2025/09/05
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就労移行支援を使った人の体験談|利用前の不安・実際の流れ・復職までの道のり

はじめに

「就労移行支援」という言葉を聞いたことがあっても、実際にどんなサービスで、どんなサポートを受けられるのか、イメージしにくい方は多いのではないでしょうか。
障害や病気を経験したあと、「もう一度働きたい」と思っても、ブランクや体調面の不安、就職活動の難しさから一歩を踏み出せない方は少なくありません。

そんな中で注目されているのが「就労移行支援」です。利用前には「本当に就職につながるの?」「自分に合うのか?」という疑問を持つ人が多くいます。
この記事では、実際に就労移行支援を利用した方々の体験談をもとに、利用前の不安から利用の流れ、そして復職や就職につながった実例までを詳しく紹介します。

「制度の仕組みを知りたい」方はもちろん、「実際に体験した人の声が知りたい」という方にも役立つ内容になっています。


就労移行支援を使う前の不安

本当に就職につながるのか?

多くの方が最初に抱える不安は、「通っても就職できなかったらどうしよう」というものです。
就労移行支援は、あくまで就職に向けたサポートを行う場所であり、必ず就職が保証されるわけではありません。ですが、就職率は全国平均で約30〜40%とされ、支援を受けたことで再び社会に戻れた人は確実に存在します。

周囲の目や通所への抵抗感

「就労移行支援に通っている」と聞いて、周囲からどう思われるか気になる方も多いです。
しかし、近年は在宅ワークやリモート訓練を導入する事業所も増え、通所スタイルは多様化しています。無理に隠す必要はなく、自分のペースで利用できる仕組みがあります。

利用料や制度のわかりにくさ

制度の説明が複雑で、「結局いくらかかるの?」と戸惑う声もよく聞かれます。
実際には、世帯収入に応じて負担上限額が設定されており、多くの方は自己負担ゼロ〜9,300円で利用可能です。まずは市区町村や支援機関での相談が安心です。


就労移行支援の利用の流れ(体験談ベース)

通所開始までの手続き

就労移行支援を利用するには、まず市区町村の障害福祉窓口での申請が必要です。ここで提出するのは、医師の意見書や診断書など。これをもとに審査が行われ、支給決定が出れば正式に利用できるようになります。

「障害者手帳が必須なのでは?」とよく誤解されますが、必ずしも障害者手帳を持っていなくても利用は可能です。
実際には、医師の診断書や意見書があれば「精神障害」「発達障害」「身体障害」「難病」など、幅広いケースで利用が認められています。手帳があると手続きはスムーズですが、必須条件ではないため、まずは窓口で相談してみるのがおすすめです。

ある利用者はこう話します。

「最初は書類の多さに驚いて不安になったけれど、事業所スタッフが役所の手続きの流れまでサポートしてくれて、本当に助かりました。」

1日のスケジュール(例)

体験者の多くが「生活リズムが整った」と口をそろえます。
例えば、ある事業所の1日の流れは次のようなものでした。

  • 午前:PCスキル訓練(Word・Excel・タイピング練習)
  • 昼休憩:スタッフや仲間との交流
  • 午後:グループワーク(コミュニケーション練習、自己分析ワーク)
  • 定期的に:模擬面接、資格取得の模擬試験

このように、「働く生活」を見据えた1日の流れが組まれているため、自然と就職に向けた体力や集中力が鍛えられます。

スタッフとの面談や支援の様子

通所中は、スタッフとの定期的な面談があり、就職活動の進捗や体調管理について相談できます。

実際に利用した方はこう語っています。

「親身に話を聞いてくれたので不安が和らぎました。履歴書も一緒に添削してもらえて、自分では気づかなかった強みをアピールできるようになったんです。」

このように、スタッフは単なる訓練の指導者ではなく、「伴走者」的な存在として利用者を支えてくれます。


実際に体験した人の声(事例紹介)

うつ病からの復職事例(在宅事務に就職)

うつ病で退職したAさんは、再就職に強い不安を抱えていました。就労移行支援で短時間からの通所を重ね、生活リズムを安定させた上でPCスキルを習得。最終的には在宅事務の仕事に就き、無理なく社会復帰を果たしました。

