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知的障害者向け|新卒・中途採用で失敗しない仕事の探し方と企業への伝え方

この記事の内容
はじめに|知的障害を持つ方が就職を成功させるには

「就職活動の具体的な方法が分からない」「面接で何を話せばいいの?」。
知的障害を持つ方やそのご家族は、就職活動に関して多くの悩みを抱えているのではないでしょうか。
しかし、知的障害を持つ方には、マニュアルに沿った作業を正確にこなす集中力や、一度覚えた仕事を繰り返し着実にやり遂げる力といった、仕事で大きな強みとなる特性があります。
この記事では、知的障害を持つ方が就職を成功させ、その素晴らしい強みを仕事で活かせるように、就職活動の具体的な流れ、支援機関の活用方法、面接対策、そして自分に合った仕事の選び方までを徹底解説します。
知的障害者の特性|仕事で活かせる強みと向き合うべき課題
知的障害の特性は人それぞれですが、仕事において以下のような強みと課題が見られることが一般的です。
仕事で活かせる強み
- 集中力と正確さ: マニュアルに沿った反復作業を、高い集中力で正確にこなすことができます。
- 着実な実行力: 一度覚えた仕事を、毎日同じ品質で安定してやり遂げる力があります。
- 素直さと真面目さ: 指示されたことを素直に聞き入れ、真面目に仕事に取り組むことができます。
仕事で向き合うべき課題
- 臨機応変な対応: 予期せぬ状況や急な変更に対応するのが難しい場合があります。
- 抽象的な指示の理解: 抽象的な指示や複雑なタスクを一度に理解するのが難しい場合があります。
- 新しい環境への適応: 新しい職場や人間関係に慣れるまでに時間がかかる場合があります。
これらの特性を企業に正直に伝えることで、適切な配慮を得られ、仕事で強みを最大限に活かすことができます。
知的障害者の就職活動|新卒と中途それぞれの実情
新卒採用の場合
特別支援学校を卒業する新卒者の就職活動は、学校が企業との間に立ってサポートすることが一般的です。主な就職先は、学校の紹介や、企業との連携による採用が多いです。特別支援学校の進路指導や、就労移行支援事業所との連携を通じて、自分に合った仕事を見つけられます。
中途採用の場合
中途採用で就職活動を行う場合は、ハローワークや、障害者雇用専門の転職エージェントの活用が中心となります。慢性的な人手不足から、多くの企業がポテンシャルを重視した採用に力を入れているのが実情です。
1. 専門支援機関の活用が中心
知的障害を持つ方の就職活動は、一般の転職市場とは異なり、専門的なサポートが不可欠です。そのため、就労移行支援事業所やハローワークの専門相談員、そして障害者雇用に特化した転職エージェントの活用が中心となります。これらの機関は、個人の特性を理解し、企業との間に立って調整役を担うため、ミスマッチが減り、就職の成功率が高まります。
2. ポテンシャル重視の背景
知的障害を持つ方が中途採用で求められるのは、即戦力となる高度なスキルよりも、「仕事への意欲」や「真面目さ」「協調性」といったポテンシャルです。多くの企業が人手不足に悩む中、これらの特性は、長期的に安定して働いてくれる人材として高く評価されます。企業は、入社後のOJTやマニュアルで業務を覚えてもらうことを前提に採用活動を進めることが多いため、このポテンシャルを重視する傾向が強くなっています。
したがって、知的障害を持つ方の中途採用は、専門支援機関を活用し、仕事への意欲や真面目さをアピールすることが成功への鍵となります。
知的障害者が多く就いている仕事と事務職の実情

