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特例子会社で働く人の一日スケジュールを紹介|事務・清掃・ITサポートのケース別

この記事の内容
はじめに
「特例子会社」という言葉を耳にしたことはあっても、実際にどのような仕事をして、どんな一日を過ごしているのかを具体的にイメージできる人は多くありません。
特例子会社は、障害のある方が安心して働けるように設立された仕組みですが、就職や転職を検討している人にとっては「実際にどんな働き方ができるのか?」が気になるポイントです。
そこで本記事では、事務・清掃・ITサポートという3つの代表的な職種を例に、特例子会社で働く人の一日スケジュールを紹介します。
「実際に働くイメージを持ちたい」「自分に合った職場環境を知りたい」と考える方にとって、応募前の参考になる内容です。
特例子会社の基本情報

特例子会社とは?(簡潔な定義)
特例子会社とは、障害者雇用促進法に基づき、国から認定を受けて設立された子会社のことです。
大企業がグループ全体で障害者雇用率を達成するために設けられるケースが多く、親会社と一体的に障害者雇用を進める役割を担っています。
企業には法定雇用率(2025年現在 2.5%、2026年には2.7%に引き上げ予定)が義務づけられており、特例子会社はその達成に直結する仕組みといえます。
つまり「障害者が安心して働ける環境を提供しながら、企業の雇用率を支える存在」が特例子会社の位置づけです。
主な業務内容の傾向
特例子会社で行われる業務は、障害のある方が能力を発揮しやすいように工夫されています。
代表的なものとしては、
- 事務補助(データ入力・書類整理・資料作成補助)
- 清掃や軽作業(オフィス清掃、郵便仕分け、備品管理)
- ITサポート(システムの簡単な運用、PC設定、ヘルプデスク対応)
- 印刷・発送業務(社内資料の印刷、封入作業、配送準備)
などが挙げられます。
特例子会社では、身体障害・知的障害・精神障害など多様な障害種別に対応できるよう、作業を分担・マニュアル化している点が特徴です。
働き方の特徴
特例子会社での働き方には、一般企業にはあまり見られない柔軟性と配慮があります。
- 勤務時間の柔軟性
通院や体調に合わせて時短勤務やシフト調整が可能。近年は在宅勤務を導入する企業も増加。 - 配慮体制
職場にはジョブコーチや支援員が配置され、業務の進め方や人間関係の悩みをサポートしてくれる。 - 仲間との安心感
障害を持つ社員が多数在籍しているため、孤立感を感じにくく、同じ立場の仲間と働ける安心感がある。
このように、特例子会社は「働きやすさ」と「安心感」を両立させた職場環境を整備しているのが特徴です。
特例子会社で働く人の一日スケジュール【ケース別】

