2025/09/12
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営業事務の仕事内容【製造・商社編】|受発注管理・在庫調整・納期対応の実際

はじめに(製造・商社で営業事務が必要とされる理由)

製造業や商社は「モノの流れ」を扱う産業です。

商品や部品の仕入れから販売までの過程は複雑で、どこか一つでもミスがあると納期遅延や取引先の信頼低下につながってしまいます。その中で営業事務は、営業担当者をサポートしながら正確な事務処理を担い、企業全体の信頼を支える重要な存在です。

本記事では、製造業や商社での営業事務の具体的な仕事内容から、求められるスキル、障害者雇用におけるポイントまでわかりやすく解説します。

求職者の方にとって「自分に合った仕事かどうか」を判断できる参考になれば幸いです。


製造・商社における営業事務の仕事内容

受発注管理(仕事の中心業務)

営業事務の中心業務は「受発注管理」です。顧客から届いた注文内容をシステムに入力し、在庫状況を確認した上で仕入先や工場に発注を行います。
この業務では 正確性とスピード が求められます。入力ミスは納品遅れや取引停止につながるため、注意深さと冷静な対応力が大切です。

在庫管理・納期調整

商品が在庫切れにならないように在庫の動きを把握し、状況に応じて生産部門や仕入れ先と調整します。例えば「海外からの輸入部品が遅れている」といったトラブルが発生すれば、納期を再調整し顧客に説明する役割を担うこともあります。
こうした業務は「橋渡し役」としての調整力が必要になります。

営業担当者のサポート

営業担当者が外回りや商談に専念できるよう、見積書・請求書の作成、顧客へのメール・電話対応などを担当します。営業事務がいることで、営業は取引拡大や新規開拓に集中できるため、会社全体の売上を支える大切なポジションといえます。


1日の流れ(営業事務のスケジュール例)

営業事務の1日は、時間ごとにルーティンが決まっていることが多いです。以下は一例です。

  • 午前:受注データ入力・在庫確認
     朝一番に顧客からの注文メールを確認し、システムに入力。在庫状況を照会して不足があれば発注依頼を行います。
  • 午後:納期調整・見積書作成・電話対応
     営業担当から依頼された見積書を作成したり、仕入先や生産部門と納期調整を行います。取引先からの電話も多いため、臨機応変な対応力が求められます。
  • 終業前:翌日の受注確認・営業との打ち合わせ
     翌日の受注状況や在庫変動を確認し、必要に応じて営業と打ち合わせ。翌日の準備を整えてから1日を終えます。

求められるスキルと適性

必須スキル

PCスキル
営業事務では、Excelを使った在庫表管理や売上データの集計が日常的に行われます。特に、VLOOKUP関数を使った商品コード検索や、ピボットテーブルを使った受注データの分析は必須レベルのスキルです。例えば「この商品の在庫がどこに何個残っているか」を瞬時に確認できれば、納期調整や受注対応のスピードが大幅に向上します。

正確性と注意力
受発注や請求処理で数字や商品コードを間違えると、納品トラブルや取引先からの信頼低下につながります。1桁のミスが数百万円の取引に影響することもあるため、「ダブルチェックの習慣」「確認リストの活用」が重要です。正確に処理できる人は、大きな評価を得やすい職種といえます。

コミュニケーション力
営業事務は社内外との連携が多く、単なるデスクワークにとどまりません。営業担当や顧客、仕入先とのメール・電話でのやり取りが日常的に発生します。特に納期調整や在庫不足の説明は、相手に納得してもらえるよう「正確かつ丁寧に伝える力」が求められます。トラブルが発生したときに冷静に調整できる人は、周囲からの信頼も厚くなります。


あると有利なスキル

英語力
輸出入を扱う商社では、海外メーカーや顧客とのやり取りが発生します。英語のメールを読んで納期や数量を確認したり、シンプルな注文書に返答できるスキルがあると重宝されます。高度なビジネス英語が必須ではなく、「中学〜高校レベルの読み書き」でも十分役立つ場面があります。

ERPシステム(SAPなど)の経験
大手企業では、受発注や在庫管理を統合管理するERPシステムを導入していることが多く、操作経験がある人は即戦力になりやすいです。Excel中心の企業でも、ERPの概念を理解していると業務フローを把握しやすく、スムーズに適応できます。

数字への強さ
営業事務は「モノと数字を結びつける仕事」といえます。受発注の数量、在庫数、売上データなどを正しく処理できる力が重要です。単に数字を扱うだけでなく、「数字から傾向を読み取る力」があると、在庫の過不足を事前に察知したり、営業へ改善提案をすることも可能です。


このように、営業事務は「正確さ」と「調整力」に加え、数字やシステムを扱う力が求められます。必須スキルを押さえつつ、有利なスキルを磨くことで、より幅広い業務に対応できるようになります。


