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潰瘍性大腸炎とは?原因・症状から仕事での悩み・働き方のポイントまで徹底解説

この記事の内容
現代社会において、働きながら慢性的な病気と向き合っている方は少なくありません。
その中でも、潰瘍性大腸炎は比較的若い世代にも発症しやすく、就職やキャリア形成にも影響を与える可能性のある疾患です。
「潰瘍性大腸炎」と聞くと、ただの腸の病気だと思われがちですが、
実際には生活全体に大きな影響を及ぼす病気であり、
適切な理解とサポートが不可欠です。
本記事では、潰瘍性大腸炎の基本知識から治療方法、そして仕事との両立について、
わかりやすく丁寧に解説していきます。
潰瘍性大腸炎とは?
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)は、
大腸の内側の粘膜に炎症や潰瘍(ただれ)が発生する慢性炎症性腸疾患(IBD)の一種です。
炎症は直腸から始まり、進行すると大腸全体に広がることもあります。
症状には個人差がありますが、慢性的に再発と寛解(症状が落ち着く)を繰り返すのが特徴です。
この病気は指定難病にも認定されており、長期間にわたる医療的管理が必要となるケースが多いです。
潰瘍性大腸炎の概要
潰瘍性大腸炎は、男女問わず発症し、特に20代から30代の若い世代に多く見られます。
また、40代、50代以降で発症するケースもあり、年齢に関係なく注意が必要な疾患です。
【主な症状】
- 慢性的な下痢(血便を伴うことも)
- 腹痛、腹部の違和感
- 発熱、倦怠感
- 貧血
- 体重減少
これらの症状により、日常生活はもちろん、仕事のパフォーマンスにも影響が出やすくなります。
特にトイレに頻繁に行く必要があるため、外回りや長時間拘束される仕事には配慮が必要です。
【発症の原因】
現在のところ、潰瘍性大腸炎の明確な原因は解明されていません。
免疫異常、遺伝的要因、環境要因(食生活の欧米化など)が関与していると考えられています。
どんな治療法がある?働きながら続けるには?
潰瘍性大腸炎の治療は、症状のコントロールと寛解維持が目的となります。
完治を目指す治療は困難ですが、適切な治療によって長期間症状を抑えることが可能です。
【主な治療法】
- 薬物療法:
5-ASA製剤(メサラジン製剤)やステロイド、免疫調整薬、生物学的製剤などを用いて炎症を抑えます。 - 食事療法:
低脂肪・高たんぱく、低刺激の食事が推奨されます。
個々の症状に合わせて食事指導が行われます。 - 外科手術:
重症化して薬物療法が効果を示さない場合、外科手術が検討されることもあります。
ストーマ/ストマ(人工肛門)
手術によって大腸の一部または全部を切除した場合、
腹部にストーマ(人工肛門)を造設することがあります。
【ストーマとは】
- 腸の一部を腹部に出し、そこから排泄を行う方法
- 排泄物はストーマ装具(パウチ)に蓄積される
【ストーマ造設後の生活】
- 初めは戸惑いがあるものの、正しいケアと慣れにより通常の生活・仕事復帰が可能
- 外見的には服の上からは見えないため、周囲に気づかれずに生活できる
- ストーマケアをサポートする医療機関や製品メーカーも充実している
ストーマを設置しても、多くの方が仕事を続けたり、旅行に行ったりと、
以前と変わらない生活を取り戻しています。
クローン病との違い
潰瘍性大腸炎とよく比較される病気に「クローン病」があります。
この2つは似た特徴を持つ炎症性腸疾患ですが、いくつか大きな違いがあります。
| 項目 | 潰瘍性大腸炎 | クローン病 |
| 発症部位 | 大腸(直腸から連続的に広がる) | 消化管全域(口から肛門までどこでも) |
| 炎症の範囲 | 粘膜層のみ | 消化管壁のすべての層 |
| 症状 | 血便、下痢、腹痛 | 下痢、腹痛、発熱、痔瘻など |
| 手術後の再発リスク | 低い(基本的に根治が可能) | 高い(手術しても再発することが多い) |
| 指定難病 | 該当 | 該当 |
潰瘍性大腸炎は、クローン病に比べると手術での根治が期待できる場合が多い一方、
クローン病は慢性的に病変が再発しやすい特徴があります。
症状や治療方針も異なるため、診断と適切な管理がとても重要です。
潰瘍性大腸炎の原因と症状
潰瘍性大腸炎は、日常生活にも大きな影響を与える慢性疾患のひとつです。
この病気と向き合いながら、仕事や生活を送るには、正しい知識と適切なサポートが欠かせません。
ここでは、潰瘍性大腸炎の原因や症状について詳しく解説し、さらに患者さんが抱える悩みと、利用できる支援制度についてもご紹介します。
潰瘍性大腸炎の原因はストレスに関係あり?
