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障害者雇用は何歳まで?中高年の転職成功のコツと長く働き続けるための対策を解説
障害者雇用において「年齢の壁」は存在するのか──。
これは中高年世代の方にとって、就職・転職活動を進めるうえで大きな関心事でしょう。
一般的に転職市場では年齢が上がるほど不利になると言われていますが、障害者雇用においては事情がやや異なります。
本記事では、障害者雇用の年齢制限の実態、中高年でも転職を成功させるためのヒント、
そして長く安定して働き続けるための対策について、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
障害者雇用の年齢に関する現状
障害者雇用の求人には年齢制限はない
まず押さえておきたいのは、障害者雇用の求人においては、原則として年齢制限が設けられていないという点です。
これは労働施策総合推進法(旧雇用対策法)により、「年齢による不当な差別的取り扱い」が法律で禁止されているためです。
【具体的なポイント】
- ハローワークを通じた求人票では、年齢に関する記載は禁止されている
- 民間の求人サイトでも「年齢不問」の表記が基本となっている
- 年齢にかかわらず、応募・選考の機会が公平に与えられることが求められている
さらに、障害者雇用枠では、法定雇用率(現行2.5%)達成の義務が企業に課されており、
企業側も年齢よりも**「障害に配慮しながら安定的に働けるか」**を重視する傾向にあります。
つまり、20代・30代だけでなく、40代・50代・60代でも、障害者枠での就職・転職を目指すことは十分に可能です。
実際、50代後半から新たなキャリアを築き始めた事例も多く見られます。
また、再雇用制度を活用して定年後も働き続けるケースや、障害を負った後に別職種で再スタートするケースも少なくありません。
「年齢が高い=採用されない」という固定観念にとらわれる必要はないのです。
ただし、年齢が上がるほど転職難易度は高くなる
一方で、現実的な側面として、年齢が上がるにつれて転職のハードルが高まるのも事実です。
【年齢が高いほど転職が難しくなる主な理由】
- 体力・健康面に不安を抱えやすい
→ 長時間勤務や重労働に耐えられるか、企業側が懸念する場合がある - 新しい技術やシステムへの適応力に差が出る
→ ITツール活用(例:チャットツール、リモートワーク環境)への対応力が求められることも - 給与水準の希望が高いと思われる
→ 企業側がコスト面で敬遠するケースがある - 過去のキャリアが逆に足かせになることもある
→ 管理職経験者の場合、一般職ポジションへのフィット感が懸念されることがある
特に50代以上では、応募段階でのふるい落としや、面接に進んでも
**「うちの会社では体力的に厳しいかも」**といった懸念を持たれやすい傾向にあります。
そのため、中高年層が障害者雇用枠で転職を目指す場合には、
「年齢」による懸念を上回るような強みや、企業側の不安を払拭できる材料を用意しておく必要があります。
【対策例】
- 体調管理への取り組みを具体的に伝える(例:定期的な運動習慣、服薬管理の徹底)
- ITスキルや新しい知識を積極的に習得していることをアピールする(例:パソコン資格取得)
- 柔軟な働き方への意欲を示す(例:「勤務地や勤務時間にこだわりません」)
- 給与面での現実的な希望を持つ(例:年齢相応の給与で可、昇給より安定重視)
さらに、「チームプレイヤーとして支え役に徹する姿勢」や、
「後輩育成の経験を活かして組織に貢献できる」というスタンスをアピールできれば、
中高年であっても十分に採用を勝ち取るチャンスがあります。
障害者雇用での求職者の年代別割合
障害者雇用枠における求職者の年齢構成は、一般の転職市場とはやや異なる傾向があります。
特に中高年層の求職者が多いことが特徴であり、就職活動において年齢に応じた対策を講じる必要があります。
ここでは、障害者雇用における年代別の求職者割合と、年齢が上がることで求職が難しくなる理由について解説します。
