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「すぐに一般就労は不安…」そんな人におすすめの就労継続支援A型とは?

この記事の内容
はじめに
「就職するなら、やっぱり一般就労を目指すべき」――そう考える人は少なくありません。
しかし現実には、体調の波や過去の経験から、いきなりフルタイムで働くのが難しい人も多くいます。そんなとき、「就労継続支援A型(以下、A型)」という選択肢があります。
A型と聞くと、「給料が安い」「単純作業ばかり」というイメージを持つ方もいるかもしれません。確かに従来は封入作業や軽作業が中心でしたが、近年は大きく変わりつつあります。
例えば、パソコンを使ったデータ入力やSNS運用、さらには生成AIを活用した業務に挑戦できる事業所も出てきています。 利用者は、一般的なスクールなら数十万円かかるような学びを、なんと「A型に通うことで無料で身につけられる」ケースもあるのです。
つまりA型は、「ただ働く場所」ではなく、スキルを磨きながら社会参加できる“中間ステップ”。
一般就労に向けた準備として利用する人もいれば、「自分のペースで安心して働ける居場所」として長期的に選ぶ人もいます。
本記事では、なぜA型を選ぶ人がいるのか、その背景や決め手、そして事業所側の本音や新しい取り組みまで解説します。
「A型って意外と可能性があるんだ」と思える内容をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。
A型事業所を選択肢に入れる人が少ない理由
世間的に「給料が低い」と思われている
A型事業所の工賃(給与)は、一般企業と比べれば確かに低めです。そのため「生活できないのでは?」と考え、そもそも検討の対象から外してしまう人が多いのが現実です。
仕事内容が単純でスキルアップにならないと誤解されている
軽作業や内職的な業務が多いイメージから、「やってもスキルにならない」と思われがちです。しかし実際には、PCを使った事務作業やデータ入力、SNS運用など、新しい業務に挑戦している事業所も増えています。
「一般就労こそ成功」というイメージの強さ
社会的に「企業に就職してこそ成功」という価値観が根強くあります。そのため、A型を選ぶことを「遠回り」「妥協」と感じてしまい、候補から外す人もいます。
A型自体を知らない人も多い(情報不足)
「A型事業所」という制度自体を知らない方も少なくありません。就労移行支援やB型事業所は耳にしていても、A型の特徴やメリットが伝わっていないため、最初から候補にならないケースがあるのです。
A型に入所する人の思いときっかけ

体調面でフルタイムや一般就労が不安
「週5日フルタイムで働くのは体力的にも精神的にも難しい」「無理をしてまた休職してしまうのではないか」という不安から、A型を選ぶ人は多くいます。
うつ病や双極性障害、身体疾患などで体調が安定しにくい場合、一般就労のペースに合わせるのは大きなプレッシャーです。A型では、週2〜3日の短時間勤務から始められるため、「今の自分のペースで働ける」という安心感を得やすいのです。
過去の就労経験でうまくいかず自信をなくした
「仕事に就いたものの、人間関係や業務量の負担で長続きしなかった」――こうした経験から、自信を失ってしまった人にとって、再び就職活動をするのはとてもハードルが高いことです。
A型では、支援員が日々の様子を見守りながら「少しずつできたこと」を一緒に振り返ってくれるため、失った自己肯定感を取り戻しやすい環境が整っています。「もう一度やり直したい」という気持ちに寄り添う場所として、A型を選ぶ人は少なくありません。
ハローワークや支援機関から紹介されて知った
実は、自らA型を探して見つける人は多くありません。多くの場合はハローワークや就労支援機関、地域の相談支援事業所などからの紹介でA型を知ります。
「いきなり一般就労は難しいけれど、家にこもってばかりでも回復が進まない」という状況で、支援員から「まずはA型でリズムを整えましょう」と提案され、選択肢に入るケースが多いのです。第三者からの提案は、本人が前向きな一歩を踏み出す大きなきっかけになります。
家族や医師のすすめで見学に行ったのがきっかけ
家族や主治医は、本人の体調や生活の様子を一番近くで見ています。「無理に一般就労を目指すより、まずは安心できる段階を踏んだ方が良い」と助言し、A型をすすめるケースも多くあります。
実際に見学に行くと、事業所の雰囲気や支援員の対応がわかり、「ここなら安心して通えそう」と感じて入所を決める人が多いです。パンフレットや説明では伝わらない“空気感”を体験することが、決断の後押しになります。
A型での実際の経験と感じること