障害者雇用におけるポイント

向いている特性

営業事務は「正確性」と「継続性」が評価される仕事であり、障害のある方でも自身の特性を強みに変えやすい分野です。

  • コツコツと正確に作業を進められる
    受発注入力や請求書作成などは「1つひとつの正確な積み重ね」が成果につながります。慎重に確認しながら業務を進められる人は、大きな強みを発揮できます。
  • 集中力を発揮できる
    データ入力や在庫表管理など、集中して取り組むことで効率が上がる業務が多いのも特徴です。周囲からは「頼れる存在」として信頼を得やすくなります。
  • ルーチンワークが得意
    日々の受注確認や在庫チェックなど、一定の流れで進む業務が多いため、ルーティンワークが得意な人に向いています。「毎日同じ作業でも苦にならない」特性は、大きな適性ポイントです。

配慮が必要なケース

一方で、障害の種類によっては職場環境や業務分担に配慮が必要です。適切な工夫を行えば、長期的な定着や活躍が可能になります。

  • 精神障害のある人
    繁忙期や急なトラブル時に過度な負担がかかると、体調を崩してしまうことがあります。業務をチームで分担したり、休憩時間を柔軟に取れる仕組みを整えることで安心して働けます。
  • 身体障害のある人
    車椅子利用者にはバリアフリーオフィスの導入、通勤が難しい場合には在宅勤務を組み合わせるなど、物理的な環境整備が重要です。最近ではリモートでも受注処理やデータ入力が可能なシステムが整ってきており、選択肢が広がっています。
  • 発達障害のある人
    手順が曖昧だと混乱しやすいため、業務をマニュアル化したり、チェックリストを使って「見える化」する工夫が効果的です。たとえば「受注確認→在庫確認→発注入力」のように作業手順を図示しておくと、安心して業務を進められます。

営業事務は特性に合えば非常に安定して長く続けやすい仕事です。企業側も、ちょっとした配慮を取り入れることで、障害のある社員が大きな戦力になれる可能性を広げられます。


働くメリットと大変さ

メリット

  • 商流・物流・貿易に関する専門知識が身につく
    営業事務は、受発注や在庫管理を通じて「モノがどのように流れるか」を理解するポジションです。商社では輸出入に関わる貿易書類や関税知識に触れる機会もあり、将来役立つ専門性が自然と身についていきます。
  • 安定した役割で、組織の中で必要とされる実感を得られる
    営業担当や生産部門、仕入先など、多くの人が営業事務を頼りにしています。営業担当から「助かったよ」と感謝される場面も多く、縁の下の力持ちとしてのやりがいを感じられます。会社に欠かせない存在として安定した役割を担える点は、大きな魅力です。
  • 経理や購買管理など、別部署へのキャリアチェンジの可能性もある
    営業事務で培った数字管理や取引先対応のスキルは、経理や購買管理といった別部署でも活かせます。実際に「営業事務 → 経理」や「営業事務 → 調達・購買部門」とキャリアアップしている人も少なくありません。事務系職種の中で長期的なキャリア形成を目指せる点もメリットです。

大変さ

  • 納期トラブルや在庫切れなど、突発的な対応に追われることがある
    予定通りに納品できない、海外からの仕入れが遅れているなど、突発的な問題は日常的に発生します。そのたびに営業担当や取引先と調整を行い、最善策を探る必要があるため、冷静さと臨機応変さが求められます。
  • 正確性が求められるため、常に緊張感を持って業務を行う必要がある
    営業事務の仕事は「ミスをしないこと」が前提とされます。数字や商品コードの入力を一桁間違えるだけで、取引全体に影響が出る可能性もあります。常に気を張って仕事に臨む必要があるため、慣れるまではプレッシャーを感じやすい部分があります。

このように、営業事務は「専門知識が得られるやりがい」と「正確性ゆえのプレッシャー」の両方が存在する仕事です。自分の特性や働き方の希望に合うかどうかを見極めることが、長く続けるためのポイントといえるでしょう。


まとめ

製造業や商社における営業事務は、受発注管理や在庫調整、納期対応を通じて「モノの流れ」を支える重要な仕事です。表に出る営業担当を支える存在でありながら、その正確な事務処理や調整力が、取引先からの信頼や企業の安定経営に直結しています。

求められるのは、正確さ・継続性・調整力といったスキルや特性です。Excelを使ったデータ管理や、社内外とのやり取りで培われるコミュニケーション力は、他の事務職や経理・購買管理といったキャリアにもつながっていきます。特に「コツコツ取り組むのが得意」「決められた手順で進めると力を発揮できる」という方に向いている職種といえるでしょう。

一方で、納期トラブルや在庫不足など突発的な対応が求められる場面もあり、正確性が重視される分プレッシャーを感じることもあります。ただし、職場全体で連携しながら進める仕組みや、障害のある方への配慮を取り入れることで、安心して長く働き続けることが可能です。

営業事務の仕事は、決して裏方にとどまらず、企業の信頼を支える「縁の下の力持ち」。専門知識が自然と身につき、安定した役割を担えるやりがいある職種です。求職者の皆さんへ:
「自分の特性や強みを活かせる環境を見つけ、安心して挑戦してほしい」。営業事務は、努力と工夫が確実に評価につながるフィールドです。自分に合った職場を選び、ぜひ一歩を踏み出してください。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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