2025/08/04
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障害者手帳の種類・等級・申請方法を徹底解説|就労支援やメリットも紹介

はじめに

「障害者手帳って1種類だけじゃないの?」と思う方は少なくありません。実は、日本には3種類の障害者手帳があり、それぞれ対象となる障害や受けられる支援内容が異なります。

障害者手帳は、就労支援・福祉制度・税制優遇・公共料金の割引など、日常生活や仕事面で大きなサポートを受けるための重要な証明書です。特に就職や転職の場面では、障害者雇用枠での応募や職場での合理的配慮を受けるために、手帳の有無が大きく影響します。

本記事では、以下の内容をわかりやすく解説します。

  • 障害者手帳の基本的な仕組みと目的
  • 日本で取得できる障害者手帳の種類と特徴
  • 申請方法の流れ
  • 就労支援や生活支援での活用方法

障害者手帳を正しく理解し、自分に合った制度を活用することで、生活や仕事の選択肢が大きく広がります。


障害者手帳とは?制度の概要と目的

障害者手帳とは、障害のある方が受けられる支援や優遇制度を利用するために必要となる、公的な証明書です。法律に基づき、障害の状態を認定された方に市区町村や都道府県から交付されます。

障害者手帳の目的

障害者手帳の主な目的は以下の通りです。

  1. 障害の状態を公的に証明すること
    医師の診断書などをもとに、障害の程度が公的に認定されます。
  2. 生活・医療・就労に関する各種支援を受けられること
    手帳を提示することで、医療費の助成、税制優遇、交通機関の割引などが適用されます。
  3. 就労支援や障害者雇用制度の利用が可能になること
    企業が法定雇用率を満たすために必要な「障害者雇用枠」で応募できるようになります。

手帳の有無で受けられる制度の違い

障害者手帳を持っているかどうかで、利用できる制度には大きな差があります。たとえば、同じ障害があっても手帳を取得していないと、以下の支援は受けられません。

  • 障害者雇用枠への応募資格
  • 障害者控除や医療費控除などの税制優遇
  • 自治体独自の福祉サービス(交通費助成・公共料金割引など)
  • 就労移行支援・就労継続支援などの福祉サービス利用

このように、障害者手帳は生活や仕事の選択肢を広げる“パスポート”のような存在です。

障害者手帳の種類3選|違いと対象となる障害とは

日本には、主に次の3種類の障害者手帳があります。

  1. 身体障害者手帳
  2. 療育手帳(知的障害者用)
  3. 精神障害者保健福祉手帳

それぞれ対象となる障害や等級、受けられる支援内容が異なります。ここでは、3つの手帳の特徴と違いをわかりやすく整理します。


1. 身体障害者手帳

身体障害者手帳は、身体に障害のある方を対象とした手帳です。

対象となる障害

身体障害者手帳の対象となる障害は幅広く、次のようなものがあります。

  • 視覚障害(失明・視力低下など)
  • 聴覚障害(難聴・失聴など)
  • 肢体不自由(上肢・下肢の欠損や機能障害)
  • 内部障害(心臓・腎臓・肝臓・呼吸器・小腸などの機能障害)

等級(1級~6級)とその意味

身体障害者手帳は、障害の程度に応じて1級から6級までの等級があります。

  • 1級・2級:重度障害に分類され、幅広い支援が受けられる
  • 3級~6級:中度・軽度障害として、一部の支援や優遇制度を利用可能

等級が低いほど障害の程度は軽くなりますが、自治体ごとに利用できる支援内容が異なる場合があります。

主な支援内容

身体障害者手帳を持っていると、次のような支援を受けられます。

  • 公共交通機関の運賃割引(電車・バス・タクシーなど)
  • 補装具や日常生活用具の給付・補助
  • 所得税・住民税などの障害者控除
  • 高速道路のETC割引や自動車税の減免
  • 自治体独自の福祉サービス(入浴施設・駐車場優遇など)

2. 療育手帳(知的障害者用)

