2025/04/25
  • お役立ち情報
  • 障害者雇用

    障害者の在宅勤務とは?向いている職種や1日の流れ、メリットをわかりやすく解説

    この記事の内容

    通勤の負担が大きい、体調に波がある、こうした理由で働き方に悩む障害者の方にとって、在宅勤務は非常に大きな味方となり得ます。
    特に近年は、企業側も多様な働き方を積極的に取り入れるようになり、障害者雇用においても在宅勤務のニーズは急速に高まっています。

    本記事では、在宅勤務の基本知識から、障害者の方にとってのメリット、さらに具体的な職種や1日の流れまで、詳しく解説していきます。


    在宅勤務の種類と特徴

    まず、ひとことで「在宅勤務」と言っても、その形態にはさまざまなバリエーションが存在します。
    ここでは代表的な分類と、それぞれの特徴を整理しておきましょう。


    在宅ワークとは

    在宅ワークとは、自宅を拠点として働くスタイルの総称です。
    一般的には、オフィスに通勤せず、自宅から業務を遂行する働き方を指します。

    テクノロジーの発達により、インターネットを活用した業務が主流となり、対面での打ち合わせや出社を必要としない仕事も増えてきました。

    在宅勤務とリモートワークの違い

    • 在宅勤務
       企業に雇用され、基本的に「自宅」で業務を行う形態です。雇用契約上の勤務先が「自宅」と明記されるケースもあります。
    • リモートワーク
       より広い概念で、自宅以外にもカフェ、コワーキングスペース、地方の実家など「オフィス以外の場所」で働くスタイル全般を指します。

    在宅勤務はリモートワークの一種ですが、特に自宅を拠点にする点が強調されるのが特徴です。

    テレワークとサテライトオフィス

    • テレワーク
       ICT(情報通信技術)を活用して、時間や場所にとらわれず働く仕組み全般を指します。
       在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3つに分類されます。
    • サテライトオフィス
       本社オフィス以外に設置された小規模拠点で勤務するスタイルです。
       完全在宅が難しい場合の中間的な選択肢として活用されています。

    在宅勤務はテレワークの一形態にあたるため、企業によっては「テレワーク制度」という名称で募集している場合もあります。


    内職と在宅ワークの違い

    在宅でできる仕事というと、昔からある「内職」を思い浮かべる方もいるかもしれません。
    しかし、現代の在宅ワークとは大きく異なる点があります。

    【内職の特徴】

    • 手作業中心(部品組み立て、シール貼りなど)
    • 出来高払い(成果物1点ごとの報酬)
    • 賃金水準が比較的低い
    • 業務内容が単純で単調になりやすい

    【在宅ワークの特徴】

    • PCやインターネットを活用したデスクワーク中心
    • 時給制や月給制での雇用契約が一般的
    • 専門スキルが活かせる仕事が多い
    • 労働条件が労働基準法に則って整備されている

    つまり、在宅ワークは「しっかりとキャリアを築ける働き方」であり、単なる副業的な内職とは明確に区別されるべきものです。


    在宅勤務のメリット

    障害者の方にとって、在宅勤務には数多くのメリットがあります。

    【1】通勤負担がゼロになる
    電車やバスでの通勤は、体調への負荷が非常に大きいもの。
    在宅勤務なら、その負担を丸ごとカットできます。

    【2】体調管理がしやすい
    疲れたらすぐに横になれる、体調に合わせて業務スケジュールを調整できるなど、無理のない働き方が可能です。

    【3】周囲の目を気にせず働ける
    障害の見た目や配慮事項に関して、過度に周囲を気にせず、自分のペースで仕事に集中できます。

    【4】キャリア形成が可能
    データ入力、カスタマーサポート、ライティング、デザインなど、専門スキルを活かした在宅業務も増えており、キャリアアップを目指すこともできます。

    【5】柔軟な働き方が実現できる
    一部在宅・一部出社というハイブリッド型勤務も選べるケースが増え、生活スタイルに合わせた働き方を選びやすくなっています。


    在宅勤務に向いている職種例

    • データ入力
    • カスタマーサポート(メール対応・チャットサポート)
    • コールセンター(インバウンド業務)
    • Webライティング・編集
    • グラフィックデザイン
    • プログラミング・システム開発
    • 経理・人事・総務の一部業務(バックオフィス)

