- お役立ち情報
- 障害者雇用
障害者手帳なしでも障害者雇用は利用できる?制度の仕組みと働き方をわかりやすく解説

この記事の内容
障害者手帳を持たずに就職活動を進めたいと考えている方にとって、「障害者雇用枠は利用できるのか?」という疑問は非常に切実です。
実際、体調に不安があったり、障害に該当する状態であっても、手帳を取得していない方は少なくありません。
しかし、制度上、障害者雇用枠を利用するためには特定の条件が必要です。
この記事では、
- 障害者手帳がない場合、障害者雇用枠が利用できるか
- 手帳なしで働く現実的な方法
- 障害者手帳を取得するメリット
- 手帳なしでも使える就労支援制度
について、わかりやすく解説します!
これからの働き方を考えるうえで、ぜひ参考にしてください。
結論は「できない」
まず、結論からお伝えします。
障害者雇用枠は、基本的に障害者手帳がなければ利用できません。
障害者雇用促進法に基づき、企業は法定雇用率に応じて障害者を雇用する義務がありますが、その対象となる「障害者」とは、次のいずれかの証明を持つ人を指します。
- 身体障害者手帳の所持者
- 療育手帳の所持者
- 精神障害者保健福祉手帳の所持者
- 特定の医療的ケア(例:難病患者)に関する認定を受けた者
つまり、手帳がない場合、企業側も「障害者として雇用した」と正式にカウントできないため、障害者枠の求人に応募すること自体ができないのです。
これは厳密なルールであり、例外は基本的に認められていません。
「障害がある状態なのに、手帳を取っていないから応募できないの?」と不公平に感じる方もいるかもしれませんが、法制度上、手帳が障害者雇用枠利用の前提となっている点は理解しておく必要があります。
手帳なしで働く方法はある
とはいえ、手帳を持っていないからといって、まったく働けないわけではありません。
手帳がない方にも適した就労の方法は存在します。
ここでは、手帳なしで働くための現実的な選択肢を2つご紹介します。
一般枠で事前に申告する
ひとつ目の方法は、一般雇用枠で応募し、自分の障害や体調面について事前に申告するやり方です。
一般枠とは、障害の有無にかかわらず、誰でも応募できる通常の求人枠を指します。
この場合、応募書類や面接時に、「障害者手帳は持っていないが、◯◯の特性があるため、勤務にあたって配慮が必要です」と自己申告します。
たとえば、
- 通院のため、月1回の半休取得を希望する
- 長時間勤務が難しいため、時短勤務を希望する
- 集中力に波があるため、休憩時間の配慮を希望する
といった形で、必要な配慮を具体的に伝えることが大切です。
もちろん、すべての企業が柔軟に対応してくれるわけではありません。
しかし、最近ではダイバーシティ推進や働き方改革が進み、「障害に理解のある一般企業」も確実に増えてきています。
特に、IT系、クリエイティブ系、事務系職種では、柔軟な働き方を許容する企業も多く、自分に合った職場を見つけられる可能性があります。
就労移行支援事業を使って就職を目指す
もうひとつの方法が、就労移行支援事業所を利用することです。
就労移行支援とは、一般企業への就職を目指す障害者に対して、ビジネスマナーやスキル研修、就職活動支援を提供する福祉サービスです。
ここでポイントなのは、就労移行支援を利用する際、必ずしも障害者手帳が必要とは限らないことです。
自治体によっては、以下の書類のいずれかでも利用が認められる場合があります。
- 主治医による診断書
- 意見書(就労支援が必要である旨が記載されたもの)
つまり、手帳がなくても、医師の意見書さえあれば、就労移行支援を利用してスキルアップを目指し、その後、一般企業への就職を果たすことが可能なのです。
特に精神障害や発達障害など、診断を受けたばかりで手帳取得をまだ検討していない方にとっては、スムーズな社会復帰のための有力な選択肢となります。
継続には就労定着支援事業も
さらに、就労移行支援を経て一般企業に就職した後、就労定着支援というサービスを利用することもできます。
就労定着支援では、
- 就職後6か月〜3年まで、定期的な面談や職場訪問
- 企業側との調整・支援
- 生活面でのサポート(住居、健康、金銭管理など)
を受けることができ、仕事に慣れるまでの間、きめ細やかなフォローが続きます。
これにより、「せっかく就職したのに、定着できずに辞めてしまう」というリスクを大幅に下げることができるのです。
障害者手帳の種類と申請方法

障害者雇用枠での就職を目指す際や、各種支援制度を利用する際に必要となる「障害者手帳」。
一口に障害者手帳といっても、実は3つの種類があり、それぞれ対象となる障害や申請方法が異なります。
正しく手帳を取得することで、就職支援、福祉サービス、税制優遇、公共交通機関の割引など、多くの支援を受けられるようになります。
ここでは、障害者手帳の種類とそれぞれの申請方法について、わかりやすく解説します。
■ 身体障害者手帳
身体障害者手帳とは?