ASDの方の事例(PCスキルを身につけ事務職に就職)

ASD(自閉スペクトラム症)のBさんは、特定の分野に集中できる強みを生かし、Excelやデータ分析の訓練を徹底。就職活動ではそのスキルが評価され、事務職に採用されました。

発達障害の方の事例(グループワークでコミュニケーション力が改善)

発達障害を持つCさんは、対人関係に苦手意識がありました。グループワークやロールプレイを通して徐々にコミュニケーション力を向上させ、面接時にも自信を持って話せるように。最終的に営業補助の仕事に就きました。

身体障害の方の事例(就労前にリハビリ的に活用)

交通事故で身体に障害を負ったDさんは、リハビリと並行して就労移行支援を活用。体力を戻しながら、事務系の仕事に挑戦し、最終的に一般企業に就職しました。


就労移行支援を利用して良かった点

生活リズムが整った

就労移行支援に通うことで、毎日決まった時間に起きて通所する習慣が自然と身につきます。
これまで不規則だった生活が整うことで、体調や睡眠リズムが安定し、就職活動や仕事に向けた「働く体力」を取り戻せたという声が多く聞かれます。
「最初は週2日から通い始めたが、半年後にはフルタイムに近い形で通所できるようになり、自信につながった」という体験談もあります。

PCスキル・資格が身についた

WordやExcelといった基礎スキルはもちろん、MOS(Microsoft Office Specialist)、日商簿記、ITパスポートなど、履歴書に書ける資格取得を目指せる事業所も多くあります。
「資格を持っていなかった自分が、訓練を通じてMOSを取得でき、面接でもアピールポイントになった」と話す利用者もいます。
特に近年は企業側もPCスキルや事務処理能力を重視する傾向があるため、スキルアップがそのまま就職につながるケースが増えています。

面接練習や履歴書添削で自信がついた

一人で進める就職活動は不安がつきものです。就労移行支援では、模擬面接・履歴書添削・自己PR練習といった実践的なサポートを受けられます。
「支援員から細かいフィードバックをもらえたことで、本番の面接では落ち着いて受け答えできた」という声も多数。
企業側からも「練習を重ねてきた人は姿勢や言葉に安心感がある」と評価されることが多く、実際の採用につながる大きなポイントになっています。

同じ境遇の仲間に出会えた

就職活動は孤独になりがちですが、就労移行支援には同じように悩みながらも前を向いている仲間がいます。
「自分だけじゃない」と思える環境は大きな支えとなり、仲間と励まし合いながら前に進めるのも大きな魅力です。
中には「一緒に資格勉強をした仲間と、就職後も励まし合っている」という人もいて、単なる訓練場所以上の「人とのつながり」が生まれる場になっています。


大変だった点・合わなかった点

集団活動が苦手だった

就労移行支援では、グループワークやコミュニケーション練習がプログラムに含まれることが多いです。
「人前で意見を言うのが苦手」「他人と一緒に作業すると疲れてしまう」という方にとっては、最初は大きなストレスになる場合もあります。
ある利用者は「グループワークがしんどくて、途中で通うのをやめそうになった」と振り返ります。

ただし、多くの事業所では 個別訓練に比重を置いたカリキュラムや、負担にならない範囲での参加を選べる柔軟さもあります。
「自分は面接練習や履歴書添削に集中したい」と希望を伝えたら、スタッフがプログラムを調整してくれたという事例もあります。
👉 無理に全員と同じことをする必要はなく、自分に合った形で参加できるかを確認することが大切です。

スタッフとの相性に左右される

就労移行支援の成否に大きく関わるのが支援員との相性です。
「担当スタッフと馬が合わず、相談しにくかった」という声もあります。逆に「自分の特性を理解してくれて、安心して相談できた」という利用者は長く続けやすい傾向があります。

事業所を選ぶ際には、必ず見学や体験利用を行い、

  • スタッフが親身に話を聞いてくれるか
  • 利用者同士の雰囲気はどうか
  • 自分のペースを尊重してくれるか

を確認しておくと失敗を防ぎやすいです。
「最初の事業所は合わなかったけど、別の所に移ってからは続けられた」というケースも少なくありません。

通所の負担(体力・交通費)