    いずれも、PCスキルやコミュニケーションスキルがあればチャレンジしやすい職種です。
    企業側も、障害者の方に向けた在宅勤務求人を積極的に増やしているため、希望に合った仕事を探すチャンスは広がっています。


    在宅勤務の1日の流れ(例)

    ここで、実際に在宅勤務をしている障害者雇用の方の、1日のモデルケースをご紹介します。

    【例】在宅データ入力業務の場合

    時間内容
    9:00業務開始(PC起動、タスク確認)
    10:30小休憩(ストレッチ、軽食)
    12:00昼休憩(自宅でリラックス)
    13:00午後の作業スタート
    15:00体調チェックと休憩
    16:00業務終了・報告書提出

    体調に合わせて休憩を挟みながら、自分のリズムで働くことができるのが、在宅勤務最大の魅力です。

    障害者にとっての在宅勤務のメリットとデメリット

    近年、障害者雇用における在宅勤務のニーズは年々高まっています。
    テレワークの普及により、自宅で働く選択肢が拡がったことで、通勤に伴う負担を抱えていた障害者の方にとっても、新しい働き方が現実的なものになってきました。

    しかし、在宅勤務には多くのメリットがある一方で、課題やデメリットも存在します。
    今回は、障害者の視点から見た在宅勤務のメリットとデメリットを整理し、それぞれの特徴を深掘りしていきます。


    メリット

    通勤による制約からの解放

    障害を持つ方にとって、毎日の通勤は大きな負担となることが少なくありません。
    特に、公共交通機関のバリアフリー化が進んでいるとはいえ、移動時の体力消耗や、天候によるリスク、不特定多数との接触によるストレスなど、さまざまな課題がつきまといます。

    在宅勤務なら、これらの問題から完全に解放されます。

    • 体力的負担の軽減
       無理な移動が不要となり、業務に集中できるエネルギーを温存できます。
    • 時間的ゆとりの確保
       通勤時間がゼロになることで、余裕を持った生活リズムが作りやすくなります。
    • 感染症リスクの低減
       外出機会が減るため、免疫力が低下しがちな方でも、感染症リスクを最小限に抑えられます。

    これらは、単なる利便性の向上ではなく、働き続ける上での健康維持に直結する重要な要素といえるでしょう。


    自分に合った環境での仕事

    在宅勤務では、自宅という慣れ親しんだ空間で仕事を行えるため、障害特有の配慮をスムーズに反映できます。

    • 作業姿勢や設備を自由に調整できる
       高さ調整可能なデスク、腰や背中への負担を軽減するチェア、空調管理など、自分に最適な環境を整えられます。
    • 体調管理がしやすい
       体調に合わせて休憩時間を柔軟に設定したり、必要に応じて横になることも可能です。
    • ストレスフリーな人間関係
       オフィス特有の雑音や人間関係のストレスから一定距離を置き、自分のペースで業務に集中できます。

    このように、自宅環境をカスタマイズできる点は、障害を持つ方にとって非常に大きなアドバンテージです。
    働く場所に左右されず、自分らしい働き方を追求できるのが、在宅勤務の大きな魅力と言えます。


    デメリット

    求人数の少なさと年収の低さ

    在宅勤務の障害者向け求人は、確実に増加傾向にあるとはいえ、依然として選択肢は限られています。

    【主な課題】

    • 在宅勤務可能な職種に偏りがある
       データ入力、カスタマーサポート、ライティング、システム開発など、特定分野に集中しがちです。
    • 雇用形態が限定されがち
       正社員登用よりも、契約社員、パートタイム、業務委託などの非正規雇用が中心になるケースも少なくありません。
    • 年収水準が低めに設定される傾向
       労働時間の短縮、成果型報酬などにより、オフィス勤務に比べ年収が下がるリスクがあります。

