2025/09/14
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製造業の安全衛生管理業務とは?事務職でも関われる仕事の内容と役割

はじめに

製造業の現場では、多くの機械や設備を扱うため、労働災害のリスクが高く、安全衛生管理は欠かせません。事故やケガを防ぎ、従業員が健康に働ける環境を維持することは、企業にとって非常に重要な課題です。

安全衛生管理の業務は現場の担当者だけでなく、事務職でも関われる業務が多く存在します。

本記事では、事務職でも関われる安全衛生管理業務の具体例や必要なスキル、キャリアの魅力について解説します。


安全衛生管理業務の全体像

製造業における安全衛生管理業務の目的は大きく分けて以下の3点です。

1. 労働災害の防止

製造現場では機械の操作や高所作業、重い荷物の取り扱いなど、常に事故やケガのリスクがあります。安全衛生管理の第一の目的は、こうした労働災害を未然に防ぐことです。例えば、作業マニュアルの整備や安全装置の点検、作業手順の見直しなどが日常的に行われます。また、ヒヤリハット(事故には至らなかったが危険な状況)を記録・分析することで、再発防止の対策を講じることも重要です。

2. 従業員の健康維持

安全衛生管理は、事故防止だけでなく、従業員の健康維持も大きな目的のひとつです。定期健康診断や作業環境のチェック、過重労働の管理などを通じて、従業員が安全かつ健康に働ける環境を整えます。特に製造業では、騒音や粉じん、化学物質などの職業性リスクも多いため、こうした環境リスクの把握と改善も安全衛生管理の重要な役割です。

3. 法令遵守

安全衛生管理は、企業の責任として労働安全衛生法や関連法規を遵守することも目的のひとつです。法令に基づく安全衛生計画の策定、届出書類の作成、定期的な監査対応など、法律に沿った管理が行われることで、企業は法的リスクを回避し、従業員に安心して働ける環境を提供できます。


安全衛生管理者(現場担当者)は、上記の目的を達成するために、日常的な監督や指導、改善活動を行います。具体的には、安全パトロールの実施、作業手順の改善指導、事故発生時の原因分析などです。一方で、事務職は書類作成やデータ管理、研修サポートなどを通じて、管理者をバックアップします。事務職が正確なデータや書類を提供することで、管理者はより効率的に現場改善やリスク対策に集中でき、結果として安全衛生管理全体の精度と効率が向上します。


事務職でも関われる具体的業務

事務職が安全衛生管理業務で関われる仕事は多岐に渡ります。主な業務は以下の通りです。

書類作成・届出業務

  • 労働安全衛生法関連の届出や報告書作成
    安全衛生に関する法定書類の作成や提出を担当します。例として、労働災害発生報告書や定期報告書があります。
  • 安全衛生委員会資料の準備
    安全衛生委員会で使用する資料の作成や配布を行います。議事録やデータ集計も含まれることがあります。

データ管理・集計

  • 労働災害の発生件数や休業日数の管理
    事故やヒヤリハットの記録を整理し、管理者が分析しやすい形にまとめます。
  • 健康診断結果の集計・報告
    従業員の健康診断結果をまとめ、異常値のチェックや法定報告の準備を行います。

社内研修・教育サポート

  • 安全衛生研修の案内作成、出席管理
    社内研修のスケジュール作成、参加者への通知、出欠確認を行います。
  • 教材・資料の準備
    研修用資料の印刷・配布や、研修中に使用するツールの準備を担当します。

備品・設備管理サポート

  • 保護具の発注や管理
    ヘルメット、手袋、防護メガネなどの安全装備の在庫管理や発注を行います。
  • 消耗品や安全標識の管理
    作業現場で使用される安全表示や消耗品の管理、補充作業を担当します。

事務職が安全衛生管理業務で求められるスキル

事務職が安全衛生管理業務を円滑に行うためには、以下のスキルが必要です。

  • Excel・Wordなどの基本操作
    データ集計や書類作成に必須です。関数や表作成のスキルがあるとより効率的です。
  • データ管理能力・正確性
    労働災害の記録や健康診断データは正確性が求められます。細かい作業を丁寧に行える能力が重要です。
  • コミュニケーション能力(各部署との調整)
    安全衛生管理は現場と事務の連携が不可欠です。情報共有や調整を円滑に行う能力が求められます。
  • 法令や社内規定の理解
    労働安全衛生法や会社独自の安全ルールを理解し、業務に反映できることが重要です。

安全衛生管理業務の魅力とキャリア

事務職として安全衛生管理に関わることで、業務のやりがいやキャリア形成に大きな魅力があります。具体的には以下のポイントが挙げられます。

1. 会社の安全・健康に貢献できる

事務職は現場に直接出るわけではありませんが、書類やデータ管理、研修運営などを通じて、従業員の安全や健康維持に大きな影響を与えることができます。例えば、労働災害の統計を正確にまとめることで、管理者が効果的な安全対策を立てやすくなります。また、研修や安全教育のサポートを通じて、全社的な安全意識の向上に貢献することも可能です。このように、目に見える形ではなくても、会社全体の安全文化の醸成に欠かせない存在となります。

2. 将来的な安全衛生管理責任者へのキャリアパス

事務職としての経験を積むことで、将来的には安全衛生管理者や総務担当としてキャリアアップすることも可能です。たとえば、日常のデータ管理や書類作成を通じて法令遵守や現場運営の理解が深まると、管理者としての役割にステップアップできます。製造業では、安全衛生管理の経験は管理職や総務職への異動、あるいは他社での安全衛生関連職への転職でも強みとなります。

3. 法律知識や管理業務スキルが身につく

安全衛生管理業務に携わることで、労働安全衛生法や関連法規、社内規定の理解が自然に身につきます。また、データ集計や報告書作成、研修運営などの管理業務スキルも同時に習得可能です。これらのスキルは、事務職としてのキャリアだけでなく、総務、労務、管理部門など幅広い職種で応用できるため、キャリアの柔軟性や市場価値を高めることにつながります。


まとめ

製造業における安全衛生管理は、労働災害防止や従業員の健康維持、法令遵守という観点から、企業の基盤を支える重要な業務です。現場で直接作業を行う管理者だけでなく、事務職も安全衛生管理に大きく関わることができます。書類作成や届出業務、データ集計、研修運営、備品管理など、事務職のサポートがあることで、安全衛生管理全体の精度と効率が格段に向上します。

事務職として安全衛生管理業務に関わる魅力は、会社の安全・健康に貢献できることだけでなく、将来的なキャリアアップや法律知識・管理業務スキルの習得にもあります。未経験であっても、ExcelやWordなど基本的な事務スキルを活かしながら、安全衛生管理の業務に挑戦することが可能です。また、経験を積むことで安全衛生管理者や総務担当へのステップアップも視野に入ります。

製造業で事務職として働く方は、単なる書類作成やデータ入力にとどまらず、会社全体の安全文化の醸成や従業員の健康を守る重要な役割を担うことができます。安全衛生管理の知識とスキルを身につけることは、事務職としての専門性を高めるだけでなく、幅広い職種で活かせる強みとなるでしょう。就職・転職を考えている方も、未経験であっても事務経験を活かしつつ安全衛生管理に関わるチャンスがあることを知っておくと、キャリアの選択肢が広がります。製造業で事務職として働きながら、安全で健康な職場づくりに貢献することは、非常にやりがいのある仕事です。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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