特に体調が安定していない時期は、毎日の通所そのものが大きなハードルになります。
「朝の満員電車に乗るのが大変だった」「体力が持たなくて午後は集中できなかった」という声もあります。

また、交通費は意外な負担となりがちです。事業所によっては補助制度や自治体の助成制度が利用できる場合もあります。
例えば、一部の自治体では通所にかかる交通費を月額上限まで支給しているところもあり、「交通費が出たので安心して続けられた」という体験談もあります。

👉 通所負担については、フルタイム通所から始めるのではなく、週2〜3日の短時間から慣らしていく方法や、リモート支援を導入している事業所を選ぶのも有効です。


体験談から学ぶ、就職成功のコツ

早めに制度を知る・相談する

就労移行支援を利用した人の多くが口にするのが「もっと早く知っていれば良かった」という声です。
制度の存在を知らずに、一人で長く就職活動を続けて疲弊してしまう人も少なくありません。
最初の一歩は ハローワークや相談支援事業所に問い合わせること。早めに相談すれば、就職に向けた準備期間を確保でき、結果的に就職の成功率も高まります。
ある利用者は「2年悩んでから利用したが、もっと早く相談していればブランクを短くできた」と振り返っています。

自分に合う事業所を選ぶポイント

就労移行支援は全国に数多くあり、事業所ごとに特色が大きく異なります。

  • 就職実績(どんな企業に就職しているのか)
  • 訓練内容(PCスキル中心、コミュニケーション重視、資格取得支援など)
  • 雰囲気(静かに集中できるか、アットホームか)

これらを比較することが重要です。実際に複数の事業所を 見学・体験利用してみると、自分に合うかどうかが分かります。
「最初に見学した所は合わなかったが、別の事業所は雰囲気が良く、スタッフとの相性も良かったので就職まで続けられた」という声もあります。

目的意識を持って通所する(ただ通うだけでは効果が薄い)

「なんとなく通う」だけでは成果は出にくいのが現実です。

  • 「資格を取りたい」
  • 「事務職に就きたい」
  • 「営業職は苦手だから事務補助を目指す」

といった 具体的な目標や方向性を持つことが大切です。目的意識を持って取り組めば、スタッフもそれに合わせて支援内容を調整してくれます。
体験談でも「資格取得を目指して努力した結果、自信がついて面接でもアピールできた」「ゴールが明確だったので、就職までブレずに取り組めた」という声が目立ちます。

継続する工夫を持つ

就労移行支援は 最長2年間利用可能 ですが、途中でモチベーションが下がる人もいます。

  • 小さな目標を設定して達成感を積み重ねる
  • 仲間と励まし合う
  • スタッフに気持ちを相談する

といった工夫を取り入れることで、継続しやすくなります。
「通所がしんどくなった時期にスタッフが声をかけてくれて、続けられた」という体験談も多く、支援員や仲間との関係性が成功の鍵になります。


まとめ

就労移行支援は、通えば必ず就職できる“魔法の場所”ではありません。実際の体験談からも、集団活動の苦手さやスタッフとの相性、通所の負担など、大変さを感じる部分もあることが分かります。
しかしその一方で、利用者の多くが口をそろえて挙げるのは、生活リズムが整ったこと、スキルが身についたこと、自信を取り戻せたこと、そして仲間との出会いといった前向きな変化です。

厚生労働省のデータでも、就労移行支援を利用した方の就職率は全国平均で3〜4割程度とされています。数字だけを見れば高いとは言えませんが、成功した人の体験談を見ていくと、共通しているのは「自分に合った事業所を選び、目的意識を持って継続した」点です。

つまり、就労移行支援は「制度を正しく理解し、うまく活用できれば大きな力になる」支援サービスだと言えます。
最初の一歩は不安かもしれませんが、障害者手帳を持っていなくても利用できるケースがあるので、まずは市区町村やハローワークで相談してみることが大切です。👉 読者へのメッセージ:
「悩んでいる時間も大切ですが、一度相談に足を運んでみることで、就職や復職への道が開けるかもしれません。就労移行支援は、不安を抱えながらも前に進もうとするあなたをサポートしてくれる存在です。」

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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