    また、企業側にとっても、在宅勤務の障害者雇用はまだ制度設計段階であり、ポジション創出やマネジメント体制の整備が追いついていないケースも散見されます。

    そのため、「希望の仕事が見つからない」「安定収入を得にくい」という問題に直面する可能性があることは、事前に理解しておく必要があります。


    私生活と仕事の切り替えの難しさ

    在宅勤務は、働く場所と暮らす場所が同じであるがゆえに、私生活と仕事の境界線が曖昧になりやすいというデメリットも抱えています。

    【主な影響】

    • オンとオフの切り替えが難しい
       仕事モードに入りづらかったり、逆に就業時間後も仕事のことが気になってしまうことがあります。
    • 自己管理能力が強く求められる
       勤務時間の自己管理、業務進捗のセルフマネジメントが必要不可欠となります。
    • 孤独感・社会的孤立のリスク
       同僚との雑談やランチタイムといった日常的な交流が減るため、孤独感を覚えるケースも少なくありません。

    このため、在宅勤務を長期間続ける場合は、「仕事専用スペースを確保する」「スケジュール管理アプリを活用する」「意識的にオンラインミーティングに参加する」など、意図的な工夫が不可欠です。

    障害者に向いている在宅勤務の職種

    在宅勤務は、障害を抱える方にとって無理なく働き続けるための有力な選択肢です。
    しかし、在宅勤務に向いている職種には一定の傾向があり、自分に合った仕事選びが重要になります。

    本記事では、「専門スキルを活かせる職種」「基本的なPCスキルでできる職種」「スキル不要で始められる軽作業」に分けて、障害者に向いている在宅勤務の職種を詳しく紹介していきます。


    専門スキルを活かせる職種

    高度な専門知識や技術を持っている方は、在宅勤務でも十分にそのスキルを活かし、安定した収入を得ることが可能です。


    エンジニアや翻訳

    エンジニア(システム開発・プログラミング)

    • 仕事内容
       システム設計・開発、アプリケーション開発、保守運用など。
    • 求められるスキル
       Java、Python、PHP、Rubyなどのプログラミング言語の習得。
       システム開発経験やチーム開発経験があれば、より優位です。
    • メリット
       在宅で完結するプロジェクトも多く、専門性が高いため高収入も狙えます。

    エンジニア職は需要が非常に高く、リモート環境で働くことが一般化しているため、障害者雇用枠でも積極採用されるケースが増えています。

    翻訳

    • 仕事内容
       ビジネス文書、マニュアル、ウェブサイト、書籍などの翻訳業務。
    • 求められるスキル
       英語、中国語、韓国語、ドイツ語などの高度な語学力と、専門分野(医療、法律、ITなど)への理解。
    • メリット
       自宅で黙々と作業できるため、体調に合わせた働き方がしやすいです。

    翻訳は成果物重視のため、勤務時間に縛られにくく、自分のペースで進められる点が大きな魅力です。


    Webデザイナーやプログラマー

    Webデザイナー

    • 仕事内容
       Webサイトやバナー広告、LP(ランディングページ)のデザイン制作。
    • 求められるスキル
       Photoshop、Illustrator、Figma、XDなどのデザインツールスキル。
       HTML/CSSの基本知識があると尚良し。
    • メリット
       クリエイティブな仕事を在宅で完結できるため、ストレスを最小限に抑えられます。

    ポートフォリオを作成しておくと、企業へのアピール力が格段に高まります。

    プログラマー

    • 仕事内容
       Webアプリや業務システム、スマホアプリの開発。
    • 求められるスキル
       基本的なプログラミング知識、フレームワークの理解(Laravel、Reactなど)。
    • メリット
       在宅勤務を前提とした案件も多く、長期的なキャリア形成が期待できます。

    プログラマーは実力勝負の世界でもあり、障害の有無に関係なくスキルと成果で評価されるため、やりがいを感じやすい職種です。


    基本的なPCスキルで可能な職種

    特別な専門スキルがなくても、基本的なパソコン操作ができれば挑戦できる職種も数多くあります。


    データ入力やライティング

    データ入力

    • 仕事内容
       エクセルや専用システムを使ったデータの入力・管理。
    • 求められるスキル
       タイピングスキル、基本的なエクセル操作(SUM関数程度)。
    • メリット
       体への負担が少なく、決まった作業をコツコツ進めるのが得意な方に向いています。

