2025/08/27
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透析と障害者手帳の関係とは?取得条件・等級・受けられる支援を徹底解説【2025年最新版】

はじめに

腎臓の機能が低下し、人工透析を受けながら生活している方の多くが「自分は障害者手帳の対象になるのだろうか?」と疑問を持っています。
障害者手帳を取得することで、医療費の自己負担軽減、公共交通機関の割引、就労支援サービスの利用など、日常生活を支える多くのサポートを受けることができます。

たとえば、週3回の透析で毎回交通費がかかる人が障害者手帳を取得すれば、電車・バス運賃の割引やタクシー券の支給などで経済的負担を軽減できます。また、障害者雇用枠での就職活動も可能になり、安定した働き方につながるケースもあります。

本記事では、透析と障害者手帳の関係について、

  • 取得条件
  • 等級の基準
  • 受けられる支援制度

の3つの観点から、2025年時点での最新情報をわかりやすく解説します。


透析と障害者手帳の関係

透析が「内部障害」として対象になる理由

透析治療は、腎臓の働きが大きく低下している状態で行われます。腎臓は老廃物の排出や水分の調整など、生命維持に欠かせない役割を担っていますが、機能が失われると日常生活に大きな制限がかかります。
このため、人工透析を行っている方は 「腎疾患による内部障害」 として身体障害者手帳の交付対象となります。

実際、週3回透析を受ける必要がある人や、1回あたり4〜5時間の透析を継続している人は、生活や就労に支障をきたしやすいため、手帳を取得できる可能性が高いといえます。

障害者手帳の種類

透析患者が対象となるのは 身体障害者手帳 です。

  • 対象:腎臓機能障害(慢性腎不全・透析導入者など)
  • 手帳の等級:1級から4級まで(透析の有無や期間で決まる)

等級によって受けられる支援内容は大きく異なります。
たとえば、1級認定者は医療費助成や福祉サービスの範囲が広い一方で、4級は一部の交通費割引や税制優遇に限定されるなどの違いがあります。

透析で取得できる障害者手帳の等級

等級区分の基準

透析患者が対象となる身体障害者手帳は、腎臓機能障害として 1級〜3級 に区分されます。

  • 1級:常時透析が必要で、日常生活にも大きな制限がある場合
     例:週3回以上、毎回4〜5時間の透析を継続しているケース。透析なしでは生命維持が困難な状態。
  • 2級:継続的に透析治療を受けており、社会生活や就労に制約がある場合
     例:透析による疲労や体調不良でフルタイム勤務が難しいが、短時間就労なら可能なケース。
  • 3級:腎機能が著しく制限されているものの、一部の日常生活は自立できる場合
     例:まだ透析導入前だが、腎機能の低下により食事制限や日常動作に支障があるケース。

透析患者の多くは「1級または2級」に該当

実際に透析を受けている方の多くは、1級または2級の認定となります。特に透析が長期に及んでいる場合や、合併症(高血圧・心疾患など)を伴っている場合は、1級が認定される可能性が高いです。

診断書の記載内容と等級判定の関係

等級の判断は、指定医師が作成する診断書の内容に大きく左右されます。
診断書には以下のような点が記載され、判定材料となります。

  • 透析導入日と治療の継続期間
  • 透析の頻度(例:週3回、1回4時間など)
  • 腎機能の数値(クレアチニン値、尿素窒素値など)
  • 生活上の制限や就労状況

👉 そのため、診断書を依頼する際には、自分の生活の実情を医師に正しく伝えることが大切です。


障害者手帳を取得するための手続き

申請の流れ

障害者手帳の取得は、市区町村の窓口で申請します。
一般的な流れは以下の通りです。

  1. 指定医師に診断書を作成してもらう
  2. 市区町村役所の障害福祉課に申請書と一緒に提出
  3. 審査(都道府県の判定医による審査)
  4. 交付(申請から1〜3か月程度)

必要書類

申請時に必要となるものは以下の通りです。

  • 指定医師による診断書
  • 顔写真(縦4cm×横3cmが一般的)
  • 印鑑または署名
  • 各市区町村が指定する申請書類一式

👉 申請先や必要書類は自治体によって多少異なるため、事前に市区町村の公式サイトや窓口で確認することをおすすめします。

更新の有無と注意点

身体障害者手帳は、基本的に有効期限のない「永久認定」 です。
ただし、病状が大きく変化した場合(腎移植を受けて透析が不要になった、合併症が進行したなど)には、再認定が求められることがあります。

障害者手帳で受けられる主な支援

医療費の軽減

透析は週3回通院することが多く、医療費の負担は大きくなります。障害者手帳を持つことで以下の制度が利用可能です。

  • 自立支援医療制度(更生医療)
    透析を含む医療費が 原則1割負担 に軽減されます。
    例:1か月の透析費用が10万円かかる場合、1割負担なら自己負担は1万円程度に抑えられます。
  • 高額療養費制度との併用
    所得に応じて1か月の自己負担額に上限が設定されるため、医療費がさらに軽減されます。
    👉 透析患者は「自立支援医療+高額療養費制度」を併用するケースが多く、実際に支払う額は数千円〜数万円程度に抑えられることが一般的です。

