2025/08/22
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Word・Excelができれば十分?障害者雇用の事務職で役立つPCスキルの実際

はじめに

障害者雇用の求人の中で特に多いのが「事務職」です。
企業が障害者を採用する際、安定して長く働けるポジションとして事務職を募集するケースが多く、実際に希望する人も少なくありません。

一方で、「事務職はPCスキルが必要そうだけど、どの程度できればいいの?」と不安を感じる方も多いでしょう。WordやExcelを少し触ったことはあっても、「事務職として通用するのか」と心配になるのは自然なことです。

本記事では、障害者雇用における事務職の実際の仕事内容と、求められるPCスキルのレベルを整理して解説します。応募前の不安を減らし、就活準備に役立ててください。

障害者雇用における事務職とは?

主な仕事内容

障害者雇用の事務職では、以下のような仕事が中心です。

  • データ入力(売上・顧客情報などの入力)
  • 文書作成(報告書・請求書・案内文など)
  • 資料作成(会議用の資料や社内共有用のまとめなど)
  • ファイリングや書類整理
  • 電話応対や来客対応(職場によっては少なめの場合も)
  • 郵便物の仕分け、備品管理

いわゆる「一般事務」の仕事と大きく変わりませんが、障害者雇用枠では業務量や役割を調整してもらえる場合があります。

PC業務が中心になる理由

現在、多くの企業では紙ではなくPCでの業務処理が主流です。

  • 書類はWordで作成
  • データはExcelで集計
  • 社内共有はメールやチャットツール

このため、事務職に就く以上、PC業務が避けられないのが現状です。逆に言えば、WordやExcelなどの「基本的なPCスキル」があれば十分に活躍できる環境が整っているともいえます。

身体障害・精神障害の特性と事務職の相性

障害の種類によって事務職との相性もあります。

  • 身体障害の場合:座り仕事が中心で、移動や肉体労働が少ないため負担を抑えやすい。バリアフリーの職場ならさらに働きやすい。
  • 精神障害・発達障害の場合:静かな環境で集中できる仕事が合いやすい一方、電話応対や複数タスク処理は苦手に感じる人も多い。PC業務中心なら比較的取り組みやすい。

もちろん個々の特性により合う・合わないはありますが、事務職は「配慮を受けやすく調整しやすい職種」として、障害者雇用の中で人気が高いのが特徴です。

Wordのスキル|どの程度できればよい?

【必須レベル(最低限求められる操作)】

まず、応募時点でできてほしいとされるスキルです。

  • 文書作成(文章を入力・保存できる)
  • 書式設定(フォント、段落、文字サイズの調整)
  • 印刷設定(余白・ページ番号・両面印刷など基本的な印刷調整)
  • 表の挿入や簡単な整形
  • 社内文書フォーマットに沿った入力

→ 実務ではフォーマットが用意されていることが多いため、「指定の様式に正しく入力・修正できる」ことが求められます。

【標準レベル(できると安心される操作)】

次のスキルがあると、業務を一人で任せてもらいやすくなります。

  • 差し込み印刷(宛名ラベル、案内状作成など)
  • スタイル機能を活用した文書の統一感調整
  • ページ設定・ヘッダー/フッター挿入

→ 「ただ作成できる」から一歩進んで、「見やすく整えられる」ことが評価されます。

【強みになるスキル】

必須ではないものの、職場で「助かる」と思われるスキルです。

  • 図や画像を挿入してレイアウトを工夫する
  • 校閲機能(コメント・修正履歴)を使った共同作業
  • 長文書の目次作成・セクション分け

Excelのスキル|どの程度できればよい?

【必須レベル(最低限できてほしい操作)】

  • データ入力(数字や文字を正しく入力できる)
  • セルの書式設定(罫線・セル結合・文字揃え・色付け)
  • 基本的な四則演算(合計・引き算などの式を入れる)
  • SUM関数で合計を求める

【標準レベル(できると安心される操作)】

  • AVERAGEやCOUNTなどの基本関数
  • データの並べ替えやフィルター機能
  • 簡単なグラフ作成(棒グラフ・円グラフ)
  • 複数シートの活用(シート間リンクや集計)

【応用レベル(学習で強みにできるスキル)】

  • VLOOKUP関数でのデータ検索
  • IF関数での条件分岐
  • ピボットテーブルでの大量データ集計
  • 条件付き書式による自動強調表示

よくある業務例

  • 売上管理表の作成(合計・平均・グラフ化)
  • 出勤簿や勤怠管理の入力・集計
  • アンケート結果の集計・可視化
  • 会議や社内向けの資料作成(Excelで表やグラフを作り、WordやPowerPointにまとめる)