「特例子会社では実際にどんな一日を過ごすのか?」という疑問に答えるため、ここでは事務補助・清掃業務・ITサポート業務の3つのケースを紹介します。
それぞれの働き方を知ることで、自分の特性や希望に合った仕事をイメージしやすくなるはずです。
ケース1:事務補助(発達障害のある方)
9:00 出社・朝礼
出社後、全体朝礼やチーム内のタスク確認を行います。今日の業務内容が整理されているため、不安を感じにくいのが特徴です。
午前:データ入力・書類整理・メール確認
午前中はパソコンでの入力業務や社内書類の整理を担当。業務はマニュアル化されているので、順序通りに作業を進めれば大きなミスも少なく、安心して働けます。
昼休憩
休憩室や社員食堂で同僚と食事。仲間と会話することでリフレッシュできます。
午後:資料作成補助・会議資料コピー・Excel作業
午後は上司や社員が使用する会議資料の印刷やコピー、Excelを使った表の作成補助を行います。細かな作業が中心なので、集中力を活かせる人に向いています。
16:00 支援員と進捗確認・1日の振り返り
終業前に支援員と面談し、作業の進み具合や困りごとを共有します。これにより、安心して翌日へつなげることができます。
ポイント: 作業手順がマニュアル化されているため、安心して業務を進められる環境が整っています。
ケース2:清掃業務(知的障害のある方)
8:30 出社・持ち場確認
ユニフォームに着替え、担当エリアを確認。支援員から一日の作業内容を伝えられます。
午前:オフィス清掃(机拭き・ごみ回収)
決められたフロアを回り、机や備品の拭き掃除、ごみの回収を行います。休憩をこまめに取りながら作業を続けられるのが特徴です。
昼休憩
同じ清掃チームのメンバーと一緒に昼食。コミュニケーションを取りやすい環境が整っています。
午後:共有スペース・会議室清掃、備品チェック
午後は会議室や共有スペースを中心に清掃を行い、ティッシュやトイレットペーパーなどの備品も点検・補充します。
15:30〜16:00 終業・支援員へ報告
作業を終えたら支援員に一日の成果を報告し、翌日の予定を確認して退勤します。
ポイント: 作業がルーティン化されているため、継続して働きやすい環境です。生活リズムを安定させたい方に適しています。
ケース3:ITサポート業務(身体障害のある方)
9:30 出社/在宅勤務開始
通勤が難しい日は在宅勤務を選べる場合もあり、体調や状況に応じて柔軟に働けます。
午前:PCチェック・システムログ確認・サポートチケット対応
親会社の社員が使用するシステムやPCの稼働状況を確認し、トラブルがあれば対応。ヘルプデスク業務として、メールや社内チャットでの問い合わせ対応も行います。
昼休憩
在宅勤務時は自宅で自由に休憩でき、通勤の負担がないため体調管理がしやすいのもメリットです。
午後:簡単なプログラム修正・資料作成・サポート業務
システムの小規模な修正やマニュアルの作成、親会社社員の作業サポートなどを担当します。専門スキルを活かせる業務が多いのが特徴です。
終業前:ジョブコーチと進捗確認
一日の作業内容を振り返り、ジョブコーチや上司と相談しながら翌日の業務を準備します。
ポイント: 専門スキルを活かしながら、キャリア形成につながる働き方ができるのが魅力です。
特例子会社で働くメリットを実感できるポイント
障害に対する理解と配慮
特例子会社は、障害に対する理解と配慮が制度として根付いている職場です。
通院のために勤務時間を柔軟に調整できたり、オフィス内はバリアフリー設備が整っていたりと、日常の働きやすさに直結する工夫がされています。
「無理をしなくても続けられる職場」という安心感が、長期的な就労の大きな支えになります。
仲間がいる安心感
多くの特例子会社には、同じように障害を持つ社員が働いています。
そのため孤立しにくく、互いに理解し合える環境で働けるのが特徴です。
同じ立場の仲間がいることで、「一人ではない」という安心感を得られ、精神的な安定にもつながります。
キャリア形成のサポート
特例子会社は「働くだけの場」ではなく、スキルアップやキャリア形成のためのサポートが用意されているケースも多いです。
- PCスキル研修:Word・Excelなど、実務に必要なスキルを習得
- ジョブコーチの配置:業務面や人間関係の悩みを支援
- ステップアップ支援:本人の適性に応じて、より高度な業務や将来のキャリアにつなげられる
これらのサポートにより、「ただ雇用される」だけでなく、将来を見据えた働き方が実現できます。
特例子会社で働く際の注意点・課題
業務が限定的になるケースもある
事務補助や清掃、軽作業といった業務が中心のため、「もっと専門的な仕事をしたい」と思う方には物足りなさを感じることもあります。
給与水準が親会社に比べ低め
親会社と比べると給与や賞与の水準が低いケースもあります。生活の安定は確保しやすいですが、収入面で大きな期待を持つとギャップを感じる可能性があります。
キャリアアップ制度は企業ごとに差がある
特例子会社の中には、親会社への転籍や昇進制度が整っていない場合もあります。
将来的なキャリア形成を考える際は、事前に制度や実績を確認することが重要です。
実際に働いている人の声(ミニインタビュー形式で紹介)
- 事務補助で働くAさん(発達障害)
「最初は不安でしたが、作業手順がマニュアル化されていて安心できました。小さな成功体験を積み重ねることで、自信を持てるようになりました。」 - 清掃業務で働くBさん(知的障害)
「体を動かす仕事は自分に合っていて、毎日規則正しい生活が送れるようになりました。仲間と協力して作業するのも楽しいです。」 - ITサポートで働くCさん(身体障害)
「自宅勤務が選べるので、体調に合わせて働けるのが助かっています。自分のスキルを活かせる職場で、やりがいを感じながら働けています。」
こうした声からも、特例子会社が「安心して働ける場」「自分の特性を活かせる場」であることが分かります。
まとめ|特例子会社は「働く第一歩」から「スキルを活かす場」へ

特例子会社は、障害のある方が安心して働ける環境を整えた特別な子会社です。
この記事で紹介した一日のスケジュールを通じて、実際の働き方を具体的にイメージできたのではないでしょうか。
- メリット:安心感・配慮・スキルアップの機会
- デメリット:業務範囲やキャリアアップの限界
確かに、現在は事務補助や清掃といった定型業務が中心の会社も多いですが、最近ではPCスキルやIT知識を活かせる業務、DXに関連する仕事を担う特例子会社も増えてきています。
親会社がバックオフィスの効率化やデジタル化を進める中で、特例子会社がその一部を担う動きは、今後さらに広がる可能性があります。
👉 つまり特例子会社は、これまでの「働く第一歩」としての役割に加えて、スキルを発揮し、キャリアを積み重ねる“新しい就労の場”へと進化していく可能性を秘めています。就職や転職を考えている方にとって、特例子会社は現実的で有力な選択肢のひとつです。
「安定して働ける環境」と「将来性」をあわせ持つ特例子会社で、自分に合った働き方を検討してみてください。
投稿者プロフィール
- 自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。