交通費・公共料金の割引

通院や日常生活での移動にかかる費用も、障害者手帳で軽減できます。

  • 電車・バス・タクシー割引
    JRや私鉄、路線バスでは運賃が 半額 になる制度が多く、タクシーでも割引が適用される場合があります。
    例:片道500円のバスが250円に、タクシーは10%割引になる地域もあります。
  • 航空運賃の割引制度
    JALやANAなど大手航空会社では、身体障害者手帳を提示すると 割引運賃(約20〜40%引き) で利用可能です。
  • 高速道路の障害者割引
    ETCカードを登録すると、高速道路料金が 半額 になります。透析で遠方の病院に通う場合に大きな助けとなります。

就労に関する支援

障害者手帳を持つことで、就労の選択肢が広がります。

  • 障害者雇用枠での応募が可能
    大企業・自治体などでは、障害者雇用枠で安定した職を探せるようになります。
    例:透析の通院に合わせて「週4日勤務」「短時間勤務」など柔軟な働き方が可能な求人もあります。
  • 職場での配慮
    通院のために勤務時間を調整してもらったり、体調に応じて在宅勤務を取り入れるなどの配慮を受けやすくなります。

税金の優遇措置

障害者手帳を取得すると、税制上の優遇も受けられます。

  • 所得税・住民税控除
    所得税の障害者控除(27万円)、特別障害者控除(40万円)などが受けられます。結果的に住民税の軽減にもつながります。
  • 自動車税・自動車取得税の減免
    通院や日常生活に車を利用する場合、税金が免除または軽減されます。
    👉 特に地方で生活する透析患者にとって、車関連の税制優遇は大きな支援となります。

👉 このように、障害者手帳を取得すると「医療費・交通費・就労・税制」と幅広い分野で支援が受けられ、透析患者の生活を大きくサポートします。

透析患者の生活を支える制度

障害年金との違いと併用可否

透析患者が利用できる制度には「障害者手帳」と「障害年金」がありますが、目的が異なります。

  • 障害者手帳:医療費助成や交通費割引など、日常生活の支援が中心
  • 障害年金:就労や収入が制限される人に対し、生活費を補う金銭的支援

両者は併用可能ですが、申請窓口や審査基準が異なるため注意が必要です。
例えば、障害年金は 日本年金機構、障害者手帳は 市区町村の障害福祉課 が窓口になります。

👉 実際には、透析患者の多くが「障害者手帳+障害年金」の両方を利用し、生活の安定を図っています。

生活支援サービス

障害者手帳を持つことで、福祉サービスも利用できます。

  • ヘルパー派遣:自宅での食事・掃除・通院同行などのサポートを受けられる
  • 福祉用具レンタル・住宅改修制度:入浴用の椅子や手すりの設置など、自宅環境を改善するための制度が活用できる

これらは透析による体力低下を補い、安心して在宅生活を続けるための大きな支えになります。


企業や社会に求められる理解

透析患者が就労で抱える課題

透析患者は 週3回程度の通院(1回4〜5時間) が必須であり、フルタイム勤務が難しい場合も少なくありません。さらに、透析後の倦怠感や体調不良により、通常勤務と同じ働き方を継続するのは負担が大きいケースがあります。

企業ができる配慮

企業が透析患者を雇用する場合、以下のような工夫が有効です。

  • 通院休暇の導入:週3回の通院を前提に休暇やシフト調整を行う
  • 時短勤務・在宅勤務の選択肢:体調に合わせた働き方を認めることで、就労継続が可能になる

実際に、在宅勤務を導入した企業では「通院と仕事を両立しやすくなり、定着率が向上した」という事例もあります。

社会的な理解が広がることで就労機会は拡大する

透析患者が働くためには、企業だけでなく社会全体の理解が欠かせません。
「透析患者=働けない」という誤解をなくし、適切な配慮があれば十分に戦力になる という意識が広がれば、雇用の選択肢はさらに広がります。


まとめ

  • 透析は 身体障害者手帳の対象 であり、等級や制度を正しく理解することが大切
  • 手帳を取得すると 医療費助成・交通費割引・税制優遇・就労支援 など、多くの支援を受けられる
  • 生活の安定には、障害年金や福祉サービスと組み合わせて活用することが効果的
  • 透析患者が安心して働き暮らすためには、制度の活用と社会の理解 が不可欠

求職者へのメッセージ

透析と向き合いながら生活するのは決して簡単ではありません。ですが、障害者手帳や福祉制度を上手に利用することで、負担を大きく減らすことができます。
「遠慮せず、使える制度を活用して、自分らしい生活を送ってほしい」――この記事が、その一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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