Word・Excel以外に役立つPCスキル

PowerPoint/Canva

会議資料や提案書の作成に活用されます。
PowerPointはスライド形式の資料に強く、Canvaは直感的にデザインできるため、社内報やチラシ作成にも役立ちます。
「文字や画像を入れて見やすいレイアウトにできる」レベルで十分です。

AIツール(ChatGPTなど)※補足

必須スキルではありませんが、文章の下書きや表の説明をまとめるなど、補助的にAIを活用できると業務効率化につながります。
今後はこうしたスキルも評価されやすくなる可能性があります。

メール・チャットツール

事務職ではコミュニケーションも大事な業務のひとつです。

  • Outlook、Gmailでのメール送受信
  • TeamsやSlackなどでの基本的なやり取り

ができれば問題ありません。

ファイル共有・クラウドサービス

最近では紙やローカル保存よりも、クラウドを使った業務が主流になっています。

  • Google Drive
  • OneDrive
  • Dropbox

といったサービスで、ファイルを共有・保存する基本操作を知っておくと安心です。

面接でPCスキルをアピールする方法

できることを具体的に伝える

面接では「できます」だけでは不十分です。具体的な操作を例示することで説得力が高まります。

  • 「Wordで議事録を作成できます」
  • 「Excelで関数(SUM・AVERAGE)を使って集計ができます」
  • 「PowerPointで会議資料をまとめられます」

実際にやった業務や訓練内容を交えて伝えると、企業側もイメージしやすくなります。

資格を活用する

資格はスキルの客観的な証明になります。特にMOS(Microsoft Office Specialist)は代表的です。

  • MOS Word
  • MOS Excel

といった資格があると、基礎~応用スキルを習得済みと判断されやすくなります。

ポートフォリオとして実務例を提示する

過去に作成した書類や表を、個人情報を除いた形で「サンプル」として持参するのも効果的です。
「自分ができること」を目に見える形で示せるので、口頭説明より説得力があります。

訓練や学習で作成したサンプルを提示する

実務データの持ち出しはできませんが、就労移行支援や資格学習で作った練習課題(売上表、勤怠表、議事録など)をサンプルとして持参するのは有効です。

「口頭説明」よりも「実際に作ったもの」を見せられるため、説得力が増します。


スキル不足を感じたときの学習方法

独学で学べる無料教材

  • YouTubeの操作解説動画
  • Microsoft公式チュートリアル
  • 無料の学習サイト(Office系練習問題など)

短時間で基本操作を習得できるコンテンツが多数あります。

支援機関でのPC講座

就労移行支援事業所では、WordやExcelを学べるPC講座を行っているところも多いです。

  • 実務を意識した課題(勤怠管理表の作成など)
  • 模擬業務を通じた練習

サポート付きで学べるため、独学が不安な人に向いています。

資格取得を目標にする方法

「初級資格から始める」ことで学習のモチベーションを維持しやすくなります。

  • サーティファイ(ビジネス能力認定)
  • MOSのスペシャリストレベル

など、自分のレベルに合った資格からチャレンジすると続けやすいです。


企業が本当に求めているのは「即戦力」だけではなく「成長意欲」

確かに、実務で即戦力となるExcelの応用スキル(VLOOKUPやピボットなど)を重視する企業もあります。
しかし一方で、障害者雇用を含め多くの事務職では「基礎的なPCスキル+学ぶ姿勢」で十分と考える企業も増えています。

  • 採用時点で全てを完璧にこなせる人は少ない
  • 入社後にサポートやOJTを通して成長してほしいと考える企業も多い
  • 「即戦力」よりも「学び続ける意欲」「正確さ」「安定して働けること」を重視する傾向がある

障害者雇用では配慮を前提とした採用が増えている

障害者雇用では、合理的配慮を前提にした採用が進んでいます。
「できない部分はサポートがある」という前提で、安心して応募できる環境が広がっています。


まとめ|Word・Excelは「最低限+α」で十分、成長意欲が評価される

障害者雇用の事務職では、Word・Excelの基本操作ができることが最も大切です。
文書作成やデータ入力、SUM関数などの基礎を押さえれば、十分に実務で活躍できます。

もちろん、ExcelのVLOOKUPやピボットテーブルなど高度な操作ができると強みになりますが、必須ではなく「学べば伸ばせるスキル」と考えて大丈夫です。
むしろ企業が重視しているのは、

  • 足りない部分を学びながら成長していく意欲
  • 入力作業を正確にこなす誠実さ
  • 安定して働き続けること

といった姿勢です。

さらに最近では、PowerPointやCanvaでの資料作成スキル、クラウドやメールツールの基本操作もプラス評価につながります。

障害者雇用は合理的配慮を前提に進んでおり、「完璧な即戦力」である必要はありません。
「できること」を整理して具体的に伝え、不足している部分は「これから学んでいきます」と前向きに示すことが、最も説得力のあるアピールになります。

安心して応募し、自分らしく成長していける職場を見つけましょう。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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