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面接で体調はどう伝える?精神障害のある人と企業がお互いに確認したいこと

この記事の内容
はじめに

精神障害のある方にとって、就職活動の「面接」は特に緊張する場面です。
体調の波があり、働ける日もあれば難しい日もある。そんな自分の状況をどこまで伝えるべきか迷う人は少なくありません。
一方で企業側も「体調をどう確認したらいいのか」「聞き方によって差別と受け取られないか」と悩むケースが多くあります。
このお互いの理解不足が、採用後のミスマッチや早期離職につながることも少なくありません。
この記事では 求職者が安心して体調を伝えられる工夫 と 企業が適切に確認する方法 を整理し、面接時のすり合わせの具体例を紹介します。
精神障害と面接でよくある不安
求職者の不安
- 「体調を正直に話すと落とされるのではないか」
- 「病名を言うべき?どこまで話せばいいか分からない」
- 「弱みを伝えると不利になるのでは?」
多くの人が抱える不安は「話したことで不採用になるのでは」という恐れです。そのため、結果的に伝えないまま就職してしまい、入社後に体調不良で困ることもあります。
企業の不安
- 「採用したけれど、働けない日が続いたらどうしよう」
- 「体調を聞くのは差別やハラスメントにつながらないか」
- 「どの程度の配慮が必要か判断できない」
企業にとっても「採用後に長く働いてもらえるか」が最大の関心事です。しかし、聞き方によっては差別的に受け止められるリスクがあり、踏み込めないジレンマがあります。
体調について伝えるべき内容(求職者側の視点)