多く就いている仕事
知的障害を持つ方が多く就いている仕事は、以下のような特徴があります。
- 製造・軽作業: 部品の組み立て、検品、梱包など、マニュアル化された反復作業が多く、集中力や手先の器用さが活かせます。
- 清掃・施設管理: 店舗やオフィスの清掃、設備の点検など、業務内容が明確で、責任感が求められます。
- スーパー・小売店: 品出し、商品整理、バックヤードでの軽作業など。
- 農業: 農作物の栽培、収穫、袋詰め、出荷準備など、自然の中で体を動かす作業が中心です。
- 飲食業: レストランやカフェの厨房での食器洗浄、食材の仕込み、清掃などがあります。
- 事務補助: 書類のスキャンやPDF化、簡単なデータ入力、郵便物の仕分けなど、事務作業のサポート業務です。
これらの職種は、一人ひとりの特性やスキルに合わせて、柔軟な働き方が検討されます。
事務職の実情は?
一概には言えませんが、事務職を望むことは可能ですが一般企業での事務職は難しい場合が多いです。多くの事務職は、複数のタスクを同時にこなすマルチタスクや、臨機応変な対応が求められるためです。
そのため、知的障害を持つ方には、書類のスキャンやPDF化、簡単なデータ入力といった、「事務補助」や「事務代行」のポジションが中心となります。
就職活動の鍵|専門的な支援機関の活用
就労移行支援事業所とは?
就労移行支援事業所は、障害を持つ方が一般企業に就職するために、職業訓練や就職活動のサポートを受けられる場所です。自分の得意なことや苦手なことを知り、職務経験を積むためのプログラムが用意されています。
ハローワークと転職エージェント
- ハローワーク: 障害者専門の相談員が在籍しており、地域に密着した求人情報が豊富です。
- 転職エージェント: 企業との間に立って、給与や配慮事項について交渉してくれます。また、求人サイトに掲載されていない「非公開求人」を多く保有しているため、自分に合った仕事を見つけやすいです。
面接対策|企業への伝え方と自分に合った仕事の見つけ方
面接で伝えるべきこと
- 自分の得意なこと: 過去の経験から、自分が得意なことや好きなことを具体的に伝えましょう。
- 苦手なことと工夫: 苦手なことだけでなく、「どうすればうまくできるか」という工夫をセットで伝えましょう。
- 必要な配慮: 勤務時間や業務内容など、必要な配慮を具体的に伝えましょう。
人事担当者は何を考えている?|企業が求める3つのポイント

人事担当者は、障害を持つ方を採用する際に、スキルや経歴だけでなく、仕事への意欲や協調性といった「人物像」を非常に重視しています。
ここでは、多くの企業が共通して求める3つのポイントを解説します。
1. 仕事への意欲と素直さ
知的障害を持つ方が仕事で活躍するためには、「言われたことを素直に聞き、着実に実行する力」が非常に重要です。人事担当者は、面接で「なぜこの会社で働きたいのですか?」といった質問を通して、仕事への意欲や、指示されたことを真面目に取り組む姿勢があるかどうかを見ています。
2. 協調性とコミュニケーション能力
チームの一員として働く上で、周囲と円滑なコミュニケーションをとれるかどうかも重要なポイントです。
たとえば、「報連相(報告・連絡・相談)」を適切に行えるか、困ったときに一人で抱え込まず、助けを求められるかといった点を見ています。
3. 長期的なキャリアへの意欲
企業は、採用や育成にコストをかけています。そのため、短期で退職してしまうのではなく、長く安定して働いてくれることを強く期待しています。 面接では、「この会社で、どのような仕事を続けていきたいですか?」といった質問を通して、長期就労への意欲を測ることがあります。
これらは、知的障害を持つ方だけでなく、すべての求職者に共通して求められる資質です。自分の強みや意欲をしっかりとアピールすることが、採用を勝ち取るための鍵となります。
まとめ|就職はゴールじゃない。新しいスタート
就職はゴールではなく、新しいスタートです。専門的な支援機関を活用し、具体的なステップを踏むことで、就職を成功させ、安定して働き続けられます。
知的障害を持つ方へのメッセージ
「仕事への意欲」や「素直さ」「協調性」は、企業が最も重視するポイントです。あなたの「地道にコツコツと取り組む力」や「マニュアルに沿って正確に作業をこなす集中力」は、仕事で大きな強みとなります。
就労移行支援事業所やハローワークといった専門機関を積極的に活用し、あなたの強みを活かせる仕事を見つけてください。就職は、新しい自分に出会い、成長するためのスタートラインです。
あなたの挑戦を心から応援しています。
投稿者プロフィール
- 自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。







