2025/08/21
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障害者雇用における部品設計CAD業務|正確さを活かせる仕事の特徴

はじめに

ものづくりの現場において欠かせないのが「設計」の仕事です。なかでもCAD(Computer Aided Design)は、製品の品質や精度を左右する重要な役割を担っています。特に部品設計CADは、0.1mm単位の精度が求められるため、正確さや丁寧さがそのまま成果につながる分野です。

障害者雇用においても、この「集中力」「正確さ」「コツコツと取り組む力」を強みとして活かせる場面が多くあります。体力面の負担が少なく、在宅勤務にも対応しやすいため、近年は障害者雇用の選択肢として注目度が高まっています。


部品設計CAD業務とは?

仕事内容の基本

部品設計CADの仕事は、機械や電子機器を構成する「部品」の設計図を作成することです。自動車や家電製品、産業機械など、私たちの生活を支える製品のほとんどは細かい部品の集合体で成り立っています。

業務の流れとしては、以下のようなステップがあります。

  • 設計仕様に基づいた図面の作成
  • 2D図面から3Dモデリングへの展開
  • 製造現場への設計データの引き渡し

単純に「図面を描く」だけでなく、製造工程や組立てのしやすさまで考慮するため、ものづくり全体の品質に直結する重要な仕事です。

使用される主なCADソフト

部品設計でよく使われるソフトには以下があります。

  • SolidWorks:機械系3D設計に強み
  • CATIA:自動車・航空機業界で広く採用
  • AutoCAD Mechanical:2D・3D両対応で幅広く利用
  • Inventor:直感的な操作性と高精度モデリング

これらは世界中の製造業で導入されており、習得すれば専門スキルとして大きな強みになります。

部品設計CADの特徴

部品設計の現場では、0.1mm単位の精度が要求されます。さらに、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)の規格に基づく正確な設計が不可欠です。わずかな誤差でも製品全体の不具合や事故につながるため、細部にまで注意を払うことが求められます。


障害者雇用でCAD業務が注目される理由

身体に大きな負担が少ない(デスクワーク中心)

CAD業務はパソコンを使ったデスクワークが中心です。重い物を持ち運ぶことや長時間の立ち仕事はほとんどなく、身体的な負担が少ないため、障害を抱える方にとって取り組みやすい仕事の一つです。

専門スキルを持つことで即戦力になれる

CADスキルは製造業界で常に需要があり、経験や知識を持つ人材は即戦力として高く評価されます。特に部品設計はあらゆる産業で必要とされるため、一度スキルを習得すれば長期的に活躍の場が広がります。

在宅勤務やリモート環境にも対応可能

近年では、CADソフトをリモート環境で利用できる仕組みが整い、在宅勤務に対応する企業も増えています。通勤が難しい方や静かな環境で作業したい方にとっても、安心して働ける選択肢となっています。

部品設計CAD業務に向いている人の特徴

集中力がある人

部品設計は、細かい作業を長時間コツコツと続ける業務が多い分野です。例えば、数十個以上の部品を正確にモデリングする作業や、細部の寸法確認を繰り返すような場面では、集中力の持続が成果を左右します。

正確さ・几帳面さがある人

部品設計では「0.1mmの誤差」が製品全体の不具合に直結することもあります。数字や図面の矛盾に気づける几帳面さ、細部まで確認を怠らない姿勢が求められます。間違いを防ぐためにチェックリストを活用する習慣がある人は特に向いています。

論理的に考えるのが得意な人

設計は「手順」と「規格」に沿って進める必要があり、感覚よりも論理的思考が重視されます。部品単体の精度だけでなく、組み合わせたときに干渉や不具合が生じないか、製造や組立がしやすいかなど、複数の条件を冷静に検討する力が求められます。

発達障害・精神障害の強みとの関係

  • ASD(自閉スペクトラム症)傾向のある人
    規則性やルールを守ることに強みがあり、寸法や規格に忠実に図面を仕上げる適性を発揮しやすいです。細かい作業に集中し、正確性を積み上げる点でCAD業務との親和性は高いといえます。
  • ADHD傾向のある人
    「細かい作業は苦手」と思われがちですが、設計プロセスの中で新しい発想や独自の工夫が求められる場面では力を発揮します。例えば「従来の設計をより効率的にできないか」「新しい形状で強度を高められないか」といったアイデアは、発想力の豊かさから生まれることがあります。

ポイント

障害の特性は一面的に「弱み」として捉えられがちですが、CAD設計のように「正確さ」「論理性」「発想力」を求める業務では強みとして活きる場面が多いです。
むしろ、適切な配慮(集中しやすい環境、作業の区切り、フィードバックの仕組み)が整えば、一般の人以上に高い成果を出せる可能性があります。


面接でアピールできるポイント(部品設計CAD版)

CADソフトの操作スキル

「SolidWorksを半年間独学で習得しました」「CAD利用技術者試験2級を取得しました」など、具体的な学習歴や資格を伝えることで、即戦力としての評価につながります。

正確さ・丁寧さを裏付けるエピソード

「前職で図面の誤差を発見して不良品の発生を防いだ」「学生時代に作成した設計図をポートフォリオとしてまとめている」など、実例を示すと説得力が増します。

チームでの連携経験

設計は一人で完結するものではなく、製造部門や品質管理部門との連携が不可欠です。「他部署との打ち合わせを通じて改善提案をした経験」などを伝えると、協働できる人材であることをアピールできます。