    単純作業が中心なので、集中力を保てる環境を作れば高い生産性が発揮できます。

    ライティング

    • 仕事内容
       ブログ記事、商品説明文、SEOコンテンツ、マニュアル作成などの文章作成。
    • 求められるスキル
       日本語文章力、構成力、テーマに沿ったリサーチ力。
    • メリット
       クリエイティブ要素があり、自分のペースで進めやすい仕事です。

    未経験からスタートできる案件も多く、経験を積めば単価アップも目指せます。


    人事アシスタントや一般事務

    人事アシスタント

    • 仕事内容
       採用サポート、応募者データ管理、面接スケジュール調整など。
    • 求められるスキル
       ビジネスメール作成能力、エクセル・Word操作。
    • メリット
       対人コミュニケーションが得意な方に向いており、在宅でも人と関わる仕事ができます。

    一般事務

    • 仕事内容
       書類作成、データ整理、メール応対などオフィスサポート業務。
    • 求められるスキル
       基本的な事務スキル、ビジネスマナー。
    • メリット
       多くの企業が在宅事務スタッフを募集しており、選択肢が豊富です。

    スキル不要の軽作業

    「難しいパソコンスキルには自信がない」という方でも取り組める軽作業も、在宅勤務の選択肢の一つです。


    書類の封入など

    • 仕事内容
       書類の仕分け、封入、発送準備といった軽作業を自宅で行う仕事です。
    • メリット
       単純作業が中心で、マイペースに作業できるため体力的負担が少ないです。

    一部企業では、資材の配送・回収もセットでサポートしてくれるため、安心して取り組めます。


    テレアポ

    • 仕事内容
       電話を使って商品・サービス案内を行うアウトバウンド業務。
    • 求められるスキル
       電話応対マナー、基本的な営業トークスキル。
    • メリット
       自宅からスムーズにでき、成果に応じてインセンティブが得られる場合もあります。

    体調に応じてシフト調整できる案件も多いため、無理なく続けやすい点が魅力です。

    在宅勤務の求人事例と給与

    在宅勤務は、障害者雇用においても選択肢が広がりつつある働き方のひとつです。
    しかし、在宅勤務と一口に言っても、職種や業務内容によって給与水準や働き方のスタイルは大きく異なります。
    今回は、実際に募集されている在宅勤務求人の職種別に、仕事内容や給与の目安をご紹介します。
    自分に合った働き方を考える参考にしてください。


    エンジニアと IT 技術職

    ITエンジニアや技術職は、在宅勤務との相性が非常に良く、高年収を狙いやすい代表的な職種です。

    【主な仕事内容】

    • システム開発(フロントエンド・バックエンド)
    • サーバー構築・運用・保守
    • アプリケーション開発
    • Webサイト制作・管理
    • クラウドインフラの設計・管理

    【給与目安】

    • 月給:25万円〜60万円程度(スキル・経験による)
    • 年収:350万円〜800万円以上も可能
    • 業務委託案件では、1プロジェクト単位の報酬制もあり

    【求人例】

    ▶ 在宅勤務可能なITエンジニア募集!フルリモート・自社サービス開発/月給30万円〜

    エンジニア職は経験者優遇が多いですが、プログラミングスクール卒業生や独学者向けの求人も増えており、チャンスは広がっています。
    また、プロジェクトごとに在宅勤務可否が決まる場合もあるため、求人詳細をよく確認しましょう。


