2025/11/21
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【採用時期予測】障害者雇用で求人が増えるのはいつ?内定を掴むための年間カレンダー戦略

この記事の内容

はじめに:内定を掴むカギは「時期」にあり。企業の採用サイクルを読む戦略

就職活動は、努力やスキルだけでなく、「タイミング」が成否を大きく左右します。特に障害者雇用では、企業の採用の動きが一般採用とは異なる独自のサイクルを持っているため、闇雲に応募するだけでは非効率です。


記事の導入:企業の予算や年度末・年度初めの動きに合わせて求人時期が変動することに触れ、戦略的な活動の必要性を提示

障害者雇用における求人の動きは、企業の予算消化体制変更に強く連動します。

  • 年度末(1月〜3月): 企業は、新年度(4月)の組織体制が固まる前に、必要な人材の採用を完了させたいというプレッシャーがあります。
  • 雇用率算定月(4月〜7月): 法定雇用率の算定時期に向けて、罰則(納付金)のリスクを回避するための緊急的な採用ニーズが高まります。

これらの企業の動きに合わせて、戦略的な活動を行うことが、内定を掴むための必須条件となります。

記事の結論:求人が最も増える時期(1月〜3月、7月前)を把握し、入社希望時期から逆算して動く「年間カレンダー戦略」が不可欠である

求人が最も増える時期(1月〜3月、7月前)を把握し、入社希望時期から逆算して動く「年間カレンダー戦略」が不可欠である。

  • 戦略: 企業が採用に積極的になる「ピークの時期」を事前に把握し、応募書類の準備、スキルアップ、面接対策といった活動を逆算して進めることが、競争を勝ち抜くための唯一の道です。

この年間カレンダー戦略を駆使し、あなたの就職活動を成功へと導きましょう。


1. 障害者雇用「求人増加」の年間サイクルと理由

障害者雇用の求人数は、企業の「予算」と「法定雇用率の算定」という、明確な経営サイクルに連動して変動します。この年間サイクルを理解することで、最も内定が出やすい時期に活動を集中させる戦略が立てられます。


求人増加のピーク:1月〜3月(4月入社準備)

年間のうち、求人公開と選考活動が最も活発になるのがこの時期です。

  • 年度末の予算消化と、新年度の体制強化を見据えた採用活動が集中する:
    • 理由: 多くの企業は、4月を新年度のスタートとします。この時期までに新体制に必要な人材の確保を完了させたいという明確なニーズがあります。
    • 予算の動き: 年度末(3月)までに採用活動を終えることで、翌年度の人件費予算を確定させやすく、また、前年度の予算を使って採用活動の費用を消化したいという企業の意図も働きます。
    • 戦略的意味: 4月入社は研修制度なども整いやすいため、未経験者やポテンシャル層が最も内定を掴みやすい時期と言えます。

第二のピーク:4月〜6月(雇用率引き上げ対策)

法定雇用率の算定時期に向けた、緊急性の高い採用活動が発生します。

  • 7月の法定雇用率(2.7%)の算定に向けて、滑り込みで採用を強化する時期:
    • 理由: 企業の障害者雇用率は、毎年6月1日時点の在籍状況で算定されます(※法定雇用率の引き上げ時期に合わせて、算定時期のプレッシャーも高まります)。
    • 緊急性: 雇用率未達成による納付金リスクを回避するため、企業は5月〜6月にかけて「滑り込み」で採用を急ぎます。
    • 戦略的意味: この時期に出る求人は緊急性が高いため、選考スピードが速くなる傾向がありますが、職種が単純作業や定型業務に偏る可能性もあります。

企業の採用決定プロセス

内定を掴むためには、企業の選考期間を逆算して活動を始める必要があります。

  • 求人公開から内定まで1〜2ヶ月かかるため、4月入社のためには1月・2月が活動のベストタイミングとなる:
    • 期間: 一般的に、書類選考から二次面接、内定、そして入社前の合理的配慮の最終調整には、最低でも1ヶ月〜1.5ヶ月の期間が必要です。
    • 逆算: 4月1日入社を目指す場合、遅くとも2月中旬までには応募を完了させ、選考に入っている必要があります。年明けの1月・2月こそが、最も重要な活動開始のベストタイミングなのです。

2. 年明けの採用戦略:なぜ企業は「4月入社」を好むのか? 