障害特性の伝え方

「苦手」をそのまま伝えるのではなく、「工夫で補っている」点を伝えることが重要です。
例:

  • 「集中力が途切れやすいので、作業を区切って取り組むようにしています」
  • 「音に敏感なため、静かな環境で作業すると集中できます」

このように伝えることで、前向きな印象につながります。


必要なスキルと学習方法

基本的なPCスキル

CAD業務は図面作成だけでなく、ExcelやWordでの設計データ管理や報告書作成も多く発生します。基本的なPC操作スキルは必須です。

CADソフトの基礎操作

まずは「2D CAD」から学び、次に「3D CAD」へと進むのが一般的です。学習方法は以下の選択肢があります。

  • 専門学校や職業訓練校:体系的に学べる
  • オンライン講座:Udemyやスクール型eラーニングで自宅から受講可能
  • 独学:公式マニュアルやYouTube解説動画で学習

資格取得のメリット

資格が必須ではありませんが、履歴書でのアピールに役立ちます。代表的なものに以下があります。

  • CAD利用技術者試験(2級・1級)
  • 3D-CAD関連資格(SolidWorks認定試験など)

資格は「客観的にスキルを証明できる手段」として、就職・転職で大きな武器になります。

職場で必要な配慮・工夫

集中力を保つ環境

CAD業務では細かい作業が続くため、集中できる環境づくりが欠かせません。

  • 静かな作業スペースを確保
  • ノイズキャンセリングイヤホンの使用
  • 一定時間ごとの休憩ルール

といった配慮があれば、安定した作業効率を維持しやすくなります。

指示の伝達方法

「曖昧な指示」や「口頭のみの指示」はミスの原因になりがちです。

  • 作業内容を文書化
  • 図解やスクリーンショットを活用
  • タスク管理ツールで進捗を見える化

といった工夫で、誤解を減らし、安心して業務を進められます。

体調管理との両立

障害特性や体調に合わせて、

  • 在宅勤務制度の活用
  • フレックスタイムや短時間勤務の導入
    など柔軟な勤務体制をとることが、長期就労の安定につながります。

CAD業務における就職・転職活動の進め方

求人の探し方(障害者雇用枠での募集例)

ハローワークの障害者窓口や、障害者専門の転職サイトでは「CADオペレーター」「設計補助」といった職種で求人が見つかります。在宅勤務可能な募集も一部増えており、希望に合わせて選択肢を広げられます。

ポートフォリオ(過去の図面や作品)の用意

履歴書や面接では、実際に作成した図面や3Dモデルをポートフォリオとして提出すると強いアピールになります。学生時代や独学で作ったものであっても、スキルの証明として十分活用可能です。

対応策(ポートフォリオがない場合)

  1. 資格取得用の課題作品を活用
    CAD利用技術者試験やSolidWorks認定試験などの演習課題をポートフォリオ代わりに提示できる。
  2. 自主制作のモデルを作る
    ネジ・ボルト・歯車・ケースなど、公開されている規格部品をモデリングして「基礎力」を見せる。
  3. スクリーンショットを残す
    データが持ち出せなくても、社内で「画面キャプチャ」を撮って良い範囲(許可された範囲)でスキルを証明するケースもあります。

面接での伝え方(スキル+配慮事項)

「CADソフトのスキル」とあわせて、「どのような配慮があれば働きやすいか」を具体的に伝えることが重要です。
例:

  • 「静かな環境で集中できます」
  • 「指示は文章でいただけると助かります」

配慮は「わがまま」ではなく、安定して力を発揮するための前提条件であると意識して伝えましょう。


実際に働いている人の事例(モデルケース)

ASD傾向のある人が製品検品からCADオペレーターにステップアップ

最初は製品検品の仕事に従事していたASD傾向のある方が、正確さや集中力を評価され、CADオペレーターへステップアップした事例があります。ルールを守り細部を見逃さない特性が、設計業務において高く評価されました。

身体障害のある人が在宅勤務でCAD設計に従事

通勤が難しい身体障害のある方が、在宅勤務制度を活用してCAD設計の仕事を続けている事例もあります。リモートでの作業環境が整ったことで、体力的な負担を減らしながら専門スキルを活かし、長期的に安定就労を実現しています。


まとめ|正確さを武器にCAD業務で活躍しよう

部品設計CADは、「正確さ」や「集中力」といった特性を強みにできる仕事です。発達障害や身体障害があっても、特性を工夫で補えば長期的に活躍できる可能性は十分にあります。

就職・転職活動では、スキル習得や資格取得に加え、自分に必要な配慮を明確に伝えることが大切です。適切な環境が整えば、CAD業務は安心して続けられる仕事の一つです。

さらに、CAD業務は製造業全体を支える基盤となる重要な役割を担っています。設計図がなければ製品は生まれず、正確な設計が品質や安全性を守ります。だからこそ、「几帳面さ」や「丁寧さ」を持つ人材は企業にとっても欠かせない存在です。👉 正確さと丁寧さを武器に、CAD設計の世界で自分らしいキャリアを築いていきましょう。 そして、自分に合った環境や支援を得ながら、長く安心して働ける未来を目指してください。

投稿者プロフィール

八木 洋美
自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。
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