    人事アシスタントと一般事務

    オフィスワーク系の在宅求人も、障害者雇用枠で増えています。
    体力負担が少なく、マルチタスクに自信がある方におすすめです。

    【主な仕事内容】

    • 応募者対応(メール・電話)
    • スケジュール調整
    • 入社手続きサポート
    • 書類作成・管理
    • 社内問い合わせ対応

    【給与目安】

    • 月給:18万円〜25万円程度
    • 時給換算:1,100円〜1,500円

    【求人例】

    ▶ 人事アシスタント募集!在宅8割・出社2割/障害者雇用枠・時給1,300円〜

    一般事務も同様に、データ管理や資料作成など、PCを使ったサポート業務が中心です。
    フルリモート対応の企業も増えており、柔軟な勤務体系が可能です。


    ヘルプデスクと社内SE

    テクニカルサポート系の仕事も、在宅勤務向きの職種として注目されています。
    ITスキルを活かしながら、人と関わる仕事をしたい方にぴったりです。

    【主な仕事内容】

    • 社内システムに関する問い合わせ対応
    • アカウント管理(パスワードリセット等)
    • PCやネットワークのトラブルシューティング
    • ソフトウェアのインストールサポート

    【給与目安】

    • 月給:22万円〜35万円程度
    • 時給換算:1,300円〜1,800円

    【求人例】

    ▶ 在宅ヘルプデスクスタッフ募集!ITサポート経験者歓迎/月給28万円〜

    ヘルプデスク業務はマニュアル完備の企業も多いため、経験が浅い方でもスタートしやすい分野です。
    また、社内SEポジションでは、サーバー運用やシステム管理まで幅広く担当する場合もあります。


    データ入力とライティング

    パソコンの基本操作ができればチャレンジできる、人気の在宅職種です。
    未経験歓迎の求人も豊富で、スキマ時間を活用したい方にも適しています。

    【主な仕事内容】

    • データ入力(アンケート結果、顧客情報、注文データなど)
    • コンテンツライティング(商品説明、ブログ記事作成、コラム執筆)
    • 校正・編集作業

    【給与目安】

    • データ入力:時給1,050円〜1,300円程度
    • ライティング:記事単価2,000円〜5,000円(案件内容による)

    【求人例】

    ▶ データ入力スタッフ募集!完全在宅・シフト自由/時給1,200円〜
    ▶ ライター募集!障害者雇用枠/SEO記事作成・1記事3,000円〜

    ライティング案件では、文字単価制・記事単価制が一般的です。
    最初は低単価でも、実績を積み重ねることで高単価案件にステップアップできる可能性があります。

    在宅勤務1日の仕事の流れ(一例)

    在宅勤務は、通勤時間がなく、自宅で業務を行うため、自由度が高い反面、自己管理能力が求められる働き方です。
    特に、障害者雇用枠で在宅勤務を選ぶ場合、自分自身の生活リズムや体調管理と仕事をどのように両立させるかが重要なポイントとなります。

    ここでは、障害者雇用での在宅勤務を想定した「1日の仕事の流れ」を具体的に紹介していきます。
    在宅勤務がどのように進んでいくのか、リアルなイメージを持っていただければと思います。


    仕事の準備と勤務開始

    朝の準備

    在宅勤務でも、規則正しいスタートを切ることが、1日をスムーズに進めるための大きな鍵となります。

    • 起床後、朝食をきちんととる
    • 身支度を整える(服装を着替えると仕事モードに切り替えやすい)
    • 勤務開始時間の30分前にはPCを立ち上げ、システムやネットワーク環境を確認

    特に障害がある場合は、朝の体調チェックも欠かせません。
    体調に応じてスケジュールを微調整できるよう、余裕を持った準備を心がけましょう。

    勤務開始

    • 定時になる前に、業務に必要なツール(チャット、メール、業務管理システム)にログイン。
    • その日のタスク一覧を確認し、優先順位を決めます。

    例えば、業務連絡用のビジネスチャット(Slack、Teamsなど)には「おはようございます。本日もよろしくお願いします」と挨拶を投稿し、勤務開始を宣言する企業もあります。
    小さなことですが、チームとのつながりを感じるためにも重要なルーティンです。


    データ入力などの業務

    午前の業務

    午前中は集中力が高いため、重要度の高い作業に取り組むのがおすすめです。

    • データ入力(顧客情報、売上データなど)
    • 書類作成(報告書、議事録、資料整理)
    • メールチェックと対応

    データ入力業務の場合は、単調になりがちなため、1時間に1回は5分程度の休憩を挟むことを意識しましょう。
    長時間同じ姿勢で作業すると、腰や肩に負担がかかるため、軽くストレッチするだけでも集中力が持続しやすくなります。