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じる病気ですが、そのはっきりとした原因はいまだ解明されていません。
ただし、近年の研究では以下のような要因が複合的に関与していると考えられています。
【主な原因とされる要素】
免疫異常
本来なら体を守るはずの免疫システムが、誤って腸の粘膜を攻撃してしまう自己免疫反応が関与していると考えられています。
遺伝的素因
家族内発症が見られるケースもあり、遺伝的な要因が影響している可能性が指摘されています。
環境因子
食生活の欧米化(高脂肪・高たんぱく食)、喫煙歴、感染症など、生活環境の変化も発症リスクに関与しているとされています。
ストレスとの関係
直接的な発症原因とは断定されていませんが、ストレスが潰瘍性大腸炎の発症や悪化を引き起こす要因になると考えられています。
特に、精神的なストレスが免疫機能を乱し、症状を悪化させるケースが多く報告されています。
【1】症状による生活への支障
急な腹痛や下痢により、外出が不安になる
トイレがすぐ使えない環境に不安を感じる
長時間の会議や移動が困難になる
こうした不安から、仕事の選択肢が限られると感じたり、社会生活に消極的になってしまう方も少なくありません。
【2】職場での配慮不足
病気への理解が得られず、体調悪化時も無理を強いられる
頻繁な通院が必要だが、勤務先に相談しにくい
疲労や体調不良でパフォーマンスが落ちることにプレッシャーを感じる
オープンに病気を伝えるか、隠して働くか悩む方も多く、
働き方についての選択に大きな葛藤が伴います。
障害者手帳や障害年金を取得できることも
潰瘍性大腸炎は、症状が重い場合、一定の条件を満たせば障害者手帳や障害年金の取得対象になる可能性があります。
身体障害者手帳(内部障害)
【対象となる条件の一例】
大腸の機能障害が重度で、生活に支障をきたしている場合
ストーマ(人工肛門)を造設した場合
手帳を取得することで、以下の支援が受けられます。
税制上の優遇(所得税・住民税控除)
公共交通機関の割引
医療費助成
障害者雇用枠での就労支援
障害年金
【対象となる条件】
日常生活や就労に著しい制限がある場合
医師の診断書に基づき、障害等級(2級または3級)に該当すると認められた場合
障害年金を受給できれば、経済的不安を軽減しながら治療に専念することが可能になります。
潰瘍性大腸炎が仕事に与える影響

潰瘍性大腸炎は、見た目には分かりにくい病気ですが、
患者さんの生活、特に「働き方」に大きな影響を与える慢性疾患の一つです。
症状には波があり、良いときは普通に働けても、悪化時には通勤や業務遂行が困難になることも。
潰瘍性大腸炎を持ちながら無理なく働き続けるためには、仕事選びや職場環境の工夫が重要です。
ここでは、潰瘍性大腸炎が仕事に与える影響、そして働くうえで注意すべきポイントについて詳しく解説します。
潰瘍性大腸炎をお持ちの方の仕事選びで気を付けること
潰瘍性大腸炎と上手に付き合いながら働くためには、以下の視点を意識して仕事選びを行うことが大切です。
トイレへの配慮
潰瘍性大腸炎の代表的な症状には、頻回の下痢や腹痛があり、
急にトイレへ行きたくなることが少なくありません。
そのため、仕事選びにおいては以下の点に注意が必要です。
- トイレにすぐアクセスできる職場環境か
長時間トイレに行けない状況(接客業、工場ライン作業、外回り営業など)はストレスになりやすいため注意が必要です。 - トイレ休憩に柔軟に対応できる職場か
「トイレに行きたい」と思ったときにすぐに行ける、休憩のタイミングを柔軟に調整できる職場が理想です。 - 在宅勤務が可能な仕事を選ぶ
自宅であればトイレの心配をせずに安心して仕事に集中できるため、テレワーク可能な職種は潰瘍性大腸炎の方に適しています。
食事の自由度
潰瘍性大腸炎の管理には、食事制限も重要な要素となります。
【注意すべきポイント】
- 食事の内容によっては症状が悪化するため、外食中心の生活や、食事時間が不規則になりがちな仕事は注意が必要です。
- 勤務中に自分で用意した食事が取れる職場(お弁当持参可、社員食堂の利用が強制されない環境)が望ましいでしょう。
【おすすめの環境】
- 決まった時間に昼休憩が取れる
- 食事制限に理解がある職場(アレルギーや疾患に理解のある環境)
無理に外食を強いられる環境や、長時間食事が取れないような職場は、
症状管理の面からも避けた方が良いといえます。
ストレスが多い環境、ハードな働き方は向いていない
潰瘍性大腸炎の症状悪化にはストレスが大きく関係しています。