40代、50代以上の求職者は全体の50%以上
厚生労働省の調査データなどによると、障害者雇用枠で職を探している求職者のうち、
40代以上が過半数を占めるという傾向が続いています。
特に、40代・50代以上の求職者は全体の50%〜60%を占めるという統計もあり、
障害者雇用市場において「中高年の存在感」は非常に大きいと言えます。
【具体的な年代別割合イメージ】
- 20代:15%前後
- 30代:20%前後
- 40代:30%前後
- 50代以上:25〜30%前後
このように、40代・50代以上の求職者が全体の半数以上を占めている状況からも、
障害者雇用は若年層だけでなく、中高年層にとっても現実的な選択肢であることが分かります。
背景としては、以下のような事情が挙げられます。
【背景要因】
- 働き盛りの時期に病気や障害を発症し、キャリアを中断せざるを得なかった
- 定年延長や生涯現役社会の流れの中で、働き続けたいニーズが高まっている
- 障害認定後に再就職を目指す人が増えている
つまり、中高年になってから新たに障害を負い、働き方を変えざるを得なくなった人たちが多いのが現状です。
これにより、障害者雇用市場では、経験豊富な中高年人材が一定のニーズを持って存在しているのです。
年齢が上がると求職が難しくなる理由
しかしながら、年齢が高くなるにつれて、就職活動が難航するケースも増えてきます。
ここでは、中高年層が障害者雇用枠で求職する際に直面しやすい課題を整理します。
【主な理由】
- 体力・健康面の懸念
企業側は、安定して長期間勤務できるかどうかを重視します。
年齢が上がると、病気や体調不良による欠勤リスクが高いと見なされやすくなり、選考で不利になる場合があります。 - 最新スキルや業務知識の不足
IT技術や業務フローの変化に対応できるかが問われる時代です。
新しいツール(チャットツール、クラウドサービスなど)への対応が苦手な印象を持たれると、選考で敬遠されることもあります。 - 柔軟性・順応性への不安
「過去のやり方に固執するのではないか」という懸念が生まれやすく、
若手と協調して働く柔軟な姿勢が求められる場面で不安視される場合があります。 - 給与水準へのギャップ
「これまでのキャリアに見合った待遇を希望するのではないか」と企業側が懸念し、
コスト面から若年層を優先するケースも見られます。 - ポジションミスマッチ
管理職経験が長い人材の場合、一般社員ポジションを志望しても、
「組織内で浮いてしまうのではないか」という懸念から採用を見送られるケースもあります。
【対策として意識すべきポイント】
こうした課題に対して、中高年層が取り組むべき対策は明確です。
- 体調管理と健康意識をアピール
定期的な運動や自己管理の取り組みを伝えることで、安定就労への意欲を示す。 - スキルアップを怠らない
ITリテラシー向上(例:Word、Excel、Zoom、Slack等の習得)を図り、即戦力性をアピールする。 - 柔軟な働き方への意欲を伝える
「チームプレイヤーとして貢献できる」「役割にこだわらず組織の一員として尽力する」姿勢を積極的に表現する。 - 給与・待遇に対して現実的な希望を持つ
過去の年収にこだわらず、現在の自分に合った条件を柔軟に受け入れる準備をする。
これらを意識して活動すれば、40代・50代以降でも十分に採用を勝ち取ることが可能です。
特に障害者雇用枠では、**スキルよりも「安定して働けること」「協調して業務にあたれること」**を重視する企業も多いため、
年齢に引け目を感じることなく、前向きに就職活動を進めることが成功への近道となります。
障害別の年齢別雇用者数の割合
障害者雇用において、採用されやすい年齢層や傾向は、障害の種類によって異なります。
身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、それぞれの特性や就労支援の状況により、雇用されている年代の割合にも明確な違いが見られます。
ここでは、障害種別ごとの年齢別雇用者数の傾向について詳しく解説していきます。