療育手帳は、知的障害のある方を対象とした手帳です。

対象と呼び名の違い

知的障害がある方で、発達や学習に支援が必要な場合に交付されます。

  • 呼び名は地域によって異なる
    • 東京都:愛の手帳
    • 大阪府:みどりの手帳
    • 他地域でも独自の愛称あり

等級(A・BまたはIQ基準)と支援内容

療育手帳の等級は、地域によってA・Bの2区分またはIQスコアによる区分が設けられています。

  • A(重度):医療費助成・福祉サービス・税制優遇など幅広い支援
  • B(中軽度):一部の支援や割引制度を利用可能

主な支援は次の通りです。

  • 公共交通機関や有料道路の割引
  • 医療費助成や日常生活用具の支給
  • 就労支援サービス(就労移行支援・就労継続支援など)
  • 障害者雇用枠での就職活動

3. 精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患や発達障害のある方が対象です。

対象となる障害

精神障害者保健福祉手帳は、次のような疾患・障害が対象です。

  • うつ病や双極性障害
  • 統合失調症
  • 不安障害、パニック障害
  • 発達障害(ADHD、自閉症スペクトラムなど)
  • 高次脳機能障害 など

等級(1級~3級)と判断基準

精神障害者保健福祉手帳には1級~3級の等級があります。

  • 1級:日常生活に常時の介助が必要な重度
  • 2級:社会生活に著しい制限がある中度
  • 3級:社会生活に一定の制限がある軽度

等級は医師の診断書や生活状況をもとに審査されます。

主な支援内容

精神障害者保健福祉手帳を取得すると、次のような支援が受けられます。

  • 就労支援サービスの利用(就労移行支援・障害者職業センターなど)
  • 障害者雇用枠での就職・転職が可能
  • 自治体の医療費助成・通院助成
  • 公共交通機関の割引や税制優遇

3種類の手帳の違いを比較表で整理

障害者手帳には、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類があります。
それぞれ対象となる障害や等級、申請窓口、受けられる支援内容が異なります。まずは、違いを一覧で整理してみましょう。

手帳の種類対象となる障害等級区分申請窓口更新期間主な支援内容
身体障害者手帳視覚・聴覚・肢体・内部障害など1~6級市区町村役所(福祉課)原則なし(障害の程度により再認定あり)交通機関割引、補装具の給付、税制優遇、自動車税減免
療育手帳(知的障害者)知的障害A・B(またはIQ基準)市区町村役所(福祉課)多くは4~6年ごとに更新公共交通割引、医療費助成、就労支援、税制優遇
精神障害者保健福祉手帳うつ病、統合失調症、発達障害、高次脳機能障害など1~3級市区町村役所(障害福祉担当)2年ごと就労支援、障害者雇用枠利用、医療費助成、税制優遇

このように、更新期間の有無や支援内容には大きな違いがあります。特に精神障害者手帳は有効期限が2年と短く、更新忘れに注意が必要です。


手帳の申請方法と流れ【共通と異なるポイント】

障害者手帳の申請は、基本的に次の流れで行います。

  1. 医師の診断を受ける
    • 指定医師による診断書が必要です。
    • 身体障害は「身体障害者用診断書」、精神障害は「精神障害者用診断書」、知的障害は「療育手帳判定用書類」を提出します。
  2. 市区町村役所で申請書を提出
    • 窓口は福祉課または障害福祉担当です。
    • 顔写真(縦4cm×横3cm程度)や印鑑が必要な場合もあります。
  3. 審査・判定
    • 医師の診断書や生活状況をもとに、等級が決定されます。
    • 精神障害者手帳は、障害の状態を証明する医師の診断書または年金証書等で審査されます。
  4. 交付通知・受け取り
    • 申請から交付まではおおむね1~2か月程度が目安です。

注意点

  • 等級によって支援範囲が変わるため、事前に自治体の公式ページで確認することが大切です。
  • 精神障害者手帳のみ2年ごとの更新制で、更新手続きを忘れると支援が受けられなくなる可能性があります。
  • 身体障害者手帳は基本的に更新不要ですが、症状が変化した場合は再認定が必要です。

