2025/08/26
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履歴書にA型事業所の経験を書くとどう評価される?企業の本音とプラスに伝える工夫

はじめに

就職活動をしている方の中には、「A型事業所で働いてきた経験を履歴書に書いてよいのか?」と悩む人が少なくありません。
「マイナスに見られるのではないか」「そもそも評価されるのか」――そんな不安から、あえて記載しない人もいます。

一方で、企業側も「A型事業所ってどんなところ?」「そこでどんな経験を積めるのか?」を十分に理解しているとは言えません。A型はまだ社会的認知度が高いとはいえず、固定観念や誤解のまま判断されてしまうケースもあるのが現実です。

しかし近年のA型事業所では、単純作業だけでなく PCスキルやSNS運用、さらには生成AIを活用した実務トレーニング に挑戦できる場も増えています。
こうした新しい取り組みを履歴書や面接でしっかり伝えられれば、「継続力」「学ぶ姿勢」「新しい技術に取り組む力」 としてプラスに評価される可能性は十分にあるのです。

つまり、このテーマは「求職者にとっては“どう書けば前向きに伝わるか”」「企業にとっては“どう受け止めるのが適切か”」という両面に関わるもの。
本記事では、その双方にとって有益な視点を示し、A型での経験を前向きなキャリアにつなげるヒントを解説していきます。


企業はA型事業所の経験をどう見ているか

一般的には「ニュートラル〜ややマイナス」

多くの企業の人事担当者は「A型=一般企業で働くのが難しい人が通う場所」というイメージを持っています。
そのため、履歴書に「A型事業所勤務」とだけ記載すると、「スキル不足かもしれない」「働く力が不安定かもしれない」と警戒されることがあります。

内容次第では「プラス評価」も

一方で、A型事業所での経験は「どう伝えるか」によって、十分プラスに働く可能性があります。特に以下のような業務経験は、企業にとってもイメージがしやすく、採用の判断材料になり得ます。

  • PC作業(データ入力・表計算・文書作成)
     WordやExcelを使った入力や資料作成の経験は、どの職場でも応用が効くスキルです。
     「業務で毎日Excelを使用し、商品の在庫データを管理していた」といった具体的な書き方にすることで、単なる“PC作業”ではなく、実務能力として伝わります。
  • 事務補助(ファイリング・伝票処理)
     事務作業のサポートを経験していると、企業側も「即戦力になり得る」とイメージしやすいです。
     特に「細かい作業を丁寧に行った」「一定の正確性を求められる環境で続けてきた」ことを伝えると、責任感や集中力が評価されます。
  • SNS運用や広報業務のサポート
     最近は広報・マーケティング分野の需要も高く、SNS投稿の作成や写真撮影補助などの経験は意外と強いアピールポイントになります。
     「フォロワー数が増えた」「投稿を週に○件担当した」など成果や役割を具体的に伝えると、採用担当者も「業務に活かせる」と判断しやすくなります。

さらに重要なのが 「継続勤務の実績」 です。
1年以上安定して通所できた経験は、企業にとって「この人は毎日働く習慣がある」という安心材料になります。採用担当者は「実務経験がどれだけあるか」だけでなく、「働き続けられるか」を特に重視するため、長期勤務は大きな強みになるのです。

企業が注目するポイント

企業の採用担当者が履歴書を見るとき、単に「どこで働いたか」ではなく、「その経験から何が分かるか」 をチェックしています。A型での就労経験も同じで、以下の3つが特に注目されます。

① どんな作業をしてきたか(業務内容の具体性)

  • 採用担当は「実際にこの人にどんな仕事を任せられるのか」を知りたいと考えています。
  • 「軽作業」や「事務補助」だけでは具体性に欠け、スキルが伝わりません。
  • 例:
    • 「商品の検品・梱包作業を担当し、1日平均200点の確認を実施」
    • 「Excelを用いたデータ入力を行い、在庫管理表を作成」
      → 作業内容を明確に書くことで、企業は「実務に近い経験をしている」と理解できます。

② どのくらいの期間続けられたか(継続力)

  • 企業にとって最も重要なのは「採用した後、この人が続けて働けるかどうか」です。
  • A型で「週5日勤務を2年間継続」などの実績は、安定性の証拠になります。
  • 特に精神疾患や発達障害がある場合、「出勤の安定性」が確認できると安心材料になります。
  • 数字で示すのが効果的です。
    • 「週4日勤務を1年以上継続」
    • 「欠勤率5%以下で勤務」

③ その経験から何を得たのか(姿勢・成果)

  • 単に「業務をこなした」ではなく、「その中で何を学んだか」「どう成長したか」を伝えると評価が上がります。
  • 例:
    • 「検品作業を通じて、正確性と集中力を身につけた」
    • 「SNS運用の補助を担当し、発信力とチームとの協力を学んだ」
  • 企業は「学び取る姿勢がある人は、入社後も成長できる」と考えるため、プラスに働きます。

💡 履歴書には、この3つを盛り込むことが大切です。

  1. 具体的な業務内容(何を担当したか)
  2. 継続期間や安定性(どのくらい続けられたか)
  3. 学びや成果(どう成長したか、どんな姿勢で取り組んだか)

この3点がしっかり伝われば、A型での経験は「単なる作業」ではなく「実務力・継続力・成長性の証拠」として評価される可能性が高まります。


履歴書に書くときの工夫

具体的な業務内容を明記する

履歴書に「A型事業所勤務(軽作業)」とだけ書いてしまうと、採用担当者には仕事の中身がまったく伝わりません。
この場合「どんな力がある人なのか」が分からず、結果的にマイナスイメージにつながってしまうこともあります。