身体障害者
身体障害者の雇用においては、比較的年齢層が高い傾向が見られます。
【特徴】
- 40代以上の雇用者が多い
- 特に50代以上の割合が高め
- 中途障害(病気や事故による障害発生)後に就職・転職するケースが多い
身体障害者の場合、もともと健常者として働いていた方が、障害を負って再就職するケースが一定数存在します。
そのため、40代後半〜50代、場合によっては60代で障害者雇用枠に移行する方も少なくありません。
また、企業側も身体障害については、
- 物理的な配慮(バリアフリー対応など)が明確にできる
- 職務遂行能力が安定していれば長期雇用が見込める
といった理由から、年齢を問わず採用する企業も多いのが特徴です。
【雇用者の年齢層イメージ】
- 20〜30代:少なめ
- 40〜50代:中心層
- 60代以上:一定数存在
知的障害者
知的障害者の雇用においては、若年層が中心となっています。
【特徴】
- 20代前半の雇用が圧倒的に多い
- 学校卒業後(特別支援学校卒業者)の新卒採用が主流
- 職場定着支援に力を入れている企業も多い
知的障害者の場合、特別支援学校などを卒業後、企業に就職するケースが多く、
若年段階から就労支援と企業実習を重ねて社会参加を果たすスタイルが定着しています。
そのため、就労開始年齢が低く、20代が中心となる構成になっています。
また、企業側も「若いうちから教育・指導を重ねていく」という姿勢を持っているため、
中高年層の新規採用は比較的少ない傾向にあります。
【雇用者の年齢層イメージ】
- 10〜20代:多数
- 30代:一定数
- 40代以降:少数派
精神障害者
精神障害者の雇用に関しては、比較的新しい取り組みであり、
年齢層の幅が広いという特徴があります。
【特徴】
- 20代〜40代にかけて幅広く分布
- 30代、40代の就職・転職者が比較的多い
- 社会人経験後に精神障害を発症するケースが多い
精神障害(うつ病、統合失調症、双極性障害など)は、社会人になってから発症することが多い障害種別です。
そのため、30代〜40代で障害者手帳を取得し、キャリアを見直して再就職を目指す人が多数派となります。
また、企業側も精神障害に対する理解が進んできたことで、
- 週20時間勤務スタート
- 体調に合わせた柔軟な勤務形態
などを提案し、幅広い年代層を対象とした雇用が進んでいます。
【雇用者の年齢層イメージ】
- 20代:一定数
- 30〜40代:中心層
- 50代以上:少なめ
発達障害者
発達障害者(ASD、自閉スペクトラム症、ADHDなど)の雇用は、
近年急速に広がりを見せており、比較的若年層中心となっています。
【特徴】
- 20代〜30代前半の雇用が多い
- 障害特性に応じた業務設計を行う企業が増加
- 社会人になってから診断を受けるケースも増えている
発達障害の場合、子どもの頃に診断されるケースもありますが、
近年では「大人になってから気づく」「就職後に困難を感じ診断を受ける」ケースも増えています。
そのため、20代で社会人デビュー後に発達障害が判明し、
障害者枠への転職を検討する方も少なくありません。
また、テクノロジー企業や大企業では、発達障害特性を活かした**専門職(データ入力、検品業務など)**への配属が進んでいます。
【雇用者の年齢層イメージ】
- 20代:多数
- 30代:一定数
- 40代以降:まだ少数派(だが今後増加の見込み)
障害者雇用で長く働くための対策
障害者雇用で安定したキャリアを築くためには、単に「就職する」だけでは不十分です。
年齢を重ねても、無理なく、そして長く働き続けるためには、
就職後のキャリア設計や職場環境への適応を見据えた戦略が欠かせません。
ここでは、障害者雇用で長期的なキャリアを築くための具体的な対策について解説します。
非正規雇用なら無期雇用を目指す
障害者雇用では、契約社員やパートタイムといった非正規雇用からスタートするケースが多いのが現実です。
しかし、非正規雇用は雇用期間が限定されているため、契約満了時に更新されないリスクもあります。