    タスク管理

    タスクごとに作業時間を記録しておくと、業務の効率改善にもつながります。
    例えば、エクセルや業務管理ツール(Asana、Trelloなど)を活用し、タスク進捗を見える化することが推奨されています。


    休憩とビデオ会議、eラーニング

    お昼休憩

    • 12時〜13時を目安に、1時間程度の昼休みを確保。
    • パソコンから離れて、しっかりと食事をとり、体を休めましょう。

    在宅勤務では「なんとなくPCを見ながら昼休み」になりがちですが、意識的に仕事から完全に離れる時間を設けることが大切です。
    これにより、午後の業務のパフォーマンスが大きく向上します。

    ビデオ会議・オンラインミーティング

    午後の業務の中で、1日1回程度、ビデオ会議に参加するケースも多くあります。

    • チームミーティング(進捗共有)
    • 上司との1on1面談
    • プロジェクト会議

    在宅勤務では、顔を合わせる機会が限られるため、オンラインでのこまめなコミュニケーションが非常に重要です。
    障害者雇用枠でも、無理なく発言できる配慮がされるケースが増えてきています。

    eラーニング・スキルアップ

    企業によっては、就業時間内にeラーニング(オンライン講座)でスキルアップを図るプログラムを組み込んでいる場合もあります。

    • Word、Excelの基礎研修
    • ビジネスマナー研修
    • ITリテラシー向上研修

    特に在宅勤務では、自己成長の機会を積極的に活用することが、キャリアアップへの近道となります。


    業務終了と勤怠管理

    勤務終了前の作業

    • タスク進捗状況をまとめる
    • 完了した業務の報告(チャット・報告書)
    • 明日の予定を簡単に整理しておく

    これらをきちんと行うことで、翌日の業務開始がスムーズになります。
    「明日やるべきこと」が明確になっていると、朝のストレスも大幅に軽減できます。

    勤怠管理の手続き

    企業によって異なりますが、在宅勤務ではオンライン上で勤怠管理を行うケースがほとんどです。

    • 勤務終了ボタンを押す
    • 作業時間や休憩時間を申請する
    • 勤務レポートを提出(必要に応じて)

    在宅勤務では、自己申告制の勤怠管理が多いため、正確に記録することが信頼関係構築に直結します。

    仕事とプライベートの切り替え

    勤務終了後は、できるだけ仕事に関連するもの(PC、業務資料など)を視界から遠ざけ、プライベートモードに切り替えましょう。
    例えば、

    • ワークスペースの電気を消す
    • リラックスできる音楽をかける
    • 軽いストレッチや散歩をする

    といった工夫で、心身をリセットすることが、翌日のパフォーマンス向上にもつながります。

    障害のある方が利用できる就労支援サービス

    障害を抱えながら働くことは、決して簡単な道のりではありません。
    しかし、現在では国や自治体、民間企業がさまざまな支援サービスを提供しており、適切なサポートを受けながら、自分に合った働き方を見つけることが可能になっています。

    ここでは、障害のある方が利用できる代表的な就労支援サービスについて、具体的にご紹介していきます。
    働きたいという気持ちを形にするための第一歩として、ぜひ参考にしてください。


    ハローワーク

    ハローワーク(公共職業安定所)は、誰でも無料で利用できる国の就労支援機関ですが、障害のある方に特化した支援体制も整備されています。

    【主な支援内容】

    • 障害者専用窓口の設置
       障害のある方専用の相談窓口が設けられ、専門の職員が個別対応してくれます。
    • 障害者求人の紹介
       障害者雇用促進法に基づく法定雇用率を満たすために企業が公開している求人情報にアクセスできます。
    • 職業相談・職業訓練の案内
       就職活動の進め方、履歴書や面接対策の指導、スキルアップを目的とした職業訓練への斡旋も行われます。
    • 障害者トライアル雇用制度
       一定期間試用的に雇用し、企業と求職者の双方が適性を見極める制度。