年明けの採用活動が4月入社を目指して集中するのは、労務・経理上の合理性と、組織的な効率という、企業側の明確な事情があるからです。この裏側を知ることで、求職者は入社時期の交渉や、準備のタイミングを最適化できます。


労務管理・予算の効率化

多くの企業が4月を年度の区切りとしているため、この時期に入社日を合わせることは、事務処理上の大きな合理性があります。

  • 社会保険の手続きや給与計算が月単位で行われるため:
    • 社会保険: 健康保険や厚生年金といった社会保険の資格取得手続きは、月の初日(1日)に入社しても、月の途中に入社しても、原則としてその月の保険料が満額発生します。このため、企業は事務処理を効率化するためにも、給与計算をシンプルにするためにも、入社日を月の1日付けとすることが合理的です
    • 給与計算: 多くの企業は給与を月単位で計算しているため、月の途中の入社となると複雑な日割り計算が必要となり、ミスの原因となります。1日付け入社であれば、満額支給のルールが適用でき、人事・経理部門の業務が効率化します。
  • 新年度予算が4月から適用されるため:
    • 新しい人材の採用費用や人件費は、4月からの新年度予算で組まれることが多いため、企業は4月1日に入社を集中させたいと考えます。

研修・受け入れ体制の集中

入社日を統一することは、新入社員を効率よく戦力化するための組織的な戦略です。

  • 新入社員をまとめて受け入れることで、研修やシステムアカウント発行を効率的に行うため:
    • オンボーディング効率: 新入社員向けの初期研修、コンプライアンス研修、情報セキュリティ研修などは、まとめて行った方が講師や会場の手配コストが削減できます。
    • 現場の負担軽減: システムアカウントの発行PC・IDカードの手配といった事務作業も、一括処理する方が効率的です。個別に社員を受け入れると、その都度現場の上司や教育担当者が時間を割く必要があり、現場の業務負荷が増大します。
  • 障害者雇用におけるメリット: 4月入社は、合理的配慮のためのデスク配置補助機器の手配といった準備を、人事部門が集中して行うことができるため、スムーズな受け入れ体制を構築しやすいというメリットもあります。

求職者は、企業側のこの「4月集中」のロジックを理解し、1月〜2月を活動のピークに設定することが、内定を掴むための戦略となります。


3. 2.7%雇用率引き上げが採用市場にもたらす影響

法定雇用率が2.7%に引き上げられることは、単なる数字の変更ではありません。これは、企業の採用戦略と、求職者が持つ「市場価値」を根本から変える大きな構造変化です。


企業側の採用意欲の向上

雇用率の引き上げは、企業にとって納付金のリスクという明確なペナルティを伴うため、採用活動を強化せざるを得ない状況に追い込まれます。

  • 納付金リスクの増加により、これまで採用に消極的だった企業も、採用を強化せざるを得なくなる:
    • 納付金の影響: 法定雇用率が上がることで、未達成企業が支払う納付金(不足人数×月額5万円など)の総額が増加するリスクが極めて高くなります。この経済的負担は、特に中堅企業にとって無視できないものとなります。
    • 採用強化への転換: このリスクを回避するため、企業は「採用しても定着しないかもしれない」という不安を乗り越えてでも、積極的に採用活動を始めるようになります。
    • 効果: 結果として、求職者にとっては、これまで門戸が閉ざされていた大手企業や、初めて障害者雇用に踏み出す企業からの求人が増えることになります。

ポテンシャル採用の増加

採用枠が増加し、緊急性が高まることで、企業は即戦力だけでなく、将来の戦力を見据えたポテンシャル採用にも積極的になります。

  • 採用枠が増えることで、経験よりも意欲を重視するポテンシャル採用が増える可能性:
    • 即戦力化の難しさ: 障害者雇用は、募集してもすぐに採用できるわけではありません。7月の算定に向けて採用を急ぐ企業は、「いますぐ経験豊富な人材を」という要求を緩め、「入社後に育成すれば戦力になる意欲的な人材」を積極的に採用する傾向が強まります。
    • チャンスの拡大: 過去の職歴にブランクがある方、または就労移行支援などで実務スキルを習得中の方にとっては、「意欲と安定性」を強くアピールすることで、内定を掴む大きなチャンスとなります。
    • 注意点: ただし、ポテンシャル採用が増えても、企業は「自己管理能力」や「体調の安定性」は厳しくチェックします。意欲だけでなく、安定して働ける根拠を示す準備が重要です。

4. 求職者が取るべき「年間カレンダー戦略」

企業側の採用サイクル(1月〜3月のピーク)を理解したら、求職者はその動きに合わせた戦略的な行動を取る必要があります。活動時期を最適化することで、内定を掴む確率を飛躍的に高めることができます。


1月〜2月のアクション:大手・優良企業を狙う準備期間

年明けのこの時期は、4月入社を目指す企業が最も求人ニーズを高める、最も重要な活動期間です。

  • 応募書類を完成させ、内定まで時間がかかる大手企業や特例子会社に集中してアプローチする:
    • ターゲット: この時期は、研修体制が整っており、選考に時間がかかる大手企業や特例子会社が特に動き出します。これらの企業は、安定性手厚い配慮が期待できる優良企業が多いため、集中してアプローチしましょう。
    • 行動: 企業研究、応募書類(履歴書、職務経歴書、合理的配慮リスト)の完成度を最大化させます。内定までの期間が長いことを考慮し、早めに応募を開始することが重要です。
    • 戦略: 障害者雇用専門の転職エージェントを活用し、この時期に公開される優良な非公開求人を紹介してもらいましょう。