長く働き続けるためには、無期雇用への転換を目指すことが非常に重要です。
【無期雇用への道筋】
- 労働契約法により、有期雇用契約が5年を超えた場合、労働者から申し出ることで無期雇用に転換できる
- 勤務態度や業務遂行能力が評価されれば、企業側から無期雇用化を提案されることもある
- 無期雇用になると、更新の不安なく働き続けられ、住宅ローン審査など社会的信用も得やすくなる
ポイントは、日々の仕事に真摯に取り組み、安定就労を実績として積み重ねることです。
また、上司との面談の場などで、「長く働き続けたい意思」をしっかり伝えておくと、無期雇用転換への道が開けやすくなります。
障害者雇用で60歳・65歳以上も働く
少子高齢化が進む中、企業における高齢者の就業機会は確実に広がっています。
障害者雇用においても例外ではありません。
60歳・65歳を超えても、健康状態に問題がなければ、引き続き働き続けることが可能です。
【高年齢者雇用安定法による流れ】
- 企業は、65歳までの雇用確保措置(定年延長、継続雇用制度など)を講じることが義務付けられている
- 一定規模以上の企業では、障害者雇用においても65歳定年を採用しているケースが増加中
2024年 65歳までの雇用機会「確保」が義務化
2024年4月からは、障害者雇用においても、65歳までの雇用機会確保が義務化されます。
これにより、障害者雇用枠で働く労働者も、65歳までは原則として働き続けられる環境が整備されます。
【ポイント】
- 定年制があっても、65歳までの再雇用制度を用意する義務が企業に課せられる
- 障害者であっても、本人の希望と能力があれば、継続就労が認められる
- 再雇用後の待遇は企業ごとに異なるため、契約内容をよく確認する必要がある
つまり、「60歳定年でキャリア終了」と悲観する必要はなく、
今後は65歳まで、さらにその先も働ける時代が到来しているのです。
年齢に関係なく採用されやすい業種や職種
長く働き続けるためには、「年齢に左右されにくい仕事」を選ぶことも大切なポイントです。
【障害者雇用で年齢問わず採用されやすい業種・職種】
- 事務補助(書類整理、データ入力、郵便物管理など)
- 清掃業務(ビル清掃、オフィス清掃など)
- 軽作業(商品のピッキング、検品作業、梱包作業など)
- IT関連(テスター、データ入力業務、ヘルプデスク補助など)
- 農業分野(軽作業中心の農園補助など)
これらの職種は、体力面や年齢よりも、正確性・丁寧さ・安定勤務が重視される傾向が強いため、
50代以上でも十分にチャレンジできる可能性があります。
さらに最近では、在宅勤務可能な事務職やデータ入力職なども増えており、
体力的な負担を抑えながら、年齢を重ねても働き続けられる環境が整いつつあります。
障害者雇用の定年はあるのか
障害者雇用枠で働く場合にも、基本的には一般雇用と同様に定年制度が適用されます。
つまり、会社の就業規則に定められた定年年齢(多くは60歳または65歳)が存在します。
【障害者雇用における定年事情】
- 原則、健常者と同様の定年制度が適用される(特別な優遇措置はない)
- 定年後、本人希望と企業方針によって、再雇用制度(契約社員など)に移行できる場合が多い
- 再雇用後も、障害者雇用率のカウント対象となるため、企業側にもメリットがある
【再雇用後の働き方の特徴】
- 契約社員や嘱託社員として1年更新などの形態
- 勤務時間や業務内容が軽減されるケースが多い
- 再雇用後も一定の給与保証がされる場合があるが、条件は企業ごとに異なるため要確認
重要なのは、「定年=キャリア終了」ではなく、
再雇用制度を活用して自分に合ったペースで働き続けるという選択肢を持つことです。
40代、50代からの障害者雇用での転職成功ヒント
40代・50代で障害者雇用枠への転職を考える方は年々増えています。
「この年齢で転職できるだろうか」「障害を抱えて働ける場所はあるのか」と不安に思う方も多いでしょう。
しかし、適切な準備と情報収集を行い、ポイントを押さえて就職活動を進めれば、40代・50代でも十分に転職成功を狙うことができます。
