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パーソナリティ障害のある人に向いている仕事・避けたい職種・働き続けるための工夫

この記事の内容
はじめに
パーソナリティ障害は、感情や行動のパターンが長期的かつ極端に偏り、社会生活や人間関係に影響を及ぼす精神疾患です。
症状や特徴は人によって異なりますが、就労においては人間関係のストレスや環境変化への適応が大きな課題となることが少なくありません。
一方で、自分に合った職場環境や業務内容を選び、適切なサポートや工夫を取り入れれば、長期的に安定して働き続けることは十分可能です。
本記事では、パーソナリティ障害のある方が仕事で直面しやすい困りごとや、向いている職場環境の条件、そして安定して働くためのポイントを解説します。
仕事で起こりやすい困りごと

人間関係の摩擦
パーソナリティ障害の特性によっては、同僚や上司との関係が不安定になりやすい場合があります。
- 境界性パーソナリティ障害:相手の態度や反応に敏感で、好意と不信感が極端に入れ替わる
- 妄想性パーソナリティ障害:周囲の言動を過剰に疑い、悪意があると解釈してしまう
- 回避性パーソナリティ障害:批判や拒絶を恐れ、必要なコミュニケーションを避ける
結果として、チーム内で孤立したり、誤解が積み重なってストレスが増すことがあります。
感情の起伏とパフォーマンスの波
- 感情が高ぶると集中力や判断力が低下
- 気分の落ち込みが長引くと、欠勤や遅刻が増える
- 衝動的な言動がトラブルの原因になる
例:会議で意見が否定されたと感じて突然退席し、その後数日間職場に来られなくなるケース。
過度な完璧主義や依存
- 強迫性パーソナリティ障害:業務の細部にこだわりすぎて納期に間に合わない
- 依存性パーソナリティ障害:上司や同僚の判断に頼りすぎて、自主的な判断ができなくなる
このような傾向は、本人のストレスだけでなく周囲の負担にもつながります。
向いている職場環境
少人数または個別作業中心
大人数のチームやオープンスペースよりも、人間関係の変動が少ない環境が適しています。
例:
- 小規模事務所での事務作業
- 研究室や工房での専門作業
- 図書館・倉庫管理などの静かな業務
明確な業務フロー
業務内容や手順が曖昧だと不安や混乱を招きやすく、ストレスが増します。
マニュアルやチェックリストが整備されている職場では、安心して仕事を進めやすくなります。
チェックポイント
- 業務マニュアルが紙やデジタルで共有されているか
- 口頭指示だけでなく文書やメールでの確認があるか
柔軟な勤務制度
パーソナリティ障害の症状は日によって波があり、体調や感情のコントロールが難しい日もあります。
在宅勤務や時短勤務、フレックスタイムが利用できる職場は、安定した就労に大きく役立ちます。
在宅勤務事例
- IT系企業でのデータ入力やライティング業務を在宅で実施
- オンライン会議やチャットツールでの連絡を中心にし、対面でのコミュニケーションを最小限に抑える
- 通勤ストレスが減ることで、感情の波が穏やかになり欠勤が減少
具体的な職種例
データ入力
- マニュアルに沿って正確に作業する業務
- 人との接触が少なく、自分のペースで進められる
- 例:企業の顧客情報入力、アンケート集計、在庫データ管理
Web制作・デザイン
- 個別作業中心で、オンラインで完結する案件も多い
- デザインやコーディングなど、集中力や専門スキルを活かせる
- 例:ホームページ制作、バナー作成、LPデザイン
資料管理・バックオフィス業務
- 静かな環境でのルーチン作業が中心
- 社内文書や契約書、研究資料などを整理・保管する
- 例:企業の総務部での契約書管理、研究機関での資料分類・スキャン業務、製造業の品質管理部での記録保管
避けたほうがよい職種
高ストレス営業職
- 売上ノルマや成績評価が厳しい
- 顧客や上司からのプレッシャーが強く、感情コントロールが難しくなる恐れ
常に顧客対応が必要な接客業
- クレーム対応や急な要望への対応が多く、精神的負担が大きい
- 突発的な業務変更や臨機応変な対応が求められる
不規則勤務・夜勤
- 睡眠リズムの乱れが症状悪化の引き金になる
- 身体的負担も大きく、長期就労には不向き
働き続けるための工夫

セルフケア(睡眠・運動・食事)
- 睡眠:毎日同じ時間に就寝・起床する
- 運動:軽いウォーキングやストレッチでストレス軽減
- 食事:栄養バランスを意識し、過度なカフェイン・糖分を控える
感情コントロール法
- 呼吸法(腹式呼吸)やマインドフルネス瞑想を日常に取り入れる
- 感情が高ぶった時は一旦席を離れ、落ち着いてから対応する
職場での配慮依頼
上司への伝え方例
「業務の進捗や優先順位を、口頭だけでなくメールでもいただけると助かります」
「感情が不安定になった時、短時間席を外してもよい環境を作っていただけると業務に集中できます」
支援制度
障害者雇用枠
- 精神障害者保健福祉手帳を取得すると利用可能
- 配慮のある職場環境で働けるほか、定着支援を受けやすい
ジョブコーチ制度
- 専門の支援員が職場に訪問し、業務や人間関係の調整をサポート
- 本人と企業双方にとって、安定就労を実現するための架け橋となる
職業リハビリテーション
- ハローワークや地域障害者職業センターで受けられる
- 職業訓練や就労体験、職場適応訓練などが含まれる
まとめ

パーソナリティ障害があっても、自分に合った職種と職場環境を選び、支援制度を上手に活用すれば長期就労は十分可能です。
- 少人数や静かな環境、明確な業務フローがある職場が安心
- 高ストレス・不規則勤務などは避ける
- セルフケアと感情コントロールで安定を維持
- 支援制度を活用し、職場と連携して働く
最後に
「働くこと」はゴールではなく、自分らしい生活を続けるための手段です。無理のない働き方を選び、長く安定したキャリアを築いていきましょう。
投稿者プロフィール
- 自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。