そのため、極端にストレスが多い職場や、肉体的負担が大きい仕事は慎重に検討する必要があります。
【避けたい働き方の例】
- 毎日残業が続く長時間労働
- 常にノルマに追われる営業職
- 人間関係のトラブルが多い環境
- 交代勤務や夜勤など生活リズムが乱れやすい職種
【おすすめの働き方】
- フレックスタイム制など、勤務時間に柔軟性がある
- 在宅勤務やテレワーク中心の職種
- 自分のペースで業務を進められる個人作業中心の仕事
- チームメンバーに病気への理解があり、急な体調不良にも配慮してもらえる職場
ストレスを極力減らし、規則正しい生活リズムを保つことが、
潰瘍性大腸炎との共生には不可欠です。
潰瘍性大腸炎をお持ちの方に向いている仕事・職場環境

潰瘍性大腸炎という慢性疾患を抱えながらも、社会で活躍し、やりがいのある仕事を続けたいと考えている方は多くいらっしゃいます。
しかし、病気特有の症状や治療との両立を考えると、自分に合った仕事や職場環境を選ぶことが極めて重要です。
ここでは、潰瘍性大腸炎をお持ちの方に向いている職種と、働きやすい環境づくりのポイントについて、詳しくご紹介します。
潰瘍性大腸炎の人に向いている職種
潰瘍性大腸炎を抱える方にとって、日々の体調変化や急なトイレニーズに対応できる柔軟な仕事スタイルが求められます。
次のような職種は、症状とうまく付き合いながら無理なく続けやすいとされています。
【1】在宅勤務・リモートワーク可能な仕事
- データ入力
- Webライター、コンテンツ制作
- Webデザイナー、プログラマー
- 経理・総務などのバックオフィス業務
在宅勤務であれば、トイレの心配がなく、自分のペースで仕事を進めることができるため、
潰瘍性大腸炎の方には非常に相性が良い働き方です。
【2】デスクワーク中心の業務
- 事務職(一般事務、営業事務)
- カスタマーサポート(電話・チャット対応)
- ITサポートデスク
基本的に屋内業務であり、トイレにも比較的自由に行きやすい環境が整っているケースが多いため安心です。
【3】専門性・スキルを活かせる仕事
- 翻訳、校正
- 会計士、税理士補助
- カウンセラー、コンサルタント
スキルベースで成果を出す職種は、成果重視の評価制度を取り入れている企業も多く、
体調に波があっても柔軟に働きやすい傾向があります。
潰瘍性大腸炎の人が働きやすい環境
病気の症状とうまく付き合いながら働き続けるためには、職種選びだけでなく、
職場環境や会社の理解度も非常に重要です。
以下のポイントを押さえることで、働きやすさが大きく変わります。
トイレにいつでも行ける職場
潰瘍性大腸炎の方にとって、急な腹痛や下痢への対応が欠かせません。
そのため、以下のような職場環境が望ましいです。
- 執務室や自席からトイレへのアクセスが良好
- トイレ休憩に関して特別な許可を取らなくてもよい職場文化
- 体調不良を理由に席を外すことが自然に受け入れられている雰囲気
これにより、トイレへの不安を抱えず、安心して業務に集中できます。
在宅ワークができる仕事
在宅ワークが可能な職場であれば、次のようなメリットがあります。
- トイレの場所を気にする必要がない
- 体調に合わせて作業ペースを柔軟に調整できる
- 食事や休憩を自分のタイミングで取りやすい
- 通勤ストレスを完全に排除できる
特に、体調の波が大きい方や、頻繁な通院が必要な方には、
在宅勤務制度を導入している企業がおすすめです。
理解や心遣いはあっても詮索されない環境
病気についてオープンにするかどうかは本人の選択ですが、
仮に病気を開示した場合も、「無理に詮索せず」「過度な特別扱いをしない」バランスの取れた対応が理想です。
【望ましい職場文化】
- 必要な配慮はしてもらえるが、病気について根掘り葉掘り聞かれない
- 周囲が自然体で接してくれる
- 「大丈夫?」と過度に心配されすぎない
本人の自主性とプライバシーを尊重してもらえる環境が、
精神的な負担を軽減し、働きやすさにつながります。
通院配慮や休みがとりやすい環境
潰瘍性大腸炎の治療には、定期的な通院や検査が欠かせません。
そのため、次のような配慮がある職場は非常に働きやすいといえます。
- 通院日を事前に申告すれば有給休暇を取得しやすい
- 病院予約に合わせてフレックス制度が利用できる
- 体調不良時に柔軟にリモート勤務へ切り替えられる
- 病気に対する上司・人事部門の理解がある
制度があっても実際には使いづらい職場もあるため、
面接時に「有休取得率」や「病気療養中のサポート事例」などを確認すると安心です。
障害者雇用就職・転職で利用できる支援サービス
障害を持ちながら働きたいと考えたとき、ひとりで悩み、迷うことは少なくありません。