ここでは、中高年層が障害者雇用でチャンスを掴むためのヒントを具体的に解説します。
企業が40代、50代に期待すること
まず、企業は40代・50代の障害者に対して、どのような期待を持っているのでしょうか。
若年層と異なり、中高年層ならではの強みが求められる場面も多くあります。
【企業が期待するポイント】
- 社会人経験に裏打ちされた基本的なビジネスマナー
→ あいさつ、報連相、礼儀作法など、職場の基本が自然にできるかが重視されます。 - 自己管理能力の高さ
→ 体調や勤務状況を自律的にコントロールできる人材は高く評価されます。 - チームワークを大切にできる協調性
→ 若手社員との橋渡し役や、職場内の潤滑油として期待される場面もあります。 - 腰を据えて長期就労する意欲
→ 中高年層の場合、キャリアアップよりも「安定就労」を重視する傾向があるため、企業側も安心して雇用できると考えることが多いです。
このように、年齢は必ずしもデメリットではなく、むしろ「経験値」「安定感」としてプラスに働く可能性があるのです。
法定雇用率アップなどをチャンスに
2024年4月から、民間企業に課される障害者の法定雇用率が2.5%に引き上げられました。
これに伴い、企業側はこれまで以上に障害者人材の採用を積極的に進めています。
【法定雇用率引き上げによる影響】
- 障害者雇用に前向きな企業が増加中
- 新たな障害者雇用枠の求人が次々と登場
- これまで採用を渋っていた企業も採用活動に本腰を入れ始めている
この流れは、特に40代・50代といった中高年層にとって大きなチャンスです。
なぜなら、採用枠が拡大することで、これまで年齢や経験面で不利とされていた層にも門戸が開かれつつあるからです。
特に、事務補助・軽作業・ITサポートなどの職種では、年齢よりも**「勤務態度」や「長期就労意欲」**が重視される傾向にあります。
制度改正の追い風をうまく活用し、積極的にチャレンジしていきましょう。
障害者専門の就職支援機関の利用
40代・50代での障害者雇用転職を成功させるためには、一人で抱え込まず、支援機関を上手に活用することが重要です。
障害者専門の就職支援機関を利用することで、就職活動が格段にスムーズになります。
障害者雇用就職・転職で利用できる支援サービス
ハローワーク(公共職業安定所)
全国各地にあるハローワークには、障害者専門の窓口が設置されています。
ここでは、障害者向けの求人紹介、職業相談、面接対策など、無料で幅広い支援が受けられます。
【活用ポイント】
- 地元の求人情報に強い
- 面接練習や履歴書作成サポートも対応
- 障害内容に応じた「就労支援計画書」の作成も可能
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障害者の就労を専門的に支援する機関です。
専門のカウンセラーやジョブコーチによる、より細やかな就職サポートが受けられます。
【活用ポイント】
- 職業適性検査を通じたキャリアアドバイス
- 実際に職場での支援を行う「ジョブコーチ支援制度」の利用
- 企業とのマッチングサポート
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所では、就労に必要なスキル(PC操作、ビジネスマナーなど)を学びながら、
実際の就職活動をサポートしてもらえます。
40代・50代で職歴にブランクがある場合でも、段階的に就職に向けた力を養える場です。
【活用ポイント】
- 生活リズムを整えながら就労準備
- 転職活動に向けた実践的支援
- 企業インターンシップへの参加機会もあり
障害者雇用に特化した転職サイト
最近では、障害者雇用に特化した求人情報サイトも充実しています。
スカウトサービスを利用すれば、企業側からオファーを受け取ることも可能です。
【おすすめポイント】
- 全国の障害者向け求人を一括検索できる
- 職種別・勤務地別に絞り込みが可能
- 転職エージェントによる個別サポートを受けられる場合も
→障害者求人を探すなら【障害者ナビ】のようなサイトを活用してみましょう!