一方で、具体的な業務内容を書けば「この経験はうちの会社でも活かせそうだ」とイメージしてもらいやすくなります。

例:

  • NG例(抽象的すぎる)
     「軽作業を担当」
     → 何をしたのか分からず、評価が難しい。
  • 改善例(具体的)
     「商品の検品・梱包を担当し、1日平均200点の確認作業を実施」
     → 正確性・集中力が伝わる。
  • 改善例(スキルが見える)
     「データ入力業務を習得し、Excelで在庫管理表を作成。週5日勤務を2年間継続」
     → PCスキルと継続力が同時にアピールできる。
  • 改善例(成果がある)
     「SNS投稿記事を週3本担当。内容改善によりフォロワーが1000人増加」
     → 成果を数値で示せると、さらに説得力が増す。

継続力をアピール

「週5日勤務を2年間継続」「欠勤率5%以下」など、勤務の安定性を数字で示すと説得力が増します。企業にとって「続けられる力」は大きな評価ポイントです。

学んだスキルを強調

A型事業所での経験を履歴書に書くとき、学んだスキルをどのように表現するか は非常に重要です。企業が知りたいのは「この人がうちの職場でどんな力を発揮できるか」です。
そのため「作業をしていました」と書くよりも、「どんなスキルを身につけたのか」「それをどのように活かせるか」 を具体的に伝える必要があります。

強調すべきスキル例

  • PCスキル
     例:「Word・Excelの基本操作を習得し、文書作成や在庫管理表を作成」
     → ほぼすべての職場で活かせる汎用スキル。
  • AIツールの活用
     例:「生成AIを用いて記事の下書きを作成、効率的に業務を進める経験を積んだ」
     → 先進的なスキルとして注目されやすい。
  • Eラーニングでの学習
     例:「ビジネスマナー研修やPC基礎講座を修了。資格取得にも挑戦」
     → 自ら学び続ける姿勢をアピールできる。
  • 業務特有のスキル
     例:「SNS運用に携わり、投稿記事を週3本作成。フォロワー数増加に貢献」
     → 成果が見えると「即戦力」としてイメージされやすい。

書き方のコツ

  • NG例:「PC作業をしました」
     → 内容が漠然としており、スキルが伝わらない。
  • 改善例:「Excelを使ったデータ入力を担当し、正確性とスピードを評価された」
     → 具体的なツール+評価された点を書くことで説得力が増す。
  • さらに良い例:「Word・Excelの基本操作を習得し、Eラーニングでビジネスマナーを学習。事務職として必要な基礎スキルを身につけた」
     → 「職場で活かせる形」に落とし込めている。

🔑 ポイントは“スキルの棚卸し

  1. 使ったツール名(Word/Excel/AIなど)を書く
  2. どんな業務に活かしたかを具体的に書く
  3. 成果や評価があれば加える

これを意識すれば、A型での学びが「ただの作業」ではなく「実務につながるスキル」として企業に伝わります。


面接での伝え方の工夫

「働くリズムを取り戻せた」と前向きに話す

「A型に通うことで毎日出勤する習慣がつき、働くリズムを整えることができました」と伝えることで、企業に安心感を与えられます。

「自信を回復できた」「新しい挑戦をした」と伝える

「PC作業に挑戦してスキルを身につけ、自信を持てるようになった」など、前向きな変化を具体的に話すと好印象です。

「今後どう活かすか」を明確に示す

「A型で学んだ入力作業の経験を、御社での事務補助業務に活かしたい」と未来志向で伝えることで、採用担当者はあなたの成長性をイメージしやすくなります。


事例紹介(モデルケース)

マイナスに見られた例

Cさんは履歴書に「A型事業所勤務(軽作業)」とだけ記載しました。面接でも具体的な業務内容を伝えられず、「職務経験が曖昧」と判断され、不採用につながってしまいました。

プラスに伝わった例

一方、Dさんは「A型事業所にてデータ入力・商品の検品作業を担当。週5日勤務を2年間継続」と履歴書に具体的に記載しました。面接でも「生活リズムを整え、自信を回復できた」と話した結果、「安定して働ける人材」と評価され、一般企業の事務職に採用されました。


まとめ|伝え方次第でA型経験は強みにできる

A型事業所での経験を履歴書に書くことに、不安を感じる人は少なくありません。
「企業にどう思われるだろう」「マイナスに受け取られないか」と考えてしまい、必要以上に消極的になってしまうケースもあります。

しかし実際には、伝え方次第でA型経験は立派な強みになります。

  • 具体的な業務内容を示せば「実務経験」として評価される
  • 継続勤務の実績は「安定性」の証拠になる
  • 学んだスキルや成長エピソードを添えれば「意欲と学習姿勢」が伝わる

つまり、A型での日々は「ただの通過点」ではなく、自分の努力や成長を示すキャリアの一部なのです。

企業が知りたいのは、「あなたがどんな力を持っていて、どんな姿勢で働いてきたのか」。
その答えをしっかりと履歴書や面接で伝えることができれば、A型での経験はむしろ安心材料となり、プラスの評価につながります。求職者へのメッセージ
「A型に通っていたから不利になる」と思う必要はありません。
むしろ「A型を通じて学んだこと」「続けてきたこと」は、あなたの誇れる経験です。
自分の歩みを否定せず、自信を持って伝えてください。
その経験こそが、次のキャリアへの確かな一歩を支えています。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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