4月〜6月のアクション:スキル証明でポテンシャル採用を掴む

この時期は、雇用率算定に向けて緊急性が高まるため、スキル即戦力性が重要になります。

  • 求人が出揃う時期。即戦力を求める企業が増えるため、スキル証明(資格・ポートフォリオ)を武器に臨む:
    • 求人の増加: 4月以降、7月の雇用率算定に向けて、納付金リスクを回避したい企業が採用を強化します。
    • 求められるもの: この時期に出る求人は緊急性が高いため、「即戦力」となる人材が求められます。
    • 行動: ExcelのMOS資格簿記、IT系ならポートフォリオといった客観的なスキル証明を武器に臨みます。単に「学習中です」ではなく、「〇〇の資格を取得済みで、すぐに業務に貢献できます」と具体的な実績を示しましょう。
    • 戦略: 職場実習(トライアル雇用)の機会が増える時期でもあるため、積極的に参加し、「安定性」と「定着への意欲」を企業に体験してもらいましょう。

5. 選考スピードを上げるための戦略

障害者雇用の選考が長期化する最大の原因は、企業が合理的配慮の調整に時間を要することにあります。求職者側がこの調整時間を短縮するための戦略を取ることで、内定までのスピードを劇的に上げることが可能です。


配慮の明確化:調整時間を短縮する

応募書類の段階で配慮内容を明確に伝えることは、企業の「この人は採用後のリスクが低い」という判断を促します。

  • 応募書類で必要な配慮を具体的に伝え、企業側の調整時間を短縮する:
    • 戦略: 必要な配慮(例:静かな席の確保、残業の免除)を、履歴書やエントリーシートの「特記事項」欄で具体的に伝えましょう。
    • NG例: 「入社後に相談したい」—企業は不安を感じ、選考が停滞します。
    • OK例: 「精神障害の特性により、騒音による集中力低下を防ぐため、壁際の席を希望します。この配慮が、安定的な稼働を保証します」
    • 効果: 企業は、人事、現場、産業医といった複数の関係者間で配慮の可否を迅速に確認でき、選考プロセスがスムーズに進みます。

「1回面接・翌月入社」を実現する方法

企業の採用ロジックを読み、選考フローが短いルートを狙いましょう。

  • 企業の急募求人や中小企業を狙い、選考フローが短いルートを選ぶ:
    • 中小企業を狙う: 大企業は、複数の承認ステップを経るため選考が長期化しやすいですが、中小企業やベンチャー企業は、経営層が直接面接を行うことが多く、1回の面接で即日または翌日に内定が出るケースがあります。
    • 急募求人: 企業の欠員補充緊急性の高いプロジェクトのための求人は、選考スピードが非常に速いです。
    • 戦略: 月の初め(1日〜5日)に面接を受けることを集中させましょう。内定が月の早い段階で出れば、企業の労務管理の締めに間に合い、翌月1日付け入社が実現する可能性が高まります。
    • エージェントの活用: 障害者雇用専門の転職エージェントに、「選考が1〜2回で、入社を急いでいる企業」の情報を優先的に紹介してもらいましょう。

6. まとめ:時期を読む力と「安定性」が内定を掴む

本記事で解説したように、障害者雇用の選考は、企業の年間採用サイクルという明確な流れに沿って動いています。この「時期」を読む力と、自己管理によって築く「安定性」こそが、内定を掴むための最大の武器となります。


記事の要約:戦略的行動のベストタイミング

求人時期は1月〜3月がピークであり、4月入社を目指すなら今が行動のベストタイミングであることを改めて強調します。

  • 求人ピークの把握: 求人公開は1月〜3月がピークであり、企業の4月入社に向けた体制強化と予算消化の動きに連動しています。
  • 戦略的な行動: 応募から内定まで1ヶ月半かかることを逆算し、年明けの1月・2月を活動のベストタイミングと捉えることが不可欠です。
  • スキルの証明: 2.7%雇用率時代では、企業は「安定性」「実務直結のPCスキル」をより厳しく見極めています。

読者へのメッセージ:安定性を武器に、自信を持って挑戦を

時期を読み、スキルと安定性を武器に行動することで、内定を掴むよう促します。

  • 最大の武器: あなたの「安定した通所実績」「体調管理能力」は、欠勤リスクの低さを証明する、スキル以上に価値のある武器です。
  • 自信への転換: 不安に焦点を当てるのではなく、「この配慮があれば、御社に長期的に貢献できる」という論理的な自信に切り替えて、面接に臨んでください。

次のステップ:行動を始める

  1. 応募書類の最終チェック: 履歴書・職務経歴書に、必要な合理的配慮を具体的に記載し、「安定稼働のコミットメント」を明確に盛り込みましょう。
  2. スキルアップの継続: Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)などの実務直結スキル習得を継続し、面接でその学習意欲をアピールしましょう。

エージェントとの連携: 転職エージェントに対し、「4月入社を希望する」旨を伝え、選考スピードを上げるためのサポートを依頼しましょう。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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