年代別の転職成功ポイント
障害者雇用において転職活動を成功させるためには、自分の年代に合わせた戦略を取ることが非常に重要です。
20代、30代、40代、50代では企業が求めるポイントも異なり、また求職者側の強みや注意点も変わってきます。
ここでは、年代別に押さえておきたい転職成功のポイントについて詳しく解説します。
まずは、全体像をざっくり把握しましょう。
年代 | 求められるポイント | 注意点 |
20代 | 成長意欲・柔軟性 | 自己理解・配慮希望の整理 |
30代 | 即戦力・自己管理 | 柔軟な適応姿勢 |
40代 | 安定志向・協調性 | 高望みしない |
50代 | 健康管理・長期就労意欲 | 条件柔軟性 |
20代で転職成功のポイント
20代は、障害者雇用においても非常に採用ニーズが高い年代です。
若さゆえの柔軟性、将来性、ポテンシャルを期待されるため、積極的にチャレンジすることが重要です。
【成功のポイント】
- ポテンシャル採用を狙う
経験が浅くても、「これから成長したい」という意欲を前面に押し出すことが評価されます。 - 基本的なビジネスマナーを身につける
あいさつ、報連相、社会人としての基本動作を身につけ、第一印象を大切にしましょう。 - 障害特性の自己理解と説明ができるようにする
自分の障害特性を正しく把握し、どのような配慮が必要かを簡潔に伝えられると、企業側も安心して受け入れられます。 - 職場実習やインターンシップを積極活用
未経験であっても、実習を通じて仕事の適性を企業にアピールするチャンスを作りましょう。
【注意点】
- 「何でもできます」より、「できること・できないこと」を明確に伝えるほうが信頼されます。
30代で転職成功のポイント
30代は、社会人経験を積んだ上での転職となるため、
即戦力性と安定性が重視される年代です。
【成功のポイント】
- これまでの職歴・スキルを棚卸しする
自分がどのような業務をどのレベルでこなせるかを整理し、応募先企業に合わせてアピールポイントを最適化しましょう。 - 自己管理能力を示す
30代以降は「体調の自己管理ができるか」が特に重視されます。
「現在は安定して働ける状態である」と説明できる準備をしておきましょう。 - 柔軟な姿勢を持つ
前職のやり方に固執せず、新しい環境やルールに柔軟に対応する姿勢を示すことが評価されます。 - ブランクがある場合は正直に説明する
病気療養などで空白期間があった場合は、隠さず説明し、現在の就労意欲を強く伝えることが大切です。
【注意点】
- 転職理由をポジティブに語り、前向きな転職活動であることを印象付けましょう。
40代で転職成功のポイント
40代になると、採用市場では年齢の壁が意識され始めますが、
社会人経験の豊富さと安定志向を武器にできる年代です。
【成功のポイント】
- 腰を据えて長く働く意志をアピールする
「短期離職はしない」という意志を明確に伝えることで、企業の不安を払拭できます。 - 業務範囲への柔軟性を持つ
「役職にこだわらず、与えられた業務に真摯に取り組む」という姿勢が求められます。 - シンプルな自己PRを心がける
過去の実績を過度にアピールするより、「今、企業にどのように貢献できるか」を具体的に伝えましょう。 - 職場環境への順応性をアピール
年齢に関係なく、若い同僚とも協力し合える協調性を示すことが重要です。
【注意点】
- 高望みしすぎず、自分に合った求人を見極める冷静さも必要です。
50代で転職成功のポイント
50代は、転職市場においてハードルが高くなる一方で、
経験豊富な人材としての価値を見出されるチャンスも存在します。
【成功のポイント】
- 体力・健康状態を重視してアピールする
「年齢=体力が落ちている」という先入観を持たれがちなため、
体調管理に努め、安定就労できることを強くアピールしましょう。 - シニア世代の求人を狙う
障害者雇用でも、60歳以上を対象とするシニア向け求人は増えています。
年齢に理解のある企業を中心に狙う戦略も有効です。 - スキル・資格を武器にする
これまでの経験を活かせる職種(事務、軽作業、管理業務など)を選び、
特に資格(PCスキル、衛生管理者、フォークリフト免許など)があれば積極的にアピールしましょう。 - 転職回数が多くても誠実に説明する
たとえ転職回数が多くても、「なぜそうなったのか」「今後は腰を据えて働きたい」意志を誠実に伝えることが重要です。
【注意点】
- 完璧な条件にこだわらず、柔軟な働き方や雇用形態を選択肢に入れると、採用されやすくなります。
障害者雇用についてよくある質問
障害者雇用に関しては、年齢や障害の種類、支援サービスの利用条件など、さまざまな疑問を持つ方が多くいます。
ここでは、特に多く寄せられる質問について、分かりやすく解説します。
転職活動を始める前に疑問を解消しておくことで、よりスムーズに次のステップへ進めるでしょう。
50代の障がい者転職は難しい?