身体障害者手帳は、身体に障害のある方に対して交付される手帳です。
障害の種類や程度に応じて、1級から6級までの等級が定められています(1級が最重度)。
対象となる障害には、次のようなものがあります。
- 視覚障害(例:視力・視野の障害)
- 聴覚障害(例:聴力低下、平衡機能障害)
- 肢体不自由(例:手足の運動障害、欠損)
- 心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸、肝臓機能障害
- 免疫機能障害(例:HIV感染による障害)
身体障害者手帳を持つことで、障害者雇用枠での応募資格を得られるほか、交通機関の割引や税制優遇、公共施設の利用料減免など、さまざまな支援が受けられます。
身体障害者手帳の申請方法
申請の流れは以下の通りです。
- 医師に診断書を書いてもらう
身体障害者福祉法に基づく「指定医師」による診断書が必要です。
通常は障害の種類ごとに専門の指定医が定められています。 - 市区町村の窓口(福祉課など)に申請書類を提出する
申請書、診断書、顔写真(縦4cm×横3cm程度)、本人確認書類が必要です。 - 審査・認定後、手帳が交付される
審査には通常1〜3か月程度かかります。
更新は基本的に不要ですが、障害状態が改善・悪化した場合は再認定手続きが必要です。
■ 療育手帳
療育手帳とは?
療育手帳は、知的障害のある方に交付される手帳です。
障害の程度によって、「A(重度)」と「B(中軽度)」の区分が設けられています(自治体によってさらに細分化される場合もあります)。
対象となるのは、次のような状態の方です。
- 18歳未満で知的障害と診断された
- IQが概ね70以下
- 日常生活に一定の支援が必要
療育手帳を取得することで、障害者雇用枠への応募、公共交通機関の割引、福祉サービスの利用、税金控除など、幅広い支援が受けられます。
療育手帳の申請方法
申請の流れは以下の通りです。
- 市区町村の福祉課に相談する
担当窓口で療育手帳の申請意思を伝え、必要書類の案内を受けます。 - 知能検査・面接を受ける
自治体指定の機関(児童相談所、知的障害者更生相談所など)で、知能検査や日常生活能力の調査を受けます。 - 審査・判定後、手帳が交付される
判定結果に応じて区分が決まり、手帳が交付されます。
療育手帳は、18歳未満で取得した場合、成人後に再判定が求められる場合があります。
■ 精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳とは?
精神障害者保健福祉手帳は、精神障害のある方に対して交付される手帳です。
対象となる障害には、次のようなものがあります。
- 統合失調症
- うつ病、双極性障害(躁うつ病)
- 不安障害、パニック障害
- 発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)
- 高次脳機能障害(事故や病気による脳損傷後遺症)
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
障害の程度に応じて、1級〜3級に区分されます(1級が最重度)。
この手帳を取得することで、障害者雇用枠の応募資格を得られるほか、税制優遇、公共交通割引、公共料金の割引などの支援が受けられます。
精神障害者保健福祉手帳の申請方法
申請の流れは以下の通りです。
- 主治医に診断書を作成してもらう
もしくは、障害年金の受給証明(障害基礎年金・障害厚生年金)を提出することも可能です。 - 市区町村の福祉課に申請する
申請書、診断書または年金証書、顔写真、本人確認書類を提出します。 - 審査・認定後、手帳が交付される
審査には通常1〜2か月程度かかります。
精神障害者保健福祉手帳は、原則として2年ごとの更新が必要です。
更新時には再度、診断書または障害年金受給の継続証明が求められます。
障害者手帳取得のメリット

障害者手帳を取得することには、就職や生活においてさまざまなメリットがあります。
とはいえ、「手帳を取ることで周囲に障害を知られるのではないか」「手帳を持つことで不利益があるのでは」と不安に思う方も少なくないでしょう。
実際には、障害者手帳を取得することで得られる支援や制度の恩恵は非常に大きく、生活の質を高め、将来の選択肢を広げるうえでも有効な手段となります。
ここでは、身体障害者・精神障害者それぞれの立場から、手帳取得の具体的なメリットを詳しく解説していきます。
身体障害者の方が障害者手帳を取得するメリット
1. 障害者雇用枠での就職が可能になる
身体障害者手帳を持っていることで、障害者雇用枠での求人に応募できるようになります。
一般枠よりも競争が緩やかであり、障害への理解がある企業が対象となるため、安心して働ける職場を見つけやすくなります。
また、企業側も法定雇用率の達成を目指して障害者採用を積極的に行っているため、採用の可能性も高まります。
2. 税制上の優遇が受けられる
手帳を取得すると、所得税・住民税の障害者控除を受けることができます。
具体的には、障害者控除額として所得から一定額が控除されるため、毎年支払う税金を減らすことが可能になります。
また、配偶者や扶養家族が障害者である場合も、扶養控除の金額が増額されるケースがあります。
3. 公共交通機関の割引
身体障害者手帳を提示することで、バス・電車・航空機などの公共交通機関の割引制度を利用できます。
たとえば、
- JRの運賃割引(本人および介護者)
- 路線バス・地下鉄の割引
- タクシー料金の割引
など、移動コストを大幅に抑えられるため、通院や外出の負担軽減に大きく役立ちます。
4. 福祉サービスの利用が広がる
障害者手帳を取得することで、以下のような福祉サービスの対象になります。
- 補装具の支給(義足、車いす、補聴器など)
- 在宅介護サービス
- 住宅改修費の助成(バリアフリー化工事など)
- 医療費助成制度の利用
生活の幅を広げ、より自立した暮らしを支援してもらえる体制が整います。
5. 各種割引制度や優待
その他にも、
- 美術館・博物館・映画館の入場料割引
- 高速道路の通行料割引(ETC利用)
- 携帯電話料金の割引プラン
など、日常生活をサポートする各種優遇が受けられる点も見逃せません。
精神障害者の方が障害者手帳を取得するメリット
1. 障害者雇用枠で安定的に働ける
精神障害者保健福祉手帳を取得する最大のメリットは、精神障害のある方も障害者雇用枠での就職が可能になることです。
近年では、精神障害に理解を持つ企業が増えており、
- 勤務時間の柔軟対応
- 通院配慮
- 業務負荷の調整
など、精神特性に応じた働き方を提案してくれる職場も珍しくありません。
また、精神障害者枠で採用されることで、体調に波があることへの配慮や、就労継続を重視した人事評価を受けやすくなり、長期的な就労が現実的な選択肢になります。
2. 医療費助成制度の活用
自治体によっては、精神障害者保健福祉手帳を持っていると、**自立支援医療制度(精神通院医療)**を利用できるようになります。
この制度を利用すると、
- 精神科通院にかかる自己負担が1割に軽減
- 継続的な通院治療費が大幅に減額
され、治療を続けやすくなるため、体調管理にも大きく貢献します。
3. 税金・公共料金の軽減
精神障害者手帳を所持していると、所得税・住民税の障害者控除の対象になり、税負担を軽減できます。
さらに、電気・ガス・水道などの公共料金割引が適用される自治体もあり、生活コストを抑えられるメリットもあります。
4. 社会参加のハードルが下がる
精神障害は外見からわかりにくいため、周囲の理解を得るのが難しい場面もあります。
しかし、手帳を持つことで、正式に障害者として認められ、各種支援制度の利用対象となるため、社会との接点を持ちやすくなる点も大きなメリットです。
たとえば、
- 福祉施設の利用
- 障害者向けの各種講座・イベントへの参加
- ボランティア活動への支援
など、社会的な孤立を防ぎ、生活の幅を広げるきっかけになります。
障害を持つ人が選べる働き方

障害を持ちながら就職活動を進める場合、「どのような働き方を選ぶか」は非常に重要なポイントになります。
働き方の選択によって、就労環境、職場で受けられる配慮、キャリア形成の仕方が大きく変わるからです。
現在、障害を持つ方が選べる主な働き方は、オープン就労、クローズ就労、そしてその中間に位置するセミオープン就労の3つに分類されます。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った働き方を選ぶことが、無理なく長く働き続けるための鍵となります。
ここでは、3つの働き方についてわかりやすく解説していきます。
■ オープン就労
オープン就労とは?