    【ポイント】

    ハローワークでは、就職後の定着支援(職場定着指導員によるフォロー)も受けられるため、就職後も安心して働き続ける体制が整っています。
    まずは最寄りのハローワークで相談予約を取りましょう。


    地域障害者職業センター

    地域障害者職業センターは、障害者の職業リハビリテーションを専門に行う公的機関です。
    ハローワークや福祉機関と連携しながら、より専門的なサポートを提供しています。

    【主な支援内容】

    • 職業評価(アセスメント)
       適性検査や作業能力の測定を行い、自分に合った職種を見極めます。
    • 職業準備訓練
       社会人基礎力やビジネスマナー、コミュニケーションスキルを身につけるための支援。
    • ジョブコーチ支援
       実際の職場に出向き、仕事の手順指導や周囲との関係づくりを支援するサービス。
    • 就労定着支援
       就職後も継続的なフォローアップを実施。

    【ポイント】

    「どんな仕事が自分に向いているか分からない」「社会復帰のためにステップを踏みたい」という方に特におすすめの支援機関です。
    就職までをサポートするだけでなく、職場で長く安定して働くための力を育んでくれます。


    障害者就業・生活支援センター

    障害者就業・生活支援センター(ナカポツセンター)は、就労支援だけでなく、生活面も含めた包括的な支援を行う機関です。
    全国各地に設置されており、利用料は原則無料です。

    【主な支援内容】

    • 就労支援
       求人紹介、職場実習、就労前訓練、面接同行支援など。
    • 生活支援
       医療・福祉サービスの紹介、金銭管理、住居確保など。
    • 相談支援
       本人だけでなく家族からの相談にも対応。必要に応じて支援計画を作成します。
    • 関係機関連携
       ハローワーク、障害福祉サービス事業所、医療機関、自治体との橋渡し役も担います。

    【ポイント】

    「働きたいけれど、生活面に不安がある」「働きながら病気や障害と向き合っていきたい」という方に心強いサポートを提供してくれます。


    就労移行支援事業所

    就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスの一つです。
    一般企業への就職を目指す障害者のために、最大2年間、就職準備を支援してくれます。

    【主な支援内容】

    • ビジネススキル訓練
       PCスキル、事務作業、ビジネスマナー、履歴書・職務経歴書の作成指導。
    • 就職活動支援
       求人紹介、企業見学、職場実習、面接同行。
    • 体調管理支援
       自己管理スキルを高め、安定した就労継続を目指します。
    • 就職後の定着支援
       定期的な面談やフォローアップ訪問を行い、職場での困りごとをサポート。

    【ポイント】

    就労移行支援事業所は、就職に向けて段階的にスキルアップできる場所です。
    障害特性や体調に合わせて個別支援計画が作られるため、安心してステップアップを目指せます。


    障害者雇用専門の求人サイト

    近年は、障害者向けの求人情報に特化したオンラインサービスも充実しています。
    在宅勤務や時短勤務、職場配慮ありの求人など、希望条件に応じた検索が可能です。

    【主な特徴】

    • 希望条件で絞り込み検索可能
       在宅勤務、時短勤務、業種、年収など細かい条件で検索できます。
    • キャリアアドバイザーによるサポート
       求人紹介だけでなく、履歴書添削、面接対策も受けられる場合があります。
    • 障害内容を配慮したマッチング
       企業とのミスマッチを防ぎ、長期就労を見据えた提案をしてもらえます。


    あなたに合った障害者雇用求人を探すなら、障害者ナビへ!

    【ポイント】

    自宅から簡単に求人情報を比較検討できるため、まずは気軽に登録してみるのがおすすめです。
    自分に合った仕事探しを効率的に進められるでしょう。


    まとめ

    障害があっても、「働きたい」という思いを諦める必要はありません。
    ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所、そして障害者ナビなど、さまざまな支援サービスが用意されています。

    大切なのは、一人で抱え込まず、信頼できる支援機関に相談すること
    自分に合った働き方を見つけ、無理なく、でも確実に、社会とのつながりを広げていきましょう。

    あなたの可能性は、これからいくらでも広がっていきます。