病名をどこまで伝えるか
病名の開示は義務ではありません。大切なのは 「働くうえで必要な配慮を伝えること」 です。
例:「うつ病と診断されています」と言うよりも、
「長時間の残業が続くと体調に影響が出やすい」など、働き方に直結する情報を伝える方が有益です。
就労に影響する症状の説明
症状を具体的に言葉にすることで、企業はイメージしやすくなります。
例:
- 「疲労が溜まると不安発作が出る」
- 「人前での長時間発表は体調が乱れる」
服薬・通院の頻度
面接時に「月2回通院が必要」「昼休みに服薬を取る」など、勤務に影響する事項は伝えておくと安心です。
働き方の工夫・自己管理方法
「できないこと」だけでなく、「工夫して安定できた実例」を伝えると説得力が増します。
例:
- 「前職では1日5分の休憩を入れることで安定した」
- 「タスクを小分けにするとパニックを防げた」
企業が確認すべきこと(企業側の視点)
長く働くために必要な配慮の具体例
- 小休憩の導入
「1時間に5分休む」「午前と午後に1回ずつ休憩を挟む」など、本人がリフレッシュできる時間を確保する。 - 業務内容の調整
複数の業務を同時並行で行うより、単一タスクを集中してこなすほうが安定する人も多い。作業の分担方法を見直すのも有効。 - ノイズ・環境面の配慮
集中しやすいように、席の配置を工夫したり、イヤーマフや仕切りを利用できるようにする。 - 業務量の調整と締切の柔軟化
体調に波がある場合は、短納期のタスクよりも長めのスケジュールで進める方が安心。 - 相談窓口・メンターの設置
直属の上司だけでなく、気軽に相談できる人(産業医、人事、メンター社員など)を明確にしておくと不安が減る。 - 突発休み時のバックアップ体制
チームで共有し、特定の人に業務が集中しないようにしておく。 - 評価基準の工夫
出勤日数や残業時間ではなく「成果」や「できる範囲での貢献」を評価軸にする。
体調の波への対応
精神障害のある方は、どうしても「調子の良い日」と「不調の日」が出やすい傾向があります。企業側としては、その波をどのように受け止め、職場運営に支障をきたさないようにするかが大切です。
- 「調子が悪いときのサインはあるか」
本人が「体調が崩れ始めたときに出るサイン」を共有してもらえると、職場も早めに対応できます。
例:集中力が落ちる、口数が減る、表情が暗くなる、作業スピードが極端に遅くなるなど。
こうしたサインを事前に知っていれば、上司や同僚が声をかけたり休憩を促したりできるため、深刻な体調不良を防ぎやすくなります。 - 「休む場合のルールはどうしているか」
「不調時にどのように連絡するか」「どの程度の体調不良なら休む判断をするか」をすり合わせておくことも重要です。
例:
- 朝の段階で調子が悪ければ○時までに必ず連絡する
- 短時間の在宅勤務に切り替える選択肢を設ける
- 休んだ場合は翌日どうリカバリーするかも共有しておく
こうしたルールがあることで、本人も「休む=迷惑をかける」ではなく「職場の合意ルールに沿って対応している」と安心できます。企業側も突発的な欠勤への不安が軽減され、信頼関係を築きやすくなります。
業務内容の調整
複数の仕事を同時並行でこなすより、単一タスクの方が安定する人も多いです。求職者に合わせた業務設計がポイントです。
面接時の聞き方の工夫
- 「どんな配慮があれば働きやすいですか?」
- 「できること・できないことを整理して教えてください」
このように「禁止」「制限」ではなく「働きやすさ」を基準に質問すると、安心して答えやすくなります。
面接での伝え方と確認の仕方(すり合わせの実例)
求職者の伝え方
「できること」と「難しいこと」をセットで伝えると、前向きな印象を与えられます。
例:
- 「電話対応は難しいですが、メールでの顧客対応は得意です」
- 「残業はできませんが、朝の集中力が高いので午前中の業務は効率的にこなせます」
企業の聞き方
- 「一番力を発揮できる働き方はどのような形ですか?」
- 「体調不良時に、職場でできるサポートはありますか?」
会話例(対話形式)
- 求職者:「通勤ラッシュが苦手で、10時始業だと安定します」
- 企業:「時差出勤は社内制度にありますので調整可能です」
このように具体的なやり取りを通じて、互いに安心できる環境が整っていきます。
面接後のミスマッチを防ぐために
求人票と実際の勤務条件の差
- 「残業あり」の実態を確認する
- 「在宅可」とあっても、実際は週1日のみの場合もある
事前にすり合わせをしておかないと、入社後のトラブルにつながります。
エージェントを活用するメリット
- 本人が伝えにくい配慮事項を事前に企業へ伝えてくれる
例:「残業は難しい」「月2回の通院がある」など、直接本人が言いにくいことをエージェントが橋渡し役として伝えてくれるので、企業も確認しやすくなる。 - 面接練習や面接同席でサポートしてくれる
求職者にとっては安心感があり、企業にとっても「必要な情報がきちんと整理されている」状態で面接を進められる。 - 採用後の定着支援までつながるケースもある
採用後もフォローが入るため、企業側も「万が一の時に誰に相談すればよいか」が明確になり、受け入れやすい。 - 企業側も聞きにくいことをエージェント経由で確認できる
直接聞くと差別やハラスメントに当たりそうで迷う質問(例:「どの程度体調に波がありますか?」「配慮が必要な場面は?」)を、エージェントに事前に確認できる。
→ 企業は安心して採用判断ができ、本人も「聞かれにくいことをフォローしてもらえる」というメリットがある。
まとめ|安心して話せる面接にするために

精神障害のある方にとって、面接は「体調をどう伝えるか」「どこまで話すか」が大きな悩みです。企業にとっても「どう聞けばよいのか」「どんな配慮が必要なのか」は判断が難しいテーマです。
しかし、ここで大切なのは 病名や細かい診断内容を共有することではなく、働くために必要な具体的な条件や工夫を共有すること です。
求職者は「できること」と「難しいこと」をセットで伝えることで前向きな印象を残せますし、企業は「制限」ではなく「長く働くために必要な環境」を確認する姿勢を持つことが重要です。
また、調子の波や休むときのルールを事前に話し合っておけば、職場も本人も安心して働けます。さらに、エージェントを活用することで、本人が伝えにくい配慮事項を企業に代わりに伝えたり、企業側も直接は聞きにくい質問を確認できたりと、双方にメリットがあります。最終的に目指すのは、「体調を隠す面接」ではなく「工夫や配慮をすり合わせる面接」 です。
お互いが不安を率直に共有することで、ミスマッチを防ぎ、安定して長く働ける関係を築くことができます。
投稿者プロフィール
- 自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。