結論から言うと、50代の障がい者転職は難易度が上がるものの、決して不可能ではありません。
【難しいとされる主な理由】
- 年齢が上がると体力や柔軟性に対する不安が企業側に生じやすい
- 長期間働ける可能性が低いと見なされる場合がある
- 同じ条件であれば若手を優先する傾向がある
しかし一方で、50代には若年層にはない強みも存在します。
【50代ならではの強み】
- 長年の社会人経験に裏打ちされたビジネスマナー
- 自己管理能力や安定した勤務態度
- 若手社員を支えるサポート役としての役割
企業も即戦力や安定就労を期待しているため、
体調管理ができており、勤務意欲が高いことを示すことができれば、
50代でも十分にチャンスはあります。
さらに、最近では高齢者の就業促進が社会的にも推進されており、
「シニア歓迎」「年齢不問」などを掲げる障害者求人も増加傾向にあります。
【転職成功のコツ】
- 体力面・勤務時間に無理のない職種を選ぶ
- 長期就労への意欲をアピール
- 社会人経験を活かせるポジションを狙う
年齢を言い訳にせず、自分の強みを最大限に活かすことが転職成功の鍵となります。
障がい者雇用はどのような種類の障がいが対象?
障害者雇用は、以下のような障害者手帳の交付を受けた方が対象となります。
【対象となる主な障害種別】
- 身体障害者(身体障害者手帳所持者)
例:視覚障害、聴覚障害、上肢・下肢機能障害、内部障害(心臓・腎臓疾患など) - 知的障害者(療育手帳所持者)
例:生まれつきの知的発達の遅れにより支援が必要な方 - 精神障害者(精神障害者保健福祉手帳所持者)
例:うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)
【注意点】
- 発達障害者も、精神障害者保健福祉手帳を取得すれば対象となります。
- 障害者雇用の採用時には、手帳の提示が求められるケースがほとんどです。
また、近年では「障害の内容や程度に応じた合理的配慮」を前提とした雇用が進んでおり、
単に障害名だけで判断されるのではなく、本人の働く意欲や能力、業務適性も重視されるようになっています。
つまり、「障害の種類によって就職が不利になる」というよりも、
自分の特性を理解し、それに合った職場を選ぶことが何より大切だと言えるでしょう。
障がい者手帳なしでは障がい者特化の転職サービスは受けられない?
基本的に、障害者手帳がない場合、障害者雇用枠での応募や、障害者特化の転職支援サービスの利用は難しいのが現状です。
【理由】
- 障害者雇用枠は、企業が「法定雇用率達成」のために障害者手帳所持者を雇用する仕組みになっている
- 障害者向け転職エージェントや求人サイトは、手帳を持っている方を対象にサポートを提供している
【例外的に利用できる場合も】
一部の支援機関や企業では、
「診断書の提示」「主治医の意見書」などで、障害の状況を証明できればサポート対象になるケースもあります。
特に、就労移行支援事業所では、手帳がなくてもサービス利用可能な場合があります(要確認)。
【ポイント】
- まだ手帳を取得していない場合でも、将来的に手帳取得を予定している旨を伝えることで、
サポートが受けられる場合があるため、まずは相談してみることが大切です。 - 早めに手帳取得の手続きを進めることで、選択肢が大きく広がります。
まとめ
障害者雇用に関する疑問や不安は尽きないものですが、
それぞれのポイントを正しく理解し、対策を講じることで確実に道は開けます。
- 50代の転職も、適切なアピールと職種選びで成功できる
- 対象となる障害は身体・知的・精神の各障害手帳保持者
- 障害者雇用支援サービスを利用するには基本的に手帳が必要だが、例外も存在する
年齢や障害の種類にとらわれすぎず、
**「今、自分にできること」「未来に向けてできる努力」**に焦点を当てることが、
障害者雇用での転職成功、そして長期就労への第一歩となります。
もし不安があれば、一人で抱え込まず、ハローワークや地域障害者職業センター、
障害者特化型転職エージェントなど、専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。