
契約社員として働く場合、正社員と異なり、雇用条件や勤務環境においてさまざまな違いがあります。
働き始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前の確認が非常に重要です。
ここでは、契約社員として働く際に必ずチェックしておきたいポイントを整理していきます。
労働条件通知書の内容
契約社員として採用される場合、必ず「労働条件通知書」または「雇用契約書」が交付されます。
これは、企業と労働者の間で取り交わされる正式な契約内容であり、
トラブル防止のためにも必ず目を通し、不明点は事前に確認しておきましょう。
【確認すべき主な項目】
- 雇用期間(例:6か月間、1年間など)
- 契約更新の有無と条件
- 勤務地・業務内容
- 就業時間・休憩時間
- 賃金(基本給、手当、賞与支給の有無)
- 休日・休暇制度
- 退職に関する事項(自己都合退職、会社都合退職の取り扱い)
- 社会保険加入の有無
特に障がい者雇用では、業務内容や合理的配慮の範囲についても明確にしておくことが大切です。
あいまいな表現がある場合は、必ず担当者に具体的に確認しておきましょう。
給与の支払い方法
次に、給与の支払い方法とその条件をしっかり確認しましょう。
契約社員は企業によって、正社員とは異なる給与体系が設定されている場合があります。
【チェックポイント】
- 月給制、時給制、日給制のどれか
- 支払い日(例:毎月25日払い、月末払いなど)
- 支払方法(銀行振込が一般的だが、まれに現金払いを採用しているケースも)
- 賞与の有無(寸志程度支給される場合もあれば、まったく支給されないこともある)
- 昇給制度の有無とその基準
また、時給制の場合は、**労働時間の管理方法(タイムカード・システム打刻など)**や
残業代の支払い規定についても確認しておく必要があります。
給与は生活基盤を支える最重要ポイントです。
入社前にきちんと納得したうえで働き始めましょう。
休日の取得
契約社員でも、労働基準法により休日取得の権利は保証されていますが、
その内容は正社員と異なる場合があります。
【必ず確認しておきたい点】
- 週休二日制か(完全週休二日制か、一部例外ありか)
- 年次有給休暇の付与条件(6か月勤務後10日付与が基本)
- 夏季休暇、年末年始休暇などの特別休暇の有無
- 祝日の扱い(完全休みか、出勤の場合は代休か手当支給か)
- 突発的な休み(体調不良時)の取り扱いルール
特に障がい者雇用の場合、通院や体調管理のために
柔軟な休暇取得が必要となることも多いため、
「休暇取得に対する会社の理解度」も事前に確認しておきましょう。
また、契約期間中に有給休暇がきちんと使えるか、契約満了時の有給消化ルールも要チェックです。
労働時間と残業の扱い
契約社員にとって、労働時間と残業ルールの把握も非常に重要です。
入社前にこれらをしっかり理解しておかないと、思わぬトラブルに発展しかねません。
【確認すべきポイント】
- 所定労働時間(例:9:00~18:00、休憩1時間など)
- フレックスタイム制度の有無
- 残業の有無(残業ありか、基本的に残業なしなのか)
- 残業代の支払い方法(時給×1.25倍以上が法定基準)
- 深夜労働・休日出勤が発生する場合の対応
最近では、「残業ゼロ」を掲げる障がい者雇用も増えてきましたが、
部署や時期によっては、突発的な残業が発生する場合もあります。
もし残業が難しい場合は、事前に
「体調面を考慮し、残業不可」「残業は月5時間以内」
など、配慮事項を明確に伝えておくことが大切です。
障害をお持ちの方が就職活動時に利用できる支援サービス
障害をお持ちの方が就職活動を進める際、利用できる支援サービスは数多く存在します。
ひとりでの就職活動は不安や負担が大きいものですが、支援機関を活用することで、
自身の特性に合った仕事を見つけやすくなり、働き続けるためのサポートも受けられます。
ここでは、障害者の方が就職活動時に利用できる主要な支援サービスをご紹介します。
ハローワーク
まず最も代表的な支援窓口が、**ハローワーク(公共職業安定所)**です。
【特徴】
- 障害者専用の相談窓口(専門援助部門)を設置している
- 障害者雇用に理解のある企業の求人情報を紹介してもらえる
- 就職活動に関するアドバイスや模擬面接、履歴書作成支援なども受けられる
- 職場実習やトライアル雇用制度を活用できる場合も
ハローワークは全国各地にあり、地域密着型の求人情報を豊富に取り扱っています。
また、障害者手帳がなくても相談できる場合があり、柔軟に対応してくれる点もメリットです。
地域障害者職業センター
次に、専門性の高い支援を提供しているのが地域障害者職業センターです。
【特徴】
- 職業評価(アセスメント)による適性診断を受けられる
- 就職に向けた準備訓練(ビジネスマナー、コミュニケーション訓練など)を実施
- 企業実習先の紹介や職場定着支援を行う
- 就労支援の専門家(職業カウンセラー、ジョブコーチ)が常駐
「自分にどんな仕事が向いているのか分からない」「働けるか不安がある」という方にとって、
地域障害者職業センターの支援は非常に心強い存在です。
また、就職後も職場訪問をして定着支援を行うなど、アフターフォローも充実しています。
就労移行支援事業所
民間で運営されている就労移行支援事業所も、障害をお持ちの方の就職活動を強力にバックアップしてくれます。
【特徴】
- 働くために必要な知識・スキルの習得支援(ビジネスマナー、パソコンスキルなど)
- 体調管理や生活リズムの安定支援
- 企業見学、実習の斡旋
- 面接練習や書類添削などの個別支援
- 就職後の定着支援(最大3年間)
障害の有無にかかわらず、働き続けるためには一定の社会人スキルが求められます。
就労移行支援事業所では、無理のないペースで必要なスキルを身につけることができ、
実践的な訓練を経てから就職を目指せる点が大きなメリットです。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、就職支援だけでなく、
生活支援まで一体的にサポートしてくれる機関です。
【特徴】
- 就職相談と同時に、生活全般(住まい、金銭管理、健康管理など)の相談も可能
- 医療、福祉、行政、教育機関との連携支援
- 働きながら生じる問題にも柔軟に対応
- 利用料無料で、気軽に相談できる
障害のある方にとって、就労だけでなく生活の安定も同時に確保することが重要です。
センターを活用すれば、職場と生活の両面からサポートを受けながら安心して就労を続けることができます。
障害者雇用に強い求人サイト
最近では、障害者雇用に特化した求人サイトも充実しています。
たとえば、国内最大級の求人数を誇る「障害者ナビ」では、
多様な求人情報から自分に合った仕事を探すことが可能です。
【特徴】
- 全国の障害者雇用求人を網羅
- 企業側の配慮事項を事前に確認できる
- キャリアアドバイザーによる転職サポートも受けられる
- オンライン応募やWeb面談にも対応
\今すぐ自分に合った求人を探してみる/
▶︎【障害者向け求人サイト「障害者ナビ」を見る】
在宅勤務可能な求人や、無理なく働ける短時間勤務求人も豊富に掲載されているため、
ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすいのも大きな特徴です。
まとめ
障害をお持ちの方にとって、就職活動は決して簡単な道のりではありません。
しかし、ハローワークや地域障害者職業センター、就労移行支援事業所、就業・生活支援センター、
そして障害者向け求人サイトなど、豊富な支援資源を上手に活用することで、大きな支えを得ることができます。
自分一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが、成功への近道です。
まずは一歩を踏み出し、支援機関に相談することから始めてみましょう。
きっと、あなたに合った働き方が見つかるはずです。