障害者手帳と就職・転職の関係

障害者手帳は、就職・転職にも大きな影響を与えます。

障害者雇用枠での応募に必要なケースが多い

企業は法定雇用率を満たすために、障害者雇用を行っています。
この障害者雇用枠で応募する場合、障害者手帳の提示が求められることが一般的です。

  • 手帳があると、企業は障害者雇用としてカウント可能
  • 面接時に必要な合理的配慮(勤務時間、通院など)を受けやすくなる

手帳の有無で変わる「配慮」「支援制度」「採用条件」

手帳を所持していると、次のようなメリットがあります。

  • 就労移行支援や職業訓練などの就労支援サービスを利用可能
  • 障害者雇用枠での応募により、書類選考や面接で配慮を受けやすい
  • 障害に応じた職場環境の調整や勤務時間の配慮を依頼しやすい

一方、手帳がないと障害者雇用枠での応募ができず、一般枠での応募となる場合があります。

就労支援機関での活用

障害者手帳は、ハローワークや就労支援機関を利用する際にも重要です。

  • ハローワーク:障害者求人の紹介や職業相談がスムーズに
  • 就労移行支援事業所:手帳を活用して職場実習やスキルアップが可能
  • 障害者職業センター:職場定着支援や職務適性の評価に役立つ

就労支援と組み合わせることで、職場への定着率や就職の可能性を大きく高められます。

障害者手帳を活用できる支援制度の一例

障害者手帳を取得すると、生活面・就労面でさまざまな支援制度を利用できます。代表的なものを整理すると以下の通りです。

医療費助成・福祉サービス

  • 自治体による医療費助成制度(通院・入院費の助成)
  • 日常生活用具の給付(車いす、補聴器、歩行補助具など)
  • ホームヘルパーや移動支援などの福祉サービス

税制優遇・公共料金割引

  • 所得税・住民税の障害者控除
  • 自動車税や自動車取得税の減免
  • 公共交通機関(電車・バス・タクシー)の運賃割引
  • NHK受信料や水道料金など、一部公共料金の減免

就労支援や職業訓練

  • 障害者雇用枠での就職活動が可能
  • 就労移行支援・就労継続支援事業所での職業訓練
  • ハローワークでの障害者求人紹介や職場定着支援

家族への支援

  • 扶養している家族が障害者の場合、扶養控除の加算
  • 高額療養費制度や医療費控除との併用も可能

障害者手帳は、本人だけでなく家族の生活にも関わる支援制度への入り口となります。


知っておきたい!手帳の等級が変わるケース

障害者手帳は、一度取得すれば終わりではありません。障害の状態や生活状況に変化がある場合、等級の変更や再認定が必要になることがあります。

状態の悪化・改善による等級変更

  • 障害の状態が悪化した場合:等級が上がり、受けられる支援が増える可能性
  • 障害の状態が改善した場合:等級が下がる、または手帳が返還となる場合も

医師の診断書をもとに再審査が行われます。

精神障害者保健福祉手帳は有効期限あり

精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新制です。

  • 更新を忘れると、医療費助成や交通割引などの支援が一時的に使えなくなる
  • 更新時には改めて診断書が必要な場合がある

転居時の手続き・地域差に注意

  • 住所変更時は転居先の市区町村で再申請または手続きが必要
  • 自治体ごとに独自の福祉サービスがあるため、利用できる支援が変わる場合も

手帳を有効に活用するためには、等級や住所変更の手続きを忘れず行うことが大切です。


おわりに

障害者手帳は、「制限」ではなく「支援を受ける権利の証明」です。
本記事で紹介した通り、手帳には種類ごとに特徴や支援内容の違いがあり、就労や生活のサポートにつながります。

  • 手帳の種類や等級を正しく理解する
  • 支援制度や就労支援を賢く活用する
  • 家族や支援機関と連携して、より安心できる生活を実現する

障害者手帳を活用することは、自分や家族の生活の質を高める第一歩です。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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