そんなときこそ、専門の支援サービスを活用することで、自分に合った仕事を見つけるチャンスを大きく広げることができます。
ここでは、障害者雇用における就職・転職活動で利用できる代表的な支援サービスについて、それぞれの特徴や活用方法を詳しくご紹介します。
ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワークは、全国に設置された国の職業紹介機関であり、障害者雇用にも積極的に取り組んでいます。
【特徴】
- 障害者専用の窓口(専門援助部門)を設置しているところが多い
- 個別相談、職業紹介、応募書類の添削、模擬面接指導などを無料でサポート
- 企業側にも障害者雇用に関する助成金や支援制度を紹介しており、障害者雇用枠求人が豊富
【メリット】
- 公共機関ならではの幅広い求人情報
- 住んでいる地域に密着した企業情報が得られる
- 求人票だけではわからない職場環境の情報も教えてもらえることがある
ハローワークでは、「就労支援ナビゲーター」と呼ばれる専門スタッフが、障害特性に応じた支援計画を立てるサポートも行っています。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する公的支援機関です。
【特徴】
- 障害に応じた職業評価(職業準備性の確認、作業適性検査など)を実施
- 職業リハビリテーション(就労に必要なスキル向上プログラム)の提供
- 就職後の職場定着支援(ジョブコーチ支援)を行っている
【メリット】
- 働くうえでの課題を専門的に分析し、具体的な支援プランを作成できる
- 医療・福祉・教育機関とも連携して包括的なサポートを受けられる
- 職場見学や実習の機会を通じて、ミスマッチのリスクを減らせる
障害特性に合わせた個別支援を受けたい方、または自分に合った仕事選びに不安がある方には、特におすすめのサービスです。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づき設置された民間の福祉サービス施設で、一般就労を目指す障害者を対象に支援を行っています。
【特徴】
- ビジネスマナー、パソコンスキル、体調管理法などを学ぶトレーニングプログラムを提供
- 職場実習、インターンシップの機会を通じた実践的な支援
- 就職活動支援(履歴書作成、面接対策)から就職後の定着支援までカバー
【メリット】
- 毎日通うことで生活リズムを整えられる
- 少人数制のため、個別にきめ細かい支援が受けられる
- 企業開拓を積極的に行っており、利用者一人ひとりに合った職場を紹介してもらえる
体調やスキルに不安がある方、社会復帰に向けたステップを踏みたい方には、非常に心強い存在です。
障害者雇用に特化した転職サイト
近年では、障害者雇用に特化した転職サイトも多数登場しています。
障害者ナビを利用することで、自分に合った求人情報を効率よく探すことができます。
【代表的なサイトの特徴】
- 障害者雇用枠に特化した豊富な求人情報を掲載
- スカウトサービス(企業から直接オファーが届く機能)が利用できる
- 専任エージェントによるキャリア相談、書類添削、面接対策のサポートを無料で受けられるところも多い
【活用のメリット】
- 自分の障害特性に配慮した企業と出会いやすい
- 在宅勤務や時短勤務など、多様な働き方に対応した求人が探せる
- 「配慮事項あり」と明記された求人も多く、安心して応募できる
\障害者ナビはこちら/
障害者雇用に特化した障害者ナビを活用し、自分にぴったりの働き方を探してみましょう。
まとめ
障害を持ちながらの就職・転職活動では、
「どの支援サービスを活用するか」が成功の大きなカギを握ります。
【今回のポイントまとめ】
- ハローワークでは地域に密着した支援と豊富な求人情報を得られる
- 地域障害者職業センターでは専門的な職業リハビリテーション支援が受けられる
- 就労移行支援事業所では就職に向けたスキルアップと実践的なサポートが充実している
- 障害者特化型転職サイト:障害者ナビを使えば、自分に合った求人と効率よく出会える
一人で抱え込まず、こうした支援サービスを積極的に活用することで、
「自分らしく働ける未来」がきっと広がっていきます。
まずは、気軽に一歩を踏み出してみましょう!
投稿者プロフィール
- 自身も障害を持ちながら働いてきた経験から、「もっと早く知っていればよかった」情報を多くの人に届けたいと考えています。制度や法律だけでなく、日々の仕事の工夫や心の持ち方など、リアルな視点で役立つ記事を執筆しています。