日々の出勤リズムがついた
A型に通う大きなメリットの一つは、「毎日決まった時間に出勤する」という生活リズムが整うことです。最初は週3日や短時間から始めても、徐々に通う習慣が身につくことで、心身ともに安定していきます。
支援員がサポートしてくれる安心感
職場で悩んだり体調を崩したときに、すぐに相談できる支援員がそばにいるのも安心です。一般就労では上司に相談しにくいことも、A型では支援員が間に入って調整してくれるため、不安を抱え込まずに働き続けられます。
一般就労より負担が少なく、働く自信を回復できた
「いきなり企業で働くのは不安…」という人にとって、A型は負担を軽減しながら少しずつ自信を取り戻せる場です。短時間勤務や軽作業を通じて「自分でも働けるんだ」という感覚を得られることが、次のステップに大きくつながります。
ケース例(匿名)
- うつ病で離職 → A型で半年勤務 → PCスキルを磨き企業就労へ
過去の挫折で自信をなくしていたが、A型で事務作業に取り組みながら少しずつ自信を回復。支援員のフォローもあり、半年後には企業の事務職に就職できた。 - ASDで人間関係に悩み離職 → A型で軽作業 → 働く習慣を再構築
人間関係が原因で退職したが、A型では一人作業が中心の軽作業を担当。人と適度な距離を保ちながら働ける環境で、再び働くリズムを取り戻すことができた。
A型事業所を選ぶ際の決め手・基準
仕事内容が自分の特性に合っているか
体調や得意不得意に合わせて業務内容を選べるかどうかは非常に重要です。軽作業に集中できる人もいれば、PC業務で力を発揮できる人もいます。
職員のサポート体制(面談・相談しやすさ)
相談しやすい支援員がいるかどうかは、安心して通所を続けるカギです。定期面談や日々の声かけがあるかどうかも確認しましょう。
一般就労への移行実績があるか
「企業就労を目指したい」と考える人は、その事業所からどのくらい一般就労につながっているか実績を確認しておくと安心です。
通いやすさ(立地・交通手段)
どんなに良い事業所でも、通うのが大変だと続きません。自宅からの距離や交通手段も現実的な判断基準になります。
見学や体験で雰囲気を確かめることが大切
パンフレットや説明だけではわからないのが「雰囲気」です。実際に体験して「ここなら自分に合いそう」と思えるかどうかが決め手になります。
事業所側の思いと運営の実態

「利用者が社会参加できるように」との思いで運営している
多くの事業所は、単に「作業の場」を提供するのではなく、利用者が社会とつながり、自分らしく生活していけるようにという強い思いを持って運営しています。
例えば「毎日ここに通うこと自体が社会参加の第一歩」と考え、無理なく働けるリズムづくりをサポートしたり、一人ひとりの体調や性格に合わせて業務を調整したりしています。作業の成果そのものよりも、「今日も出勤できた」「仲間と一緒に作業できた」といった小さな成功体験を積み重ねることを大切にしているのです。
企業との連携や地域貢献を重視する事業所もある
近年では、地域企業から業務を請け負ったり、地元イベントや福祉フェアに協力したりと、地域社会に密着した活動を展開する事業所も増えています。
こうした連携により、利用者は「自分たちの仕事が社会の役に立っている」と実感しやすくなり、モチベーション向上にもつながります。中には、地域企業と継続的な取引を行い、一般就労への橋渡しにつなげている事業所もあります。
単なる「作業提供」ではなく、地域に根差した存在として、利用者も「社会の一員」としての役割を感じられる環境づくりが重視されているのです。
導入を進めている工夫
従来の軽作業に加え、ICTを活用した新しい取り組みを導入する事業所も出てきました。例えば、データ入力やWebサイト更新、SNS運用の補助など、在宅ワークや企業の業務委託を意識した作業を取り入れるケースです。
また、eラーニング教材を導入し、パソコンスキルやビジネスマナー、資格取得を支援する取り組みも広がっています。これにより「ただの作業所」から「学びと成長の場」へと進化している事業所もあります。
こうした工夫は、利用者にとって「スキルを積んで次につなげたい」という希望に応えるだけでなく、「安心して働きたい」という人にとっても自己成長を感じられるきっかけになっています。
一方で「作業中心」「工賃稼ぎ」だけに偏る事業所もある
残念ながら、すべての事業所が理想的なわけではありません。中には「とにかく作業量を増やして工賃を稼ぐこと」ばかりを優先し、利用者の成長や将来の可能性にあまり目を向けていない事業所も存在します。
そうした環境では、利用者が「ただ単純作業をこなすだけ」で終わってしまい、スキルアップや自信の回復につながらないこともあります。
利用者やその家族にとっては、見学や体験を通じて「ここで何を得られるのか」をしっかり見極めることが必要です。事業所の雰囲気や支援員の姿勢を確認することが、良い出会いにつながるポイントになります。
まとめ|A型は“妥協”ではなく“選択肢”
「A型を選ぶのは妥協なのではないか」「本当に意味があるのだろうか」――そんな声を耳にすることもあります。
しかし実際には、A型は“働き続けるための大切なステップ”であり、“安心して自分のペースを取り戻せる場”です。
- 一般就労だけが正解ではありません。
- A型は「働くリズムを整える」「自信を回復する」「新しいスキルを積む」ための中間ステップです。
- 長期的にA型で働くことも、一度ここで力を蓄えて次の段階に進むことも、どちらも立派な選択です。
大切なのは「自分に合った働き方を選ぶこと」。
無理をして再び体調を崩すよりも、自分のペースで少しずつキャリアを築いていく方が、結果として長く働き続けられる可能性は高まります。
事業所もまた、利用者が「ここにいてよかった」と思えるように、新しい業務を導入したり、支援体制を工夫したりと、前向きな挑戦を続けています。A型は決して“作業をこなすだけの場”ではなく、人生を立て直すきっかけになりうるのです。
もし「一般就労にすぐ進むのは不安…」と感じているなら、A型は間違いなくあなたの選択肢の一つです。
焦らなくて大丈夫。少しずつ、自分のペースで。
その一歩が、これからの未来につながっていきます。
投稿者プロフィール
- 自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。