オープン就労とは、自分が障害者であることを職場に開示したうえで働くスタイルを指します。
つまり、採用時または在職中に、障害の種類や特性、必要な配慮について企業側に伝えたうえで就労する方法です。
オープン就労では、障害者雇用枠での採用が基本となり、法定雇用率達成のために障害者を積極的に受け入れている企業で働くことが多くなります。
メリット
- 障害への配慮が受けられる
通院配慮、勤務時間の調整、業務内容の工夫など、個別の事情に合わせた支援が受けられる可能性が高いです。 - 職場に理解がある
障害者雇用に積極的な企業では、障害特性に対する教育が進んでおり、周囲の理解も得やすい環境が整っています。 - 無理なく働ける
体調に合わせた柔軟な働き方が可能なため、無理をして悪化させるリスクが低減します。
デメリット
- 給与や昇進面で差がつく場合がある
障害者枠では、職務内容が限定的だったり、一般社員と同様の昇進ルートに乗りにくい場合もあります。 - 障害があることを理由に評価される可能性がある
特に制度が整っていない企業では、「障害があるからこの程度で仕方ない」と見られるリスクもあります。
■ クローズ就労
クローズ就労とは?
クローズ就労とは、自分の障害を企業に開示せず、一般雇用枠で働くスタイルです。
一般の求職者と同じ条件で選考を受け、同じ職場環境・基準のもとで働きます。
障害者手帳を持っていても、申告しなければ一般雇用枠での採用となり、周囲に障害が知られることはありません。
メリット
- 給与・待遇に差が出にくい
一般社員と同じ基準で評価されるため、昇給・昇進のチャンスも平等に与えられます。 - キャリアアップがしやすい
障害の有無に関係なく、実績やスキルに応じたキャリアパスを目指すことが可能です。 - 障害に関する偏見や差別を受けにくい
障害を開示しないため、障害に基づく特別な扱いを受けずに済みます。
デメリット
- 配慮が受けられない
体調悪化時や特性に応じた配慮が必要な場面でも、サポートを受けられない可能性があります。 - 体調管理が自己責任になる
無理をして働き続けた結果、二次障害を引き起こすリスクが高まることもあります。 - 環境によっては定着が難しい
障害特性に合わない職場環境だと、長く働き続けることが難しくなるケースもあります。
■ セミオープン就労
セミオープン就労とは?
セミオープン就労は、障害の存在を一部の人(例えば直属の上司や人事担当者など)だけに開示し、他の社員には非開示で働くスタイルです。
オープンとクローズの中間に位置する働き方といえます。
たとえば、面接時に人事担当者に障害内容を説明し、配慮をお願いしながら、現場の同僚には障害を伏せて勤務する、というケースが該当します。
メリット
- 必要な配慮を受けながら、一般社員と同じように働ける
最低限のサポートを受けつつ、他の社員との違和感を最小限にできるため、職場に自然に溶け込むことができます。 - 偏見を受けにくい
同僚に障害を開示していないため、障害に基づく偏見や過剰な配慮を受けずに済みます。 - 体調不良時にサポートが得られる
上司や人事が事情を把握しているため、必要時には勤務調整や業務配慮を相談できます。
デメリット
- 情報管理の難しさ
どこまで、誰に、どのタイミングで障害を開示するかを慎重に判断する必要があります。 - 配慮が不十分な場合もある
現場レベルで理解がない場合、想定していた配慮が受けられず、働きづらさを感じることもあります。
手帳なしでも利用できる支援制度
障害者手帳を持っていない場合でも、就労支援を受けることは可能です。
「手帳がないから支援を受けられないのでは」と心配される方も多いですが、実際には手帳の有無にかかわらず利用できる支援制度も数多く存在します。
ここでは、手帳がなくても利用可能な主な支援制度について詳しくご紹介します。
これらの制度を上手に活用すれば、無理なく、そして自分らしく働き続けるための環境を整えることができます。
■ 就労移行支援
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害のある方を対象に、職業訓練や就職活動支援を行う福祉サービスです。
原則として障害者手帳を持っている方が対象ですが、手帳を持っていなくても、医師の意見書や診断書があれば利用できる場合があります。
【主なサポート内容】
- ビジネスマナー研修(挨拶、電話応対、メール対応など)
- パソコンスキル習得(Word、Excel、PowerPoint)
- グループワークでのコミュニケーション訓練
- 応募書類作成サポート
- 企業実習・職場見学
- 面接対策
利用期間は原則2年間。期間中に就職が決まることを目指し、個々の特性に合わせた支援計画が立てられます。
「いきなり就職は不安」という方にとって、安心して社会復帰へのステップを踏めるサービスです。
■ 就労定着支援
就労定着支援は、就職後も安定して働き続けられるよう、生活面・職場面の両方からサポートする福祉サービスです。
【主なサポート内容】
- 就職後6か月〜3年間の継続支援
- 定期的な面談による職場での困りごとの把握
- 企業との間に立った調整支援
- 生活面(住居、金銭管理、健康管理)の相談対応
こちらも、手帳がなくても医師の意見書などによって利用が認められる場合があります。
「せっかく就職できても長続きするか不安」という方には特に心強い制度であり、仕事と生活の両面からサポートを受けながら安定就労を目指すことができます。
■ ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)では、障害者専用窓口が設置されており、障害のある方の就職活動を専門的にサポートしています。
この障害者窓口の利用についても、手帳の有無が絶対条件ではありません。
【ハローワークで受けられる支援】
- キャリアカウンセリング
- 求人紹介(障害者枠・一般枠両方)
- 応募書類作成アドバイス
- 模擬面接
- 障害特性に応じた配慮依頼書の作成
場合によっては、トライアル雇用制度(一定期間のお試し雇用後に本採用)を利用できることもあり、職場適応の機会を得やすくなります。
ハローワークでは、手帳の有無にかかわらず、「就職に困難を抱える方」という観点から柔軟に対応してもらえるため、まずは一度相談に訪れることをおすすめします。
■ 障害者職業センター
障害者職業センターは、より専門的な職業リハビリテーションサービスを提供する機関です。
こちらも、原則障害者手帳を持つ方が対象ですが、医師の診断書などがあれば利用できる場合があります。
【提供される主な支援内容】
- 職業評価(適性検査)
- 職業訓練計画の作成
- ジョブコーチ支援(職場への定着支援)
- 雇用主へのアドバイス
「自分にどんな仕事が向いているのか知りたい」「職場定着に不安がある」という方にとって、非常に有益な支援を受けられる機関です。
専門的なサポートが充実しているため、より的確なキャリア設計をしたい方に向いています。
■ 障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センター(通称「ナカポツ」)は、障害のある方の就業と生活の両面を一体的にサポートする施設です。
こちらも、手帳を持たない方でも、支援が必要と判断されれば利用対象となります。
【ナカポツで受けられる支援内容】
- 就職に向けた相談・支援
- 生活リズムの整備支援
- 通院や福祉サービス利用に関する調整
- 就職後の職場定着支援
地域に密着した支援体制をとっているため、生活面でのサポートが手厚いのが特徴です。
仕事だけでなく、生活全般の安定を目指したい方には特に心強い存在といえるでしょう。
まとめ
障害者手帳を持っていない場合でも、働くための支援は決して閉ざされているわけではありません。
- 就労移行支援でスキルアップと社会復帰を目指す
- 就労定着支援で働き続けるためのサポートを受ける
- ハローワークで求人紹介や就職活動支援を受ける
- 障害者職業センターで職業適性を診断しキャリア設計を立てる
- 障害者就業・生活支援センターで生活面からも支援を受ける
これらの制度を上手に活用することで、たとえ手帳がなくても、自分らしく、安心して働き続ける未来を切り拓くことができます。
まずは一歩踏み出して、身近な支援機関